第13話

真実と偽り
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2020/09/12 11:21
どうやって病院まで行ったんだろう。  

ああやってぼうっとして立っていたとき、後ろ遠くの方から紗弥加の声が聞こえて、そのまま_____

医者からはもう無理だということを伝えられて。

なんで世の中はこんなにも残酷なんだろう。

彼女は昔、呟いた。

「私の短冊、見たでしょ?あれ、本当はもう一個あるんだ~」

と、宝探しのように楽しそうに。

まだ、彼女の夢を見つけられてないのに。

短冊はタイムループする前の部屋に置きっぱなしだし、

あの「星」の詩集だって、図書室に置きっぱなし。

たしか、あそこの本には何かのカードも挟まってた気がするんだけどなぁ…

そのまま、遺体安置室へ連れていかれた。

そこには、原形をとどめられていない、真っ赤な美玲が静かに、美しく横たわっていた。

もう、見たくなかった。でも、自分から逃げることだけはしたくなかった。

だから、側に寄った。

「美玲、お疲れ様」

そう言葉をかけ、僕は部屋を出た。

もう、美玲の前で情けない姿を見せたくない。

病院の待合室で座っていたとき、医者から話しかけられた。

「あの、こんなときに、申し訳ないのですが、彼女はきっと自殺ではない__________と。」

自殺じゃない?じゃあ、誰が。

僕は悲しみを越えた怒りを感じた。

「あの足の曲がり方と背中の跡がどうも自殺ではないかと」

自殺じゃないなら、なんなんだよ。

誰が美玲を奪ったんだよ。誰が…   

強く握られた手はズボンに跡をつけてしまうぐらいだった。

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