あれからあなたと付き合うようになって、毎日学校に行く理由ができた。
こんなに楽しくなってしまった毎日に、俺は似合わねぇな。
でも、俺はやっぱりあなたが好きだ。
ずっと一緒にいれたらいいな。
そう思っていた。
幸せだった。
でも…付き合ってるからこそ不安になる。
あなたが他の男にとられないか。
あなたが俺のことを好きじゃなくなるんじゃないか。
それが本当に。
俺の心を不安にさせる。
教室にいるあなたは、前より楽しそうだった。
俺と付き合えたからか??
だったらいいな…
あっ…
俺とあなたが話すのをやめると、寄ってきたのはあいつ。
山田。
最近、妙にあなたに話しかける。
嫌な予感しかない。
幼馴染だからか?
あなたも山田と普通に話す。
あなたがもう一度、山田のことを好きになったら…
俺は自分の思い込みで、どんどん不安が募っていく。
あなたにこんなことで迷惑をかけられない。
俺は廊下にでた。
追いかけてきたあなた。
!?!?
あなたは俺をぎゅっとした。
やっぱり俺、あなたが好きだ。
何度言っても足りないほど、俺の中はあなたで埋め尽くされている。
山田の気持ちがあなたに向いていることを知らない俺たち。
とられたくねー。
山田には。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!