第2話

あの時
火事が起きたのは、今から五年前の午後7時頃。 





私がちょうど家に帰ってくる時間だった。








ガチャ


「ただいま~」






いつもの時間に、いつも通りの帰宅。







でも、これだけはいつも通りではなかった。

 





家の中が焦げ臭い。








ん?

そう思ってリビングのドアを開けた。








ドアの向こうに広がっていた光景。


 





キッチン部分から火が出ていて、もう少しでソファーに燃え移るところだった。







まずい。




 

お母さんは前日夜勤だったため、二階の寝室で寝ているはずだ。

お母さんの靴がある。

間違いない。

この家にはお母さんがいる。








でもこの状態で家の中に入っていくと、私の命も危ない。








ヤバい。









私はいつの間にか、お母さんを必死に呼んでいた。









「お母さああぁぁぁぁん。
 ねぇお母さん!!!
 早く降りてきて!!お願い!!!!」











.....でも、お母さんは降りてこなかった。





しかも、返事すらしなかった。






おかしい。






うちには火災警報器がないため、警報がなってない。






でも、私が必死に何度も何度も呼んでいるのに。

家の中は焦げ臭い匂いでいっぱいなのに。






どうして?






どうして返事をしないの?













私が必死にお母さんを呼んでいるとき、

後ろから、私を呼ぶ声がした。








お父さんだ。







お父さんは青白い顔をしている。





そして、青白い手で私を後ろに引っ張った。







もちろん、私は反論する。
 



「何で!?お母さんが中にいるかもしれないんだよ!?」





でも、お父さんは無言でうつむいている。






そして、私が反論している間に、ついに火は家を丸のみにしてしまった。





もう私にはどうすることもできない。






ただ、見ていることしかできない私が情けなかった。




  










あの時私が少しでも早く帰っていれば。





 
後悔してもしきれない。








「お母さん......会いたい......」









私は弱々しくそう呟き、

お母さんの写真を涙で濡らした。






















ーーーーーーーキリトリーーーーーーーー



こんばんは!

作者です!


皆さんにちょっとしたお知らせ的なものですが、今日からお話の最後、

このスペースに、お話の鍵(覚えといてほしいこと)を書いていこうと思います!




今回のお話の鍵は、

呼んでも返事をしなかった母

です。



これは最終話くらいまで使うので、覚えておいてください。

また、これによって真実が解き明かされる、大事な鍵になっています。





それではこれで失礼します!

作者でした( ´ー`)