そして私の目の前にどーんと広げられた大量のお菓子
『いや・・・どゆこと』
そしてその中には何個か手作りが紛れ込んでいる
『俺のファンのお菓子や、有難く受け取れや』
『いや、まって』
この男、思いやりは無いのか
お腹の中で思いやり忘れて生まれてきたん?
まぁ普段からマネに感謝の気持ちも表さない侑なら有り得なくはない
「いや!!!!!かわいそうだから!!!!!」
「こういうのは有難く受け取るんや!!!」
私にクワッとそう言ってくる
「せめて手作りは食べてや・・・」
「俺アスリートやからお菓子いらん」
侑は押し付けようという気満々そうだった
「じゃあ半分食べなよ、残りは私食べるから」
「甘いの嫌いや」
「嘘つけや」
前差し入れで作ったクッキーボリボリ食っとったやん
『しょうがないなぁ・・・』
この子たちの気持ちは私が受け取ってやるか
なんか謎の使命感が湧き上がってきた
『かわいそ』
『クソマネ、殺すで』
『いや!!!理不尽やから!!!!!』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。