第5話

彼女からのメッセージ
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2020/09/14 07:58
「おお!透!久しぶり~!」

何週間ぶりかに登校し、仲の良い椿と会話を交わした。
 
「元気なさそうだな?どうしたんだよ?」  

"美玲がいなくなった"本当はそう言いたかった。

でも、目の前にいる椿に言ったって無駄。

そう思い何もないよと返した。

その日から学校へは通い続けたが、美玲がおらずしんとしている

机を見るのはもう嫌だった。

クラスの奴だって、そんなことどうだって良いんだろ?

クラスメートが一人二人いなくなった、でも、何も思わないだろ?

そんな事を思ってしまう自分が本当にムカついた。

なんで、こんなことになってしまうんだろう。

何もかも、全てを投げつけたくなってしまった。
「これって…」

僕が見つけたのは埃を被った問題集。

難関私立の問題集が載っている。

僕と美玲が放課後一緒に解いたもの。

なんで、こんなところにあるんだ…?

解けなかった問題。

確かあれは、77ページの5番だったかな。

そうやって該当するページを開く。




ねぇ、透、やっと見つけた?

わかりやすいところに置いたんだけどなぁ、

これが私からの暗号だよ。

ちゃーんと解いてよね?

そう殴り書きで書いてあった。

そして、挟まれたひとつの短冊。

雨に濡れて何を書いてあるか全く分からない。

でもここに、彼女からのメッセージがあるんだ。

ぼくはそう思った。

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