次の日。
目を覚ますと1件の通知。
誰かな??
開いてみると、1本の電話。
相手の名前は涼介。
なに??
私がまだ悪いから早くなずなに謝ってってこと?
それとも、なずなと付き合うことになったとか?
もう、涼介とは関わりたくない。
幼馴染だからなに??
もう…一緒にはいないから幼馴染なんて言わない。
好きだったよ…
今だって好きだけど…
涼介にはなずながいて、なずなには涼介がいる。
お互いがお互いを必要としてるから…
今の涼介に、今のなずなに私はいらない。
電話を無視して学校に行く。
靴箱でなずなに会う。
私は気まづくなりたくなかった。
もしかしたら付き合ったかもしれない。
そのこと、涼介だけじゃなくてなずなから言われるかもしれない。
だったら聞きたくない。
なずなと顔も合わせないで話していたからか、横から話しかけてきた有岡。
なずなは名残惜しそうにこっちを見てきたが、私はそれを無視した。
なずなには悪いと思ってる。
でも…こうするしかないんだ…。
有岡は不思議そうに私を見つめるが、それ以外何も口を出すことはなかった。
休み時間。
私の方に近づく足音。
なずなじゃなければあと1人。
涼介だ。
好きな人にこんなこと言ったら、1秒で振られちゃうだろう。
でも仕方がない。
こうするしか…
もう涼介からは離れられない。
なんで…
有岡だってどうして私なんかに優しくするの…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。