無一郎side
「僕今すごく調子がいいんです」
そういう彼女の額には緑の痣が浮かんでいた
柱でも無い君が痣を出すなんて、、
僕は前に1度だけしか出ていないのに
あなたは長い髪を靡かせ首を横に振る
その後僕ににこっと微笑みかけ
あばら家の中へ突っ込んでいった
数秒後あばら家から怒鳴り声と罵声が聞こえて
その数秒後にはタコの触手であばら家が崩壊
途端何かが上にすっ飛んだっぽく上を見ると
大人を抱えて飛ぶあなたの姿があった
あなたはずっと水極鉢に入れられて
その上全身を太い針で刺されていて
やっと記憶が戻ったって言うのに
また怪我をして僕を悲しませるつもり?
あなたは頑張ってるようだけど
痣の発生で体力凄い使うし
適正出来なかったら死んじゃうんだよ
もう大切な人が死ぬ所は見たくない
僕はもう、、弱くない
そう言って鬼に斬り掛かる僕の額には
薄い青色の痣が浮かんでいた
あなたside
あの野郎何言い出すかと思えば
あばら家ごとぶっ飛ばしやがったこの野郎
僕は鍛冶屋さんを2人肩に担ぎ一旦上空へ逃げた
、、たっか
僕は鍛冶屋さんたちに負担がかからないように
そっと地面に着地した
僕は鬼の方に向き直すと
鬼は無一郎さんと闘っていた
無一郎さんはこっちも見ずに僕に言う
僕は頷く事で精一杯だった
僕は無一郎さんが次々と壺を割ってくれるので
次にどこから来るか予想出来るようになった
気配がするんだ
それが僕の後ろを通って
あそこの茂みから、、
そう言って僕は鬼の頸目掛けて刃を振るが
壺の中の鬼は皮だけになっていた
すると木の上から鬼の声が聞こえた
何やらパワーアップしたらしい
目を凝らして見てみるとなんか凄い事になってた
、、なんか急に怒り出した
そして突然来た攻撃を避けきれず拳が顔に掠る
掠った部分からは出血し魚の毒が入ったとみた
最悪だ
無一郎さんは服が破けたが木に避難したみたいで
体は無事なようだ、良かった
気味の悪い笑みで鬼は言う
僕はその鬼を煽るように笑い
そう僕が言うと鬼のヘイトは僕に変わった
さっきまで無一郎さんを狙っていたのに
急に僕しか狙ってこなくなった
鬼はくだらない暴言を僕に向かって言いながら
単純な攻撃を繰り返していた
でもさすがにこれが何十分続くと考えると
ちょっときつい、、かな
僕が鬼の狙いになっている今
無一郎さんは後ろから鬼の手足を斬り落として
攻撃の衝撃を和らげてくれていた
それを繰り返し数分
無一郎さんが目で僕に合図をした
意味が分からなくて首を傾げると
無一郎さんは刀をすーっと横に振った
、、なるほどね
合図の意味が分かった僕は鬼と距離を取り
無一郎さんと一緒にある技を繰り出す
霞の呼吸 霜の呼吸
漆の型 弐の型
朧 朧月神楽
この技は霞の中に身を隠し相手を惑わす技
無一郎さんと私の唯一の共通点だ
鬼は僕らの姿を探す様に辺りを見回す
上手く惑わせているようだ
すると目の前にすーっと鬼の前を走り抜ける
無一郎さんの姿があったので
少し近くによって話しかける
そう言って僕は鬼の足を斬り落として
鬼の視界に入るように走り回る
そう言って鬼は追いかけるのをやめ
手から壺を出しこっちに向けて
そう言ってまた金魚から針を吐かせる
後ろを向きながら走れと、、
ふーん、、きっつ
僕は体を捻り針の飛んでくる方向を向いて
最期の力で技を出す
この技は敵の攻撃を最低限に抑え弾き飛ばす
と言う弾き技だ((攻撃を和らげる技
鬼が飛ばしてくる針はかなり太いので
避けきれず所々当たってしまったが
今はそんなこと関係ない
隙の糸が濃い
チャンスは今しかない、、!!
そう思い僕は思いっきりでかい声で
と呼ぶと
無一郎さんは霞の中から飛び出し
冷静かつ沈着に鬼の頸を斬り落とした
鬼は頸を斬られたことに頭が追いついてない様子だ
何か呟いているようだけど
自分が消えてんの分かってないのかな
本当に滑稽なやつ
でも何でだろうね
鬼の記憶が頭の中に入り込んで涙が止まらない
僕が泣くことないのに
どうして泣いてしまうんだろう
その安堵と共に身体中を痛みが襲う
針も刺され毒も喰らい水のせいで肺も弱った
ぶっちゃけずっと過呼吸だった
無一郎さんが僕を心配して寄り添ってくれた
無一郎さんも疲れてる筈なのに
上手く呼吸ができず喉がひゅーひゅーと鳴る
そう言って背中を撫でてくれる無一郎さん
僕はその優しさに安心し
僕は無一郎さんの胸に寄りかかる
そう言って無一郎さんはゆっくりと屈み
僕を無一郎さんの膝に座らせてくれる
毒、、毒が回ってる、、
気持ち悪い、、
つーっと唇から何かが垂れる感触がする
涎だったら恥ずかしいと思い
僕はぐっとその液体を拭うと
僕の手には真っ赤な血が付いていた
、、吐血だ
僕は混乱して無一郎さんを見上げる
無一郎さんも驚いているようで目を見開いていた
何か言ってるみたいだけどもう聞き取れない
意識が朦朧とする
無一郎さんの姿がぶれる
あれ、、誰かに、、似てる、、
困り眉で髪が長くて頼りになって
、、僕の大切な人
その言葉を最後に僕は目を閉じた
episode26 end
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。