第32話

wannaone AB6IX ウジン編
803
2019/06/04 13:22
最初で最後



You《》
ウジン『』
『なぁ、俺あなたの傍にいれなくなった…』
と悲しそうに言う彼

泣きそうなのを我慢しているのか

彼の目には今にもこぼれおちそうな涙が浮かんでいた
《ウジナ?》
私が声をかけても

彼は私の顔を決して見ることは無い

ただ黙ったまま俯いているだけ
『俺な、結婚するねん』


私はその言葉に対して反応ができなかった

いや、ただしなかっただけ

受け止めたくなかったから

もっとそばにいて欲しい


そう感じてしまったから


彼が何か隠しているのは

薄々気づいていた

"私が何か隠していない?"

と聞くと彼は動揺したのか

"そんなわけないやん"

と震えた声で訴えかけてきていた


でも、その時の彼の目は

''これ以上何も聞くな"

"何も知らない方がいい"

と言うかのような

目をしていた


『親が決めた人と結婚しなきゃだめなんや』


『だからな、別れよっか』


『ごめんな、こんな俺で』
『だからもう、ばいばいしなきゃ』


《ウジナ!》


『ごめん』
『ごめん』
『ごめん』


頭を下げてまで何度も何度も謝る彼

『あなたと一緒に居れて幸せだったよ』
なんて無邪気に笑う彼の姿

でも、心の底から笑っていない

そう確信できた

だって、歯を食いしばって

涙を流してまで私の前だけ

最後まで笑ってるんだよ

バカみたいでしょ

だから言ってやったの

《ウジナなんか嫌い》

それを聞いた彼は

とても涙も引っ込むくらい

驚いていた

だって、彼に1度も嫌いなんて

言ったことがなかったから


私は愛情表現が上手くできなかった

だから"嫌い"なんて言った時は

自分でも驚いたよね

だって咄嗟に口から出たんだもん

もちろん本心じゃないよ

じゃぁ、なんなの?

ってみんななると思う

多分ね

私の元から離れようとする

ウジナが嫌いだと感じたから



私達は小学生の頃から

親に内緒で付き合っていた

その時ね、いってくれたんだ

『俺が一生あなたを守る』ってね

多分、こんな昔の事

しかも小さい頃言った言葉を信じるのは

私だけだと思う


でも、嬉しかった





だから、その言葉を今までずりずり

引きずってきたんだ



でも、これで最後

私は一般人

貴方は社長の息子

全然違う2人


でも、目指したところは同じだった

"お互いを幸せにしたい"

ただそれだけ

《ウジナ、キスして》
『え?』


《最後に1回だけ》

《もう、わがままは言わない》

《ウジナからちゃんと離れるから》

《一人前の大人になるから》

《だから最後にキスして》


そう、私が最後に望むのは

最初で最後のキス


『うん。分かった』
















『《チュッ…》』
2人の唇が重なり

優しくて

穏やかでどこも行くあてもない口付けだった

これが私たちにとって最初で最後の

"ファーストキス"_______________
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