「私…………」
「先輩が、好き。」
「だよねー?ほら、想い伝えてきなよ!」
伝える…。
でも、彼女が……いるんじゃないの?
こんな私が告ったところで、OKなんて返事、帰ってくるわけない。
「告白したらいけないなんてルール、ある?
彼女いたって、そんなのわからないじゃん」
そうだ。
このままの関係でいい?
このまま、話さずに先輩が卒業までいっちゃってもいい?
そんなの、
いいわけない
「伝えてくる」
あっという間に終わった1日。
放課後になったというチャイムとともに、2年生の教室へと走る
先輩…先輩……
早く、伝えなきゃ
彼女になんか、負けらんない
先輩のそばにいたいから。
このままなんか、嫌だから。
「先輩…!」
あの時と同じ。
私の目の前には、先輩がいる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。