第29話

離れる距離
4,632
2021/03/09 11:26
(hokuto side)

大「ほくとのことがすき。」

あのとき、大我たしかにそういった。

顔を赤らめながら。

あぁ、ようやく俺が望んだ関係になれる。

そう思ったのはつかの間。

あの日以来、明らかに俺を避けていられる。

完全に。

楽屋で、落ちたペンを渡したときは、

大「あ、ありがと、、じゅり〜〜〜!」

他のやつのところに行くし、

自動販売機の前でたまたま目があうと、

大「っ、、あ、ごめん、どくね。」

さぁ〜っと、楽屋に戻ったり。


まぁ、俺のことをやっと意識してくれてると思うと嬉しいのだが、こうも避けられるのは寂しい。

その日の仕事を終え、大我と一緒に帰ろうとしたとき、

樹「お〜、北斗。今日、きょもと一緒にご飯だから。そんでもって、俺ん家泊まらせるから。」

そういった。

北「っ、わかった。」

そう俺が不服そうに樹に返事をすると、俺の肩をポンと叩いて、

樹「お前が考えてることはしねぇよ。ま、俺に任せな。お前、きょもに避けられてんだろ?なんとなくその原因わかってるから、な??」

なんと話のわかるやつだ。


北「ありがとな、お前最高」

樹「おう。」

そういって、俺は、楽屋を出る前、

“大我、鈍感中の鈍感だから、まじよろしく”

その意味を込めて、背中をたたいた。

そこに、

大「じゅり〜、準備できた〜」

そういって、こっちに大我が来る前に

北「じゃ」

俺は楽屋を出た。

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