第9話

心の穴
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2018/03/22 05:12
次の日。

いくつとなく思い浮かぶこれから起きる出来事。

思い出したくない昨日。

きっと今日、涼介となずなが付き合うことになるだろう。

そして、また私は泣く羽目になるだろう。

そして私の心には、穴があくことになるだろう。

学校にたどり着いた頃にはもう…
私の心は疲れ果てていた。

ほら…
近づく足音…。

私の目の前で立ち止まるんだ。

やっぱり…

前を向くと涼介となずな。
まさかの2人で報告。

辛い気持ちが余計に辛くなるなぁ。
あなた

どしたの?
2人でそろって。

知らないふりをして笑いかける。
山田涼介
あのさ…
山田涼介
俺たち、付き合うことになった。
終わった。
もういいけどね…

分かってたことなのに、やっぱり辛い…。

涙をこらえて話をする。
あなた

ほんと?
良かった。

なずな
なずな
全部あなたのおかげだよぉ!!!
ほんとありがとう!
あなた

そんなことないよー!!!

私が役にたったなら…。
それでいいんだ…
山田涼介
ありがとな。
あなた。
あなたも頑張れよ。
無理に決まってんじゃん。
頑張れって、今失恋したばっかりなのに…
あなた

分かってるよーーっ!
涼介のばーか。

山田涼介
バカはひどいだろっっ
涙が溢れそうになる。

産まれてから全てに捧げたこの恋が…
今ここで、
雪みたいに。
桜みたいに。
ひらひらと散っていく。

失恋。

こんなに悲しいんだ…。

これじゃもう、恋なんてできないね…。

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