第31話

SEVENTEEN ウォヌ編
1,099
2019/06/02 04:47
遅すぎた恋_______________





ウォヌ『』
You《》
君は何も分かってない

僕の何も知らない

僕がどんな人なのか

僕がどう生きていたかも知らない


なのに何故、君は僕のそばにいるの

僕がひどいことしても君は

《大丈夫だよ》

なんて、目に涙を浮かべて言うんだよ

そのくせして僕の元を離れようとはしない


君は可愛くて

おしとやかで誰にでも優しい

そんな君を僕はいつの間にか好きになっていた

でも、
最初は君を騙すつもりだった

僕がどれだけ辛い思いをして生きていたかも知らないで

いつもへらへらしてまとわりついてくる


君が大っ嫌いだったからだ





付き合いたては君がそばにいる間だけ

僕は二重人格のように

本来の姿を隠して

第2の自分を演じていた

君が愛を求めてくれば

それに応えるように自ら接する

でも、その一方で僕は君に酷いことを繰り返す



毎日がその繰り返しだった


でも、いつしかそんな日々も飽きて行った

演技をしている自分に気付かず

そばに居る君のことが


そして僕は自分から距離を置くようになった

《会いたい》と言われても

前みたいに逢いに行くのじゃなくて

なるべく無視をするよう接していた




そして数日後、君に呼ばれて僕は君に会いに行った

《ウォヌ…》

『何?…』

《別れよ。》

この言葉が1番聞きたかったはずなのに


胸が苦しいのはなんだろう


君が離れていくと寂しいと感じてしまうのは何故だろう



僕はいいよとは言えなかった

ただ黙ったまま

下を向いた


何故、YESと言えないのだろうか

僕は散々あなたをいじめて

最低なことをして

あなたの心が持たなくなるくらい

酷いことをしたのに。


今更、あなたに別れようと言われて

戸惑っている、自分に腹が立つ



俯いている、僕を見て君は

《私ね、ウォヌに酷いことされても好きでいれたの。》

《自分の事好きじゃない、愛されてないって分かってて一緒にいたよ》

《でも、もう疲れちゃったんだ》

《だから、別れたい》





そのまま僕に背を向け歩き出していった

君の姿を僕はただ黙ったまま

見ていることしか出来なかった



そして数日たっても

僕は君が帰ってくるのを心の隅で待っている

《ウォヌ!》

《好きだよ》

《会いたい》

《愛してる》

その言葉だけが僕を揺さぶる


君と使っていた

家も

部屋も

君がいなきゃ全然華やかじゃない

僕が絶対買うことのないものだけが


無造作に置かれている




君が居なくなってから

何日だっただろうか

2人で使っていたベットは

僕が充分に寝が入りを打てるほど

広くなっていた


腕枕で僕のそばで寝ていた君は

とても美しかった



別れた今でも鮮明に思い出してしまう


こんなことなら最初から

素直に接してればよかった


こんな気持ちになるのなら


最初から好きでいればよかった



あなた、あなた、あなた


なんて何度も名前を呼んでも君は来てくれない


もう一生僕の傍にいてくれることは無い



そして僕は誰もいない部屋で

1人寂しく泣きわめく






『ねぇ、好きだよ』


ずっと言いたくて言えなかった言葉




今はもう遅いのに

今になって後悔する

そんな自分が嫌いだ_______________

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