そして着いたのは浅草
『それであなたはどれが食べたいんやっけ』
今回の卒業旅行
行く場所はほぼほぼ私が決めている(侑曰く、私が行きたい場所に行きたいらしい)
そんな私が浅草で食べたいものは二つある
でっかい唐揚げとめっちゃ伸びるチーズコロッケだ
そして最後に二人でおみくじが引きたい
「こことここやで」
「よし、じゃあ行くか」
浅草のシンボルががどんと目の前に現れる
「これがよくテレビで出てくるやんな」
「やっぱり大きいね」
というよりとにかく人が多い
「さすが東京や、めっちゃ人多いわぁ」
「せやね、人酔いしそう」
周りには人、人、人
日本人だけではなく外国から来た人もちらほら
時よりぶつかりそうになって危ない
『ほら、よそ見してたら危ないで?』
私がよそ見していたら
近くの人と肩がぶつかりそうになる
そこを侑がきゅっと引き寄せる
「ありがと」
「ん、気をつけてや」
そういう侑の細かい気遣いが大好きや
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。