プリ小説

第12話

第12話
「…翔、」

「っ……」

翔は怒っていた。
私は翔を起こらせてしまった。
叶くんと二人でお祭りに来て、はしゃいだノリでこんなことして…

ごめんなさい。
そう言う暇すら無かった。

「っ!!」

「あっ…待って!」

くるりと回れ右した翔はそのまま走り出し、人混みへと消えて行く。
追いかけようとした私の右手を、叶くんが掴んだ。

「なっ…」

「何でそんなに必死なの?」

「え……」

そんなこと、考えていなかった。
何となく、翔は傷つけてはいけない存在な気がするだけで。幼なじみだし、気まずくなったら困るなぁとか思って追いかけようとして…

「中途半端なのも彼を傷つけるだけだよ。」

中途半端。
たしかに、私が翔にしてきたことは中途半端なことばかりだった。変に期待ばかりさせておいて、結局裏切ってたんだ…

「ねぇ、僕は中途半端じゃないから。」

「飯田くんだけじゃなくて、僕を見てよ。」

叶くんの真っ直ぐな目が、私を捕らえる。

「僕は美咲さんのこと本気で好きだから。」

「私は…」

翔のことが頭を過らないわけがなかった。
だけど、これが中途半端っていうことなんでしょう?

叶くんといると、ゆっくりした幸せな気分になれる。
観覧車に乗ってるみたいに、飽きない楽しさが味わえる。

これが「好き」っていう気持ちなのかは分からない。

だけど…










「好きだよ、叶くん。」

結局、私は中途半端だ。

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三日月🌙
三日月🌙
学校あるんで更新ペース遅いときは超遅いです!ごめんなさい! Twitter→@Mikaduki2ym
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