第23話

岸優太×元カノ
370
2020/06/07 08:57
岸side
最近ずっと元カノの事を思い出しては苦しんでいる。
普段ならそんなに考え込まない俺が
もうだいぶ前に別れた元カノの事を引きづっているなんて
「はぁぁ」
家の中ではずっとため息ばかり。
メンバーの前でもたまにため息ついちゃって、神宮寺とかに心配されるし。
神宮寺「岸くん、最近ため息多くない?」
「え、そんなに…?やべーな」
神宮寺「なんか悩んでるんだったら聞かせてよ」
「いや、あんさ…最近、元カノのことばっか思い出すんだよ。別れたのなんてだいぶ前なのにさ」
神宮寺「それさ…また、恋しちゃったんじゃないの?」
「はっ?!」
神宮寺「どっちから振ったの?」
「俺…だよ」
神宮寺「それなら尚更だよ。未練があったんだよ。それで、今頃思い出して、ため息ついて」
「そんなもんなのかな、わかんない」
神宮寺に言われてから考え続けて、やっと答えが見えた
「神っ!」
神宮寺「岸くんどしたの(笑)」
「俺さ、やっぱあなたのこと好きだった。」
神宮寺「そ。」
「グループにとって大事な時期なのにごめん。でも、俺は…アイツのことが忘れられない。許して欲しい」
神宮寺「あのさ、岸くん」
平野「そーいうことはさ、彼女に言いなよ」
「紫耀?!」
平野「前からずーっと聞こえてるからね?」
永瀬「それな(笑)岸さん声でかいねん」
髙橋「しょうがないよ、好きになったんなら。俺たちだって人間だから。バレないようにしてよね!」
岩橋「皆俺の言いたいこと取らないで(笑)!俺は応援してるよ、岸くんのこと」
「おうっ!行ってくるっ!!」
仕事終わり、東京の街中を全力で走った。
こんなに走ったのいつぶりだよってくらいに
あなたの家まで走りきって、インターホンを押す
あなた「はーい?…ゆう、た…」
「ハァ、急に、ごめんっゲホッ」
あなた「どしたの…中、入る?」
家の中に入れてもらって、へなへなと座り込む俺を心配そうに見つめるあなた
「あのさ、急で申し訳ないんだけどさ」
あなた「うん」
「俺と、もう1回付き合ってくれませんか?」
あなた「なんで今なの…」
「俺、最近あなたの事ばっか頭に浮かんで。ため息ばっかついて。改めて好きって気づいたんだ」
あなた「…ばかっ、もう遅いよ(泣)」
「遅いって…?」
あなた「私だって別れたあとずっと優太のこと引きづってたよ、でも…」
でも、の後から言葉を詰まらせるあなた
なぜか泣いているし
俺は訳が分からず戸惑った
「でも、なんだよ?」
あなた「…いい人が、現れたの。今度結婚するんだ、ほら見てよこれ、指輪くれたんだ」
遅かった
「…そっか、おめでとう、あなた」
無理して作り笑いなんか浮かべて。
おめでとうなんて言って。
あぁ、遅かった
もっと早く気づいてたら
別れていなかったら人生変わったのかもしれない。
でももう遅いんだ。
俺が出る幕じゃない。
きっと彼女を幸せにしてくれるいい人だから。
だから俺は…諦めるんだ、あなたのことを
翌日、楽屋
「俺振られたー!!」
神宮寺「何してんの岸くん」
平野「俺らの応援無駄にしたなー!」
髙橋「なんかこっちまで悲しくなってくる」
永瀬「岸さんが1番辛いやろ」
岩橋「その、彼女さん、彼氏いたんだ?」
「いや、ちげーよ?旦那さん、いた」
平野「え?岸くん既婚者に手出したの?」
「ないない!今度結婚すんだってさ」
永瀬「パーッと焼肉でも行って忘れよか!…もちろん岸くんのおごりで(笑)」
髙橋「いーねー!!行こ!」
「いや待てなんで俺のおごり?!」
メンバーがいなかったら俺多分無理だった
今は心から言えるよ
あなた、結婚おめでとう

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