(hokuto side)
大「ほくとのことがすき。」
あのとき、大我たしかにそういった。
顔を赤らめながら。
あぁ、ようやく俺が望んだ関係になれる。
そう思ったのはつかの間。
あの日以来、明らかに俺を避けていられる。
完全に。
楽屋で、落ちたペンを渡したときは、
大「あ、ありがと、、じゅり〜〜〜!」
他のやつのところに行くし、
自動販売機の前でたまたま目があうと、
大「っ、、あ、ごめん、どくね。」
さぁ〜っと、楽屋に戻ったり。
まぁ、俺のことをやっと意識してくれてると思うと嬉しいのだが、こうも避けられるのは寂しい。
その日の仕事を終え、大我と一緒に帰ろうとしたとき、
樹「お〜、北斗。今日、きょもと一緒にご飯だから。そんでもって、俺ん家泊まらせるから。」
そういった。
北「っ、わかった。」
そう俺が不服そうに樹に返事をすると、俺の肩をポンと叩いて、
樹「お前が考えてることはしねぇよ。ま、俺に任せな。お前、きょもに避けられてんだろ?なんとなくその原因わかってるから、な??」
なんと話のわかるやつだ。
北「ありがとな、お前最高」
樹「おう。」
そういって、俺は、楽屋を出る前、
“大我、鈍感中の鈍感だから、まじよろしく”
その意味を込めて、背中をたたいた。
そこに、
大「じゅり〜、準備できた〜」
そういって、こっちに大我が来る前に
北「じゃ」
俺は楽屋を出た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。