次の日。
いくつとなく思い浮かぶこれから起きる出来事。
思い出したくない昨日。
きっと今日、涼介となずなが付き合うことになるだろう。
そして、また私は泣く羽目になるだろう。
そして私の心には、穴があくことになるだろう。
学校にたどり着いた頃にはもう…
私の心は疲れ果てていた。
ほら…
近づく足音…。
私の目の前で立ち止まるんだ。
やっぱり…
前を向くと涼介となずな。
まさかの2人で報告。
辛い気持ちが余計に辛くなるなぁ。
知らないふりをして笑いかける。
終わった。
もういいけどね…
分かってたことなのに、やっぱり辛い…。
涙をこらえて話をする。
私が役にたったなら…。
それでいいんだ…
無理に決まってんじゃん。
頑張れって、今失恋したばっかりなのに…
涙が溢れそうになる。
産まれてから全てに捧げたこの恋が…
今ここで、
雪みたいに。
桜みたいに。
ひらひらと散っていく。
失恋。
こんなに悲しいんだ…。
これじゃもう、恋なんてできないね…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!