1度きり_____________
You『』
クプス《》
僕達はあの日
超えてはいけない
ものを超えてしまった
それは風が通りすぎるように
冷たく、一瞬で
身も心も
溶けて
消えてしまいそうに
なってしまうぐらい
愛し愛される
たった1日限りの
禁断の恋だった
それは
吐く息が白くなる季節に
なったばかりの頃
僕はセブチのメンバーとして
仕事をしていた
リーダとしてメンバーを引っ張り
お父さんと呼ばれるくらい
メンバーを支えていた
その生活には不自由な所が
ひとつもなかった
ファンとか
メンバーとか
スタッフさんとか
いろんな人が僕を支えてくれていたから
今の自分があると思うぐらい
この生活が"好きだった"
でも、
今の自分には
何かが足りなかった
そう、"恋の刺激"というものが
僕の生活には
1mmともなかった
恋なんて
ただの遊び
そんな事しか今までは考えれなかった
でも、
君と会ってから
恋がしたい
刺激が欲しい
そんな事しか
思わなくなってきた
前までは君の事を目で追ってるだけで
嬉しかった
君の笑顔を見ることが
楽しかった
でも、君と恋なんてしちゃいけない
なんて
分かってる
君が僕のものじゃないことぐらい
こんなに君のことが好きなのに
手に入らないことぐらい
知ってる
だって君は
ただのメイクヌナなんだから
メイクヌナは結婚している人しか
なれない
誰がこんなこと決めたんだろうね
心から好きなのに
この思い
届けたい
けど
届かない
伝えたら
困らせちゃうから
こんな自分が嫌いだよ
強がったりする自分が嫌いだ
《好きだよ…》
なんて言っても
無駄なのに
何やってんだろ
『クプス??』
ほら、困っちゃった
僕は馬鹿だな
君の好きな
男らしい人になってまで
君の前に現れるなんて
本当の僕は
子供のような
人なのに
偽ってでも
君の隣にいたい
そう
心から思うのはダメですか?
《ごめん…忘れて》
その場から立ち去ろうとした時
身を小さな身体で包み込まれた
まるで、恋人が
抱きしめあっているように
『私も好きなのに…なんで離れようとするの?』
《え?》
『今日だけ私を抱いてよ』
なんて好きな女に
言われて黙ってる
男がいると思う?
《いいの?》
『うん。今日だけ…』
それから僕達は
体を重ね合い
情熱的な一夜を過ごそうとしている
なのに、
何故だろうか
嬉しいはずなのに
雨の雫のような
涙が出るのだろうか
自分が望んでした事なのに
心から喜べない
自分が心を支配してる
それは多分
一夜限りの恋だから
一生続くことの無い
恋だから
今日が終わって明日になれば
この恋は終わるから
やっぱり、好きにならなきゃよかった
君なんて
嫌い
嘘、本当は
好きだよ
でも、今日でこの恋は終わり
明日からは前を向いて歩くよ
たとえ、君の事が忘れられなくても_______
好きな人と1度きりの恋をするのは
貴方はどう思いますか?
1度きりの恋をしたとしてそれを
忘れられますか?
それとも
僕みたいに
忘れられなくてズルズル
引きずる方ですか?
貴方はどちらを選びますか?_______________
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クプス編はどうでしたか?
出て欲しいメンバーがいたら言ってくださいね!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!