第25話

episode25
3,440
2020/03/16 10:14
あなたside



なんだっけ、、僕は、、何をしていたんだっけ、、

僕はただただ辺り一面が真っ白な空間に佇んでいた

しばらくすると辺りがぼやけて森にある家が現れた

かなり、、見覚えのある景色だった

家の中から小さい子供が3人笑顔で飛び出していく

、、どこに行くのだろうか





夕方になってもその3人は帰ってこなかった

家の中が慌ただしい

きっと子供たちが帰ってこなくて焦っているんだ

心配になったのか母親が家から出てきた

その瞬間

森の奥から鬼が飛び出してきて

子供の母親を貪り食った

父親は直ぐに刀を取りだしたが

鬼の数が多すぎた為押されて食べられた
You
You
これは、、なんの夢、、?
僕はこんな夢を見る自分に疑問を投げかけた




暫くすると辺りが暗くなり子供たちが帰ってきた

子供達は家の様子に驚き、父母の安否を確認してた

、、息が無いことに気が付いた2人の男女は

一人の女の子にここで待つように行って駆け出した

その女の子は血塗れの部屋に一人佇み

ただただぼーっとして立っていた

そこに黒緑の羽織を羽織った男の人が来た



その男の人は見覚えがあった
You
You
、、炭治郎?
額の傷、耳に付いた花柄の耳飾り


そう、その男の人は炭治郎だったのだ

炭治郎は女の子の手を引いて一緒に父母を埋葬し

2人で山を下って行った

その2人と入れ違いで戻ってきた兄弟は

女の子が居なくなったと騒ぎ出し

刀を持って走り出していた




これは、、なんだ、、???







何で僕がこんな夢を見る、、










そんな事を考えていた時だった

突然激しい頭痛が僕を襲った

僕は蹲ってどうにか頭痛を止めようと姿勢を変える

微かだが耳鳴りと一緒に何か聞こえてくる、、

なんて、、言ってるの、、??


























「まだ、、死んじゃだめだ、、」

「生きて、、あなた、、」















これは、、母さんと父さんの声、、??

僕の親って殺されたんだっけ、、??

誰に、、??
You
You
、、鬼だ
You
You
体がでかくて無駄に手が多い
笑顔が不気味な化け物だ
僕はその憎い鬼を今でも覚えていた

匂い、音、気配でさえ全て

さっきの鬼はそいつにそっくりだった



、、て事はさっきのは僕?

じゃあ他の子供達は誰?

僕に、、兄弟なんて、、いたの、、?



















その瞬間

僕の視界が粉々に割れて頭痛も収まった

そうだ僕は鬼殺隊の佐倉あなただ




こんな所で、、死んでたまるか、、!!
You
You
っ!
その声と共に僕は目を開いた

目の前には今にも泣きそうな顔の無一郎さん

そうだ、、僕、、鬼と戦って、、
む い ち ろ う
む い ち ろ う
〜〜〜!!!
、、なんか言ってるけど聞こえない

水のせいで耳が潰れてる

そうだ、、息が出来てないんだ、、



為す術もない

水の中なんだから



そう絶望していた時だった

目の前に泡となった空気があったのだ

これを吸えば呼吸が使えるかもしれない、、!
You
You
すぅー、、、
僕は目の前の泡を吸い込み

空気を肺に充満させ

この限られた空気で深呼吸する

そして目を見開いて
You
You
霜の呼吸 肆の型 桜華涙藍
僕は最期の力で刀を振り水の鉢を刻んだ

刃毀れだらけの刀だったが上手くいったらしく

鉢の中の水が地面に広がり僕はその上に崩れ落ちた
You
You
ぐっ、、がはっ、げほっ、
僕は水の鉢から出た瞬間酷く咳き込んだ

肺の中に水が入って痛い、、苦しい、、
む い ち ろ う
む い ち ろ う
あなた!!
ねえ大丈夫!?
You
You
む、いちろう、、さん、、
む い ち ろ う
む い ち ろ う
!?
やっと、、記憶が戻ってきた、、

今まで沢山の人に迷惑を掛けたから

後で、、謝らなくちゃ
You
You
僕の記憶が無くなったせいで沢山迷惑をかけてしまい、、すみませんでした
僕は無一郎さんに向かって片膝を着いて頭を下げる

無一郎さんは僕が急に屈んで吃驚したのか

体を固めたまま声を発さなかった



その数秒後僕は立ち上がり小鉄くんの元へ向かう

鳩尾を刺されて数分は経った筈なのに息がある

致命傷にはならなかったんだ、、
You
You
良かった、、
その呟きと共に零れた僕の涙は

顔に付いた水滴と共に地面に落ちていった

これで、、一安心、、



その瞬間だった

後ろから殺気を感じた

音的に、、血鬼術で生み出された金魚だ



「ザンっ」



僕は振り返らずに金魚を切り裂く

金魚の返り血が小鉄くんに付かないように

僕はそっと小鉄くんを抱き締める
む い ち ろ う
む い ち ろ う
あなた大丈夫、、?
なんか変だよ
無一郎さんは心配そうに声をかけてくれる

その声掛けに対して僕は口角を上げて
You
You
大丈夫です
僕今すごく調子がいいんです
そう言う彼女の額には緑色の痣が浮かんでいた



























episode25 end

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