炭治郎side
俺があなたの頭を撫でると急に頭を抱えて蹲った
確かに戦闘中おかしな箇所がいくつかあった
1つ目は俺に会っても顔色一つ変えなかった事
2つ目は格段に強くなっていた事
3つ目は俺たちの名前を言わなかった事
なるほど、、記憶を無くしていたのか、、
時透くんはそう言ってあなたの背中を撫でる
俺も負けじとあなたの手を取り安心させる
こんな事して効果はあるのだろうか、、
すると下の階からすごい足音が聞こえて
次の瞬間勢いよく襖が開いた
襖を開けたのは柱の皆さんだった
前にいた3人はあなたの様子を見て心配している
俺はさっきの事を柱の皆さんに話した
悲しむ者、吃驚する者、唖然とする者
と反応は十人十色だった
ぐっ、、まあ確かにね!?
この人の口癖だけど、、南無阿弥陀仏て、、
すると隣の冨岡さんが口を開いた
その瞬間奥の方がざわめきだした
俺は柱の方々に説明する為に襖の方に行っていた
何かと思い慌てて駆け寄ると
あなたがぽろぽろと涙を零していた
そう言ってしのぶさんは階段を降りていった
あなた、、苦しそうだ、、
何とかしてあげられないのだろうか、、
甘露寺さんが隣で励ましてくれている
あなた、、もしかして耳を、、?
いや、そんな訳ないか
暫くするとしのぶさんが睡眠薬を持ってきてくれた
錠剤では飲めないのでわざわざ作ってくれたそうだ
しのぶさんはあなたの手を取り
そっと注射針を刺して薬を入れた
その薬には即効性があったのだろうか
あなたは頭を抑えていた手をぶらんと下げ
少しだけ顔を上げていた
髪の隙間から見えたあなたは
薄ら目が開いていてなにか呟いていた
その声に耳を澄ましてみると
俺が聞き取れたと同時にあなたは意識を失い
ぱたりと布団に倒れてしまった
今確かにあなたが俺の名前を言ってた
何か、、何か証明出来るものは、、
そうだ、、耳のいい善逸ならきっと、、
そう思い善逸に目を向けると
よーーっしゃっ!!
記憶喪失中のあなたが俺の名前を呼んだ
、、って事は記憶が蘇り始めてるとか?
いやそうかもしれないな
いやそうだと信じよう、うん
俺たちは次あなたが目覚めるのはいつか
心の中でこっそり楽しみにしていた
episode17 end
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!