仁さんは舌打ちをして着ていたジャケットの
上着を乱暴に脱ぎ、
瑠衣くんは絶句した表情を浮かべた。
神柴さんが少し焦った様子で運転席へ
行こうとするが、
それは律さんの大声で阻まれた。
律さんがバッと顔を上げてそういう。
その言葉に一同は目を見張る。
「犯行を、阻止できたかもしれないのに」
千トの言葉に何かを言いかけていた縦人は言葉をつぐみ
またもやみんなは押し黙る。
突然口を開いた光士郎さん。
相変わらず上から目線でしか物が言えないのは
腹が立つ。
だが光士郎さんの言葉は一理ある。
これは光士郎さんなりの優しさだ。
彼は不器用ながらもみんなの士気をあげようと
頑張っているんだ。
………なら、私がやることは一つ。
ビリビリビリ…
そう、私が今できることは
少しでも私の足枷になりそうなものは捨てて
リムジンの窓から外に出ること。
だって運転手が死んでるのに
リムジンが動いてるって、おかしいでしょ?
これは絶対に100%異能力が関与しているとみて
間違いない。
私はそう言ってリムジンの窓をヒールで割り、
そこから外へ出たのだった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。