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2021/08/28

第7話

変わる君と、変わらない私。
あみか
あみか
うわ…性格悪~
enn
enn
え……
今、この子…“性格悪い”って言った…?
アタシのこと。
ボソッと言ったな。
ボソッと言ったけど、
ちゃんと聞こえる声量やったんやけど。
あみか
あみか
はぁ…
enn
enn
…………………。
お互い沈黙し、
なんとも言えない気まずい空気になる。
音羽
音羽
え。何?珍しい組み合わせやな。
enn
enn
あ、音っ…
あみか
あみか
音羽先輩~!♡
そのなんとも言えない空気を裂いたのは音羽だった

あれ?
もしかして走って追いかけてきてくれた?

そう、思ったのは、
音羽の息が少し上がっていたから。
タローとのお喋りを終えて、
アタシを追いかけて走ってきてくれたんかな?

そう思えば、
自然と頬が緩んで、
音羽の元に行こうとしたけれど…
アタシの前を横切ったの1年生の女の子だった。

女の子はアタシの目の前で音羽の腕に抱きつく。

浮ついた心が、
またズン…と、重くなる。
あみか
あみか
音羽先輩♡今日部活休みですよね?
今からどこか遊びに行きませんか?
わぁ~。すごいな。
この変わりよう。
自分でごりごり接点作りに行くやん。
なんでこれでアタシに協力求めてきたん?
音羽
音羽
あー。ゴメン。俺、ennちゃんと
帰るから。
あみか
あみか
え~!あみかと帰って欲しい…
音羽
音羽
ゴメンな?
あみか
あみか
2人で…どこか行くんですかー?
音羽
音羽
いや、別にどこかに行く予定とか
そんなんはないけど…
あみか
あみか
予定ないんですか?え、じゃあ、
あみかと遊んで下さいよ~
ね?enn先輩、別にいいでしょ?
enn
enn
へっ…?
急に話を振られて、
2人の視線がこっちに向いて、
驚く。

いや、確かに予定はないけど…
何をするわけでもないけど。
でも、
音羽と一緒に帰りたいな、って。

でも…

そんなん言ったら、
意地悪に…なんのかな?

この子が音羽のこと好きってわかってんのに、
彼女でもない幼なじみのアタシが、
無理して“一緒に帰りたい”を押し通すのは、
それこそ性格悪い、よな…?……………うん。
enn
enn
別にアタシに許可とらんでもえぇよ~
特に用事ないし。行ってきたら?
アタシ1人で帰るわ。
自分で言っておいて、
平然を装っておいて…
1人で帰るのが“寂しい”なんて。

もし、アタシに彼氏が出来て、
花の高校生ライフ送ったら、
音羽、寂しいでしょ?
って言ったけど…

寂しくなるのは、
きっと、
アタシも一緒なのかもしれへんな…

音羽
音羽
え、
あみか
あみか
ホントですか!?
enn
enn
うん。じゃあ、帰るね。
ばいばい。
なんとなく、
音羽の顔が見れなくて、
笑顔を貼り付けて、
1年生の女の子に向かって小さく手を振る。
音羽
音羽
ばいばい。じゃないつーの。
手を振っていたその手をとったのは………音羽。
enn
enn
えっ…?ちょ、
音羽
音羽
ほら。一緒に帰んで。
enn
enn
いや、でも、
あみか
あみか
音羽先輩っ
音羽
音羽
俺、ennちゃんと帰るから。じゃ。
有無を言わせない音羽の言葉に、
さすがの女の子も押し黙って…
そんな女の子を置いて、
音羽はアタシの手を握ったまま歩き出した。


あみか
あみか
………………………………。













































いや……




うん。




さ、さすがに皆の視線が痛い。
enn
enn
音羽…?
音羽
音羽
ん?
音羽に手を引かれたまま、
とりあえず黙って歩いていたけれど、
さすがに、
耐えきれへんわ。

自意識過剰じゃないと思うけど…
すれ違う人、皆に見られてるような気がするし。
enn
enn
手…。いつまで繋いでんの?
音羽
音羽
……あぁ。
そう短く言葉を返しながらも、
音羽に手を離す気配はなくて。
そのまま歩いていく。

いや、別にえぇんやけど。

手ぐらい、
昔はよく繋いでたし。




そういえば…




音羽とこうやって手を繋ぐのはいつぶりだろ…?
確かに、
小さい頃は、こうやってよく手を繋いでいたけれど
いつの間にか、
気がつけば、
──────────なくなってた。

まぁ…いつまでも子どもではおられへんけど。

こうして、
少しずつ変わっていくんかな?

アタシと音羽の関係も。

アタシに彼氏が出来て、
音羽に彼女が出来て、
当たり前のように隣にいるこの関係も、
少しずつ、
少しずつ、
時間をかけて変わってしまうんかな…?
音羽
音羽
ennちゃん、静かやね。
enn
enn
え?なんなん。その、アタシがいつもうるさい、みたいな言い方。
音羽
音羽
いや、そこまで言ってへんし。(笑)
enn
enn
ちょっと、考えごとしてただけ。
音羽
音羽
ふーん…
enn
enn
あの女の子に…悪いことしたなぁ…
とか。
音羽
音羽
もう、それ、えぇって。
enn
enn
いや、よくないって。あれだけ
アピールされたらわかるやろ?
あの子の気持ち。音羽、
それがわからへんほど鈍感やないやん
そう言うと、
音羽の足がピタリと止まって、
振り向いた音羽の目が、
アタシを真っ直ぐに捉える。

少し熱っぽいその視線に、
どんな感情が込められているかはわからない。

でも…

初めて見せる、
音羽のその表情に、
胸が、
ドクリ、と大きく脈を打った。
音羽
音羽
どうだっていい。
enn
enn
音羽…?
音羽
音羽
俺は、ennちゃん以外に興味ないよ。
enn
enn
え…?
ドクドク、ドクドク、
心臓の音がうるさいくらいに身体中に響いてる。

その意味を問う言葉も出ないくらいに、
胸が、
ギュッとして、
息苦しい。

音羽はそんなアタシを見下ろして、
フッと、
表情を緩めると、
ポン…と、
頭を一度だけ軽く撫でて、

また、手を引いて歩きだした。






































少しずつ、


変わっていってしまう音羽に、





息苦しい程ドキドキしている。












恥かしいのか、

怖ろしいのか、

悲しいのか、

自分でもわからない感情が渦巻いて、
少しだけ、
潤んだ目を、
誤魔化すように、

────────────────俯いた。














































🌈今の関係を変えたい音ちゃんと、
 今の関係が変わることを恐れるennちゃん。
 もどかしい2人なのです。