特に家に帰ってもすることすらないし
親がいるわけでもない。
もちろん彼氏なんて以ての外。
重岡さんは人としては最低なのに
翌日になって
いつも通り仕事場へ向かう。
〔ねぇ、ちょっといい?〕
…また、重岡さんが罠をしかけてるんだ。
〔え、ちょっと酷いなぁ〜〕
何だこのチャラチャラした感じ
〔ここら辺で美味しいうどん屋ってあるか??〕
〔奢ってあげるから、さ、?〕
〔あ、そうか、まぁ、そうやな?笑〕
〔さんきゅ!じゃあ、な〕
全然いい人だったよ
〔あ、まじ?全然ええよ〕
〔はいよー〕
ーー
〈おはよーあなたさん〉
〈今日、新入社員くるらしいよ?〉
〈あ、ほらきた〉
目線の先には見たことある…姿だった
女の子にキャーキャー言われてる、あの人
〈あ、知っとんの?〉
こんなこともあり、お昼に
走っていくと
先に着いていたのは
〔あ、きたきた!行こうか、!〕
〔あー、桐山照史です〕
〔俺は名前知ってんで、?〕
〔ネームプレートつけっぱなしやで?笑〕
〔あなたちゃん〕
〔ほな、とりあえず行こか?〕
[他の男となにしてんねん…]
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!