第54話

電話
16,717
2020/06/18 10:02






「━━━━━━━━━む」







「・・・つむ」










『侑』









誰かに起こされて目が覚めた







窓の方を見るともう日が沈んでいた









「なんや・・・治」

「体調大丈夫なん」

「まぁ・・・それなり」











すると治は横に何やら袋を置いてきた










『これ、リビングにあったで』











『多分あなたがお見舞い来てくれたんやない』









そう言われてよく見てみるとメモ書きが貼られていた












"体調大丈夫?






お大事にしてね














あなた"












『!!!!!』









治はそれを置いて部屋を出ていった








え、いつ来たん








おかん起こしてくれればええのに









あかん、頭回らん










袋の中には経口補水液とゼリーが入っとる











やばい、めっちゃ嬉しい









俺のために来てくれただけで元気出そう










『電話せんと』









まだ胸はドキドキ言いながらも通話ボタンを押した












プルルルル・・・













『━━━━━━━━━━もしもし』








あなたの声が聞こえてまた胸がうるさい














『体調どうなん?』







『ま・・・まぁさっきよりはええかな』







『それはよかったなぁ、それでどしたん?』











『え、えっと』









『なに?聞こえん』








『お見舞い・・・』









『なに?』











『・・・お、お見舞いありがと』









『めっちゃ嬉しいわ』









『あ、気にせんといて!侑の好きなもん分かんなかったからとりあえず食べれそうなもの入れといたんやけど・・・』









『好きなもんトロや』









『どちらにしても生もの良くないから買えんなぁ』








電話越しに可愛く笑うあなた






その表情が容易に想像出来る










『じゃ、お大事にね』









『うん、ありがと』













ピーピーピー・・・
















やっぱりあなたのこと好きや








今また自覚した










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