母さんの合図と共に僕らは刃を交える
、、さすが元柱
力が強くて押し負けそうだ、、
このままじゃまずい、、!!
僕は刀を一旦相手の刀から離し
母さんの頸目掛けて技を打って後ろに下がる
まあこんな簡単に当たるわけ無いですから
ぐっ、、煽ってくる、、
駄目だあなた、、挑発に乗るな、、
耐えろ耐えろ耐えろ、、耐え、、!!
目を開けると母さんの刃が
僕目掛けて振り下ろされていた
僕は咄嗟の判断でバク転で後ろに下がったが、、
なんて事だ、、
鬼との戦闘中なのに意識が違う場所に行っていた
毒が回ってきてるのだろうか
早く決着を付けなければ、、
母さんはぐにゃりと顔を歪める
、、こっわ
僕は素早く構えを取り技を繰り出す
母は僕が技を打ってくることを悟ると
自らも構えを取り何かを呟いていた
母さんの技は僕を翻弄させた
だって発生源は1つなのに僕はもう
母さんの出した雷に囲まれてる
身動きが、、取れな、、((
母さんがそう言った瞬間
周りの雷が僕に向かって放たれた
あまりの衝撃に意識が飛びそうになる
四方八方からの電撃で思考が追いつかない
、、耐え、、ろ、、
まだ、、死ね、、ない、、
あと少しで意識が飛ぶという所で
僕は電撃から開放された
心臓が痛い、、脈が異様に早い、、
母さんは驚いてる様な憐れむような目で僕を見る
その間に僕は何とか立ち上がり再び構えを取る
そう言って母さんは僕目掛けて刃を振るう
僕は何とか母さんの刃を受止め弾き返す
弾き返されたのが予想外だったのか
母さんは弾かれた衝撃で少したじろんでいた
ああもう駄目だこいつ重症だ
僕を人として見てない、、ただの餌、、
あいつから見たら僕は餌、、?
ざりがにを釣るためのよっちゃんイカ、、?
許さない((
えっ言葉遣い変わったんだけど
やだやだ怖い怖いやばいの来るってこれ
いや駄目だ弱気になるな戦え
僕なら出来る!!
また雷の呼吸、、
さすがにまたあれを喰らうのはまずい、、
一旦上に逃げよう
そう思って僕は上空に上がったが、、
瞬間僕の体に電流が走り手足が麻痺した
まともに息も出来ず呼吸も出来ず
技さえ繰り出すことも出来ない
僕はただこの電撃の終わりを待つだけしか出来ない
あれ、、母さんが僕に近づいてくる、、
何でそんな怖い顔してるの、、?
そんなに僕のこと嫌いだった、、?
僕、、母さんに何かしたかな、、
「ザシュンッ...」
母さんの振るった刃が僕の体にくい込んで裂ける
痛い、、痛いよ母さん、、
あ、、駄目だ、、意識が、、もう、、
痙攣が、、止まら、、ない、、
村一つも、、守れないなんて、、
弱くて、、ごめん、、なさい、、
母さん、、行か、、ないで、、
僕を、、1人に、、しないで、、
意識が薄れる中最期に見えたのは
刀に火を纏った僕くらいの小さな女の子と
驚いて口を開いていた母さんだった
episode30 end
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。