無一郎side
「兄さん」
あなたはそう言って目を閉ざした
僕は膝の上で目を閉ざすあなたを見つめて言う
服とか似てるしなんか愛着湧くんだよね、、
僕は兄さんっ子だったからなあ
そう言って僕はあなたを抱えて
草の生い茂る道を歩き出した
数日後
あなたside
目が覚めると僕は布団の上で寝ていた((デジャブ
何故か分からないけど体がぴくりとも動かない
あっ((
そうだ毒喰らったんだっけ
そう言えばすごい針刺さったけど大丈夫かな
痛みとかは感じないんだけど、、
そう脳内でぶつぶつと独り言を言っていたら
奥から足音が聞こえてきた
こっちに近づいてきてるみたい
「キィィ」
ドアの軋む音と共に姿を現したのは
炭治郎の親友の我妻善逸だった
もう記憶はあるから大丈夫
この人は善逸
初めて会った時瞬間移動した人((二話参照
僕がそう言うと善逸は驚いた様に口に手を当て
弱々しく僕に問いかけてくる
僕が勢い良く返事すると
善逸は跳ねる様に喜んでくれた
善逸の周りには花が咲いてるように見えて
何だか自然と笑顔になれた
善逸はそう言ってにこっと笑う
貴方を越せるわけないのに、、
僕がそう言うと善逸は驚いた様な顔を一瞬したが
直ぐにいつもの笑顔に戻った
そう言って善逸は僕の頭をわしゃわしゃする
僕はこれが、、大好きだった
突然布団から起き上がったからか
傷口がじくじくと痛む
僕の体をよく見てみると
色んな箇所に包帯が巻かれていて
痛々しいことになってしまっていた
えっ?僕こんな傷深かったの?
え、痛いんだけど
そう言って善逸は僕の体をそっと寝かせてくれる
優しくて暖かい手
幼い頃には感じられなかった温もり
、、僕は幸せものだなあ
善逸は無邪気な笑顔で僕に言う
屈託のない笑み
炭治郎にそっくりだ
そう言いながら僕は傷だらけの腕を擦る
突然遮られた善逸の言葉に僕は悪寒がして
ばっと顔を上げると そこには
善逸の口を抑えて笑う宇髄天元さんがいた
そう言って僕はくすくすと笑う
でも僕の予想は外れていたみたいだった
えなになに僕なんかした?
柱の気に触れるような事した!?
雷の呼吸の派生?
どういう事だ?え僕霜の呼吸、、
なんか善逸も驚いた様な顔してるし
え何どゆこと?
宇髄さんは派手に驚く
え僕雷の呼吸だったっけ!?
炭治郎に教わったのあれ水の呼吸だよね!?
宇髄さんはまたもや善逸の口を抑えて言う
そーだよ鳴柱だとか言ってたよ昔
でも僕には才能がなくて出来なかったんだよ!
、、父親という言葉に僕は身震いした
あの人を思い出しても嫌な事しかない
昔のことなんて思い出したくもないけど
柱の頼みだ
あいつ、、父さんの呼吸は、、
僕はちらっと善逸を見る
、、不思議に思ってる音がする
そりゃそうだよな、日の呼吸は炭治郎のだもん
うん、、あいつは嘘吐きなんだよ
驚いて前のめりになる善逸
僕はへらっと笑って善逸に言う
すると宇髄さんが興奮した様子で
そう言って宇髄さんは善逸の頭をぽんぽんと叩く
善逸は頭を叩かれご機嫌斜めそうに顔を歪めている
いいなあ、仲が良さそうで
そう言ってげらげらと笑う宇髄さん
待ってこれのどこが面白いん?
意外とツボ浅いんかこの人
あはは、、と受け流す様に苦笑いをしたあと
善逸が宇髄さんの裾をひっぱり
と言ってくれた
僕に気を使ってくれたのだろう
うんとても有難い
さっきから傷がじんじん痛むんだよもう
早く任務に復帰しなきゃなのに
なんやねん、、
あっ音怖
え善逸大丈夫?え大丈夫?
あー顔面蒼白じゃん待って
すると宇髄さんは善逸の襟を掴んで
引きずっていってしまった
それだけ残して2人は出ていってしまった
あ、嵐が去った、、、
、、昔のことを思い出したからだろうか
胸の辺りが圧迫されるように苦しい
もう寝よう、早く治さなくちゃ
そう言って僕は再び眠りについた
episode27 end
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。