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2021/08/18

第5話

幼馴染み以上、恋人未満?
enn
enn
あっ、音ちゃ……
トイレを済ませた帰り。

教室に戻る途中の廊下で、
音羽の後ろ姿を見つけて駆け寄ろうとしたけれど…
その足がピタッと止まった。
enn
enn
……………………。
音羽と…その向こう側にもう1つ、
寄り添うように立つ女の子の姿があって、
自然と足が止まった。

世間話でもしてんのかな?
それとも…
また、告白?
相変わらずモテんなぁ。

なんて、音羽の後ろ姿を見つめる。
音羽と自分じゃない女の子が隣に並ぶ姿を見てると
なんか…もやもや?
いや、むかむかしてきた。

んん?

お昼、そんないっぱい食べてへんけど…。
食べ過ぎたんかな?
むぅ…ダイエットしてるのにぃ~
enn
enn
う~……むかむかする…
なんだかわけのわからない気持ちの悪さに包まれて
小さくため息を吐く。

ここからだと、
後ろ姿だから音羽の表情は見えへん。
でも、
音羽と面と向かって話している女の子の顔は笑顔で
すっごく楽しそうで。
音羽が好きそうな、小柄で笑顔の可愛い女の子。

音羽も、同じような笑顔を浮かべて話してんのかな

そうやったら……なんか、イヤやな。

…なんて思ったのは、
きっと、
あの女の子の場所が自分の場所だからなんだと思う
幼なじみのアタシの場所。
音羽の隣。

それをとられた気分。

いやいや、アタシ性格悪っ
イヤとか思うな。
拗ねてる小さな子どもかいな。

と自分にツッコミを入れて、
いつの間にか止まっていた足を前に出す。
この廊下通っていかへんと教室戻れへんし。
遠回りしようにも、そんな時間ないし…
次の授業に間に合わへんようになる。
でも、
何か気まずいし…やっぱ、遠回り、するか?
enn
enn
いやいやいや、何でアタシが気ぃつかって遠回りせなあかんねん。
一歩、また一歩と踏み出す。
なるべく気づかれないようにと廊下の端を歩く。
楽しく会話してんの邪魔したら悪いもんな。

音羽達との距離が少しずつ縮まって、
挙動不審にならへんように、
それでも、
少し早足に、2人の隣を通り過ぎた。


音羽
音羽
あ、ennちゃん!



もう!!何でアンタはすぐ気づくの!
あー。もう。

そんな気はしてたけど…

音羽はいつだってそう。
アタシをすぐに見つける。
どんなに人混みの中にいても、
どんな所にいようと、

すぐにアタシを見つけ出してしまう。

幼なじみってすごいよね。
enn
enn
あー。えと…。先、教室行ってるな?
ごゆっくり~
音羽
音羽
え。なんで?一緒戻ろ。
あみか
あみか
ちょっと、先輩~!!
まだ話の途中!
だって、ほら。
明らかにアタシお邪魔虫やんか。

音羽の腕に自分の腕を絡める女の子。

その姿をなんだか見てられなくて、
ふぃっと視線を逸らす。

あー………。ほんま、食べ過ぎたみたい。
むかむか止まらへん。
お母さんに揚げ物入れんとって、て帰ったら言お。
音羽
音羽
ごめんな?また今度。
ほら、次の授業始まるで?
あみか
あみか
え~……。もぅ……
音羽の言葉に、
逸らしていた視線をチラッとそっちに向けると、
話していた女の子に謝っている音羽の姿があって…
アタシの視線に気づいたその女の子が、
アタシを見据える。

笑顔……なんやけど、
なんやろ…
目ぇ笑ってへんよな。



あー。そっか。そういうこと?



この子も音羽のことが好きなんか。
昔から勘がいいというか、なんというか…
人の気持ちがわかってしまう。
視線とか、態度とか、表情とかで。

音羽と楽しく話してたとこを邪魔されたら、
そりゃいい気はせぇへんよな。

いたたまれず、また視線を外す。
あみか
あみか
じゃあ、またお話しましょうね!
先輩♡
音羽
音羽
え?あー。うん。
2人が言葉を交わしているのを後ろに聞きながら、
先に歩き出すと、
すぐに音羽が追ってきて、
音羽は定位置の右隣に並んだ。
音羽
音羽
もー。待ってやー。
enn
enn
あの子はよかったん?
音羽
音羽
あの子?
enn
enn
いや、今話しとった子しかおらんやろ
音羽
音羽
…あぁ。全然大丈夫。正直あの子苦手やねん。ennちゃんが通りかかってくれてよかったわ。
enn
enn
その割には楽しそうに話しとったで
音羽
音羽
えー?そうかー?
そう言って音羽は小さく首を傾げた。
enn
enn
お似合いやったで。
あの子可愛かったし。
ほんまに……なんでこんなむかむかしてん?
えー。マジで?そんな食べ過ぎた?
いつもと変わらへん量なんやけどなぁ…
さっきよりむかむか大きなってるし。
もー。明日からお弁当の量、半分にしてもらお。
音羽
音羽
………何や、それ。
何でそんなツンツンしとんの。
enn
enn
え?
音羽
音羽
それを言うなら、ennちゃんもこたつとお似合いやんか。
音羽から突然出てきた言葉にビックリして、
音羽を見上げると、
音羽は少しムッとしたような顔で見下ろしてくる。
その顔にこっちもムッとする。
enn
enn
え?何でこっちゃん?
音羽
音羽
お似合いやん。
enn
enn
何でそんなこと言うんよ?アタシ、
別にこっちゃんのことそんなふうに
見てへんけど…
音羽
音羽
その言葉、そのままそっくり返すわ。
俺も、別にあの子のこと何も思ってへんから。
enn
enn
音ちゃん、どうしたん?
何でそんなに怒ってん?
音羽
音羽
……………別に。怒ってへんけど。
enn
enn
怒ってるやん。
音羽
音羽
…………………鈍感すぎやろ…
enn
enn
え?なんて?
音羽
音羽
知らん。
enn
enn
もー。なんでそんな怒るの!
音羽
音羽
せやから怒ってへん言うてるやろ。
enn
enn
それが怒ってんの!
いや、絶対怒ってるって。

その顔も、その声も、明らかに怒りの感情。
何年一緒におると思うてん。
それくらいわかるし。

でも、

音羽が何に、そんなに怒ってるのかは…わからん。
別に怒らせるようなこと言うてへんよな?
enn
enn
音ちゃん、
音羽
音羽
……………………。
あ。これダメなやつや。
だんまりモードに入った音羽には、
何話してもダメ。
聞く耳もたへんし。
しばらく放っておくのが一番。
でも、珍し。
音羽がこんななるの。
急に機嫌を損ねた幼なじみの謎と、
原因不明のむかむかに頭を占領され、
午後の授業は全く頭に入ってこなかった。



































🌈今回はennちゃん視点でした。
 ennちゃんは他人を観察する力がびっくりする
 くらいあります。よく気づくし、鋭いです。
 でも、
 自分ごとになるとめちゃくちゃ、
 クソがつくくらい(←つけるな)鈍感になります。
 音ちゃんの恋は前途多難なのです。