プリ小説

第7話

第7話
「あの…美咲さん、?」

叶くんに話しかけられたのは、7時間目が終わって私が机に突っ伏している時だった。

「んー?どうしたの?」

「…美咲さんって、帰宅部なんだよね?」

確かに私はクラスで唯一の帰宅部だ。部活なんてやってる暇があるなら家でのんびりしていたい。

「そうだけど…何で知ってるの?」

「学校案内してほしいって近くの男子に言ったら、部活があるって断られて。美咲さんだけは部活やってないって教えてくれたから…」

何てことを教えてくれるんだ、その男子よ。
部活をやっていないことは誇れることではない。これで勉強してるんだったら誇れるかもしれないけど…私の場合は理由が理由だ。

それにしても、学校案内??
話の流れからして、私が叶くんにするの?

「美咲さん、学校案内…お願いして良い?」

えっ、めんどい…()
正直、それが私の本心だった。
まぁでも、どうせ家に帰ろうがゴロゴロしてるだけだしなぁ…まぁ、たまには良いか…
叶くんと話してみたいとは思ってたし。

「んー、良いよ。」

とりあえず授業で使うような教室だけ回れば大丈夫だと思うし…そんなに時間かからないよね!うん!
……………………………………………………………


何故私は、叶くんと夕日を見ているんだろうか。
いやまぁ綺麗なんですけど…

校内を一通り回って、私たちのクラスに戻ってきた時、叶くんが突然「屋上にも連れてってほしい」と言い出したのだ。
まだ時間がかかるのか、と少々面倒に感じたけど、まぁ屋上に興味が湧く気持ちも分からなくはないし…

と、現在に至る。

叶くんがあまりにも真剣に景色を見てるから、私はなかなか声をかけることが出来ない。

叶くんは、こういう綺麗な景色とかに興味があるのかなぁ…?
私はただ「綺麗だな~」くらいにしか思わないから、ちょっと良く分からないのだけれど。

「僕、風景画を描くのが好きなんだ。」

ふいに、叶くんは呟いた。

「それなら…美術部に入ったりしないの?」

朝の自己紹介の時、叶くんは陸上部に入るつもりだと言っていたはず。

「今は走りたいんだ…ってだけじゃ、説明にならないかな。」

今は走りたい、か…
そう言えば翔もそんなことを言っていた気がする。
あいつは他の運動だってそれなりに出来るのに、陸上部にこだわり続ける理由。
まぁ、あいつはガキの頃から走ってたからなぁ…私は鬼ごっこで永遠の鬼をやらされていた記憶しかない。

「うぅん、そういうのも良いと思う!!」

満面の笑みで言う私に、叶くんは少し驚いたような顔をする。

「美咲さんは何で部活に入らないの?」

「えっ…」

これは…正直に言って良いのかな…
何かそれっぽい嘘でもついといた方が良いのかな…

もう良いや!

「面倒だからかな…!」

「あー…そんな感じする。」

どういう感じですかね!?
ダラダラしてたそうな人だってバレてるの!?

「アイスの質問の時から不思議な人だと思ってたよ」

あっ…その質問覚えられてたんですね…
名前もその時に覚えられてたのかもしれない。

「僕の好きなアイスはね、ーーー」

「え、?」



突然聞いた答えに、私は呆然とした。

だって、叶くんが言ったそのアイスは、










私と翔が小さい頃から大好きなアイスだったから。

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三日月🌙
三日月🌙
学校あるんで更新ペース遅いときは超遅いです!ごめんなさい! Twitter→@Mikaduki2ym
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