第21話

夏休み
109
2018/08/01 11:44
とある夏休みの一日の話…
あなた

ふわぁ、よく寝たわー。

今日は部活がお休み。
(神崎ー?起きてるか?)
あなた

(起きてるけど。朝っぱらからどうしたの?)

(今日、暇か?)
あなた

(そうだけど、なんで?)

(一緒に映画観に行かない?)
あなた

(うん、いいよ。)

(じゃあ10時にアリオ集合で。)
あなた

(了解。)

スマホいらないって便利。

10:00
あなた

ふう。ギリギリ間に合った…

神崎、ごめんな、急に。
あなた

大丈夫。

ほら、行こ?

2人で映画館へ向かう。
あなた

で、どれ観る?

それが…ノープランなんだw
あなた

はぁ?誘っておいてノープラン??

神崎の観たい映画でいいかなって。
あなた

ありがとー。じゃあ、これにしよっか。

私が選んだのは、最近話題の超能力映画。

観たかったんだよねー。
へー、神崎、そーゆーのが好きなんだ。
あなた

うん。

チケットを買って、映画館に入る。
映画とか久しぶりだなぁ。
あなた

私もー。

順調に映画は進む。

が、私は日頃の疲れか、気がつくと寝ていた。

目がさめると、そこは、さっきまで居た映画館ではなく、どこかで見たような街並みだった。
あなた

ここって…もしかして…映画の中?

それもそのはず、さっきまで見ていた映画の主人公が住む街と同じ街並みだったのだ。
ふわぁ、あれ、俺、いつの間に寝てたのか…

ってかここ、なんか見覚えあるような…
あなた

あ、南波、いたのね。

ひどw…そんなことより、ここって、もしかして…?
あなた

多分、映画の中だと思う。

どうしてこうなったんだ…
あなた

わかんない。でも、どうにかしないと、帰れないよね…

ああ。
あなた

どうすれば…?

とりあえず、話の通りに進めるか?
あなた

そうしよ。

と、言うわけで、覚えているところまで物語の主人公とヒロインが進んだ通りの道を進む。

だが…?
んと、ここまでは覚えてるんだけどなぁ…
あなた

私も、ここから先は…寝ちゃったからなぁ。

2人が悩んでいると…
??
どうしたの?見ない顔だね?
あなた

(げ、この声って…)

(ああ、明らかに…)
私と湊
((ヒロインの結菜ちゃんの声だ。))
結菜
もしもーし?聞こえてるー?
あ、うん。
結菜
どうしたの?
あなた

あは、ちょっと…迷っちゃって…

結菜
そうなの?!どこに行きたいの??
んー…(なんて言えばいいんだよ!)
あなた

(わかんないよ!記憶喪失とか言っとけば?)

結菜
何を悩んでるの?
んー…思い出せないなぁ。

どこかに行かないといけないのはわかってるんだけど…
結菜
そっちのあなたは?何か覚えてる?
あなた

何も覚えてないなぁ…

結菜
んー、記憶喪失なのかなぁ。海斗ー、ちょっと来てー。
海斗
ん?何?
私と湊
((主人公出て来た?!))
結菜
この子達、記憶喪失みたい。だからさぁ、アレやって?
海斗
はあ?嫌だよ、めんどくさい。

人の潜在意識の中探るの結構疲れるんだぞ?
結菜
えー?じゃあ私やるー。
海斗
お前にはまだ早いんだよ!
結菜
じゃあ“シンクロ”でいいじゃん。
海斗
はー、めんどくさいけど、やりますか…
海斗&結菜
テレパス、発動!
あなた

(南波、これ、ヤバくね?)

(…うん。ヤバイ。)
海斗&結菜は私たちの中を探るべく、シンクロしている。
あなた

(はぁ、仕方ない。バリア、張っとく?)

(だな。)
私と湊
((バリア!))
しばらくして…
海斗
…んー、読めないなぁ。
結菜
なんで読めないんだろ…
あなた

…異世界転移の方法、知らないですか?

海斗
…急にどうしたの?
あなた

なんか…思い出したから。

結菜
異世界転移ねぇ…
海斗&結菜
あっ!
海斗
あれでいけるんじゃね?
結菜
あー、あれかぁ。
海斗&結菜
転移魔法陣!
あなた

てんいまほうじん…?

海斗
サイコパワーを流し込むと使えるんだ。
へぇー。
結菜
じゃあ行こっか。
2人に連れられるままに進む。

しばらく行くと、突然道の真ん中に魔法陣があった。
こんな風に突然あるんだ…
海斗
ん?見えてるの…?
結菜
あれ…魔法陣って能力者にしか見えないんじゃなかったっけ?
海斗
だよなぁ。
私と湊
((げっ…ヤバい。))
あなた

(普通の人って設定でここまで来たからボロが出たのはヤバいよ…)

(どうやってごまかす…??)
あなた

(んー、誤魔化せないよねw)

(もう帰るかw)
あなた

(そだねw)

私と湊
サイコパワー全開!
シンクロでサイコパワーを解き放ち、魔法陣に流し込む。
結菜
2人も能力者だったの…?!
海斗
なんて強い力なんだっ…
そうこうしているうちに、魔法陣が光り出した。
っと、こんなもんじゃね?
あなた

だね。んじゃ、お世話になりました〜。

ふわりと2人が魔法陣の上に降り立つと、魔法陣から白い光が放たれ…

気がつくと、映画館の席に戻っていた。
あは、ごめんな、結局こんなんになっちゃって。
あなた

いいよ。面白かったもん。

2人の距離が縮まった(?)1日でした。

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