第25話

18。実は俺だって
906
2018/11/25 12:53
公園のベンチに隣同士に座って、



もっきゅんに今さっきあった出来事を、


静かに話した。




もっきゅんは全部聞いてくれた。



優しい…ふと、彼にそう思った。




モトキ
モトキ
なるほど…そりゃ電話にも出ないわけだ…
あなた
うん、ごめんね
モトキ
モトキ
ううん、大丈夫
あなた
はぁ…もう、どうしよう
ほんとに私、バカだなー…
モトキ
モトキ
まぁ、あなたちゃんこの通り全然気づいてくれないもんね
あなた
え?何に?





すると、一呼吸置いて、




モトキ
モトキ
んー、俺にも好きな人がいるってこと





と、言った。


え。

もっきゅん好きな人いたのおおおお!?
あなた
え?それ本当!?
モトキ
モトキ
なぜここで嘘つく笑
本当だよ。
あなた
それは、気付かなかった…
え?私も知ってる人?
モトキ
モトキ
なんでそんなこと聞くの笑
あなた
え、いや、
今までシルクのことで相談に乗ってもらってたから、さ。
私だって、相談にのるぐらいできるんだよ?笑笑
あなた
だから!
ねぇ、その人どんな人なの?
モトキ
モトキ
えぇー?
んまぁ、みんなに優しくて明るい人…ってこれでいい?
あなた
おぉ、いい人そうじゃん笑
モトキ
モトキ
でもねー…





するともっきゅんは、


悲しそうに、また、何かを決めたかのような


そんな顔をした。






モトキ
モトキ
その人、
今、恋愛ですごい悩んでるんだよね…
あなた
…じゃあ、もしかしたらもっきゅんの事、好きと思ってないかもしれないってこと…?
モトキ
モトキ
うん。
ていうか、俺のこと好きって思ってくれてないんだよその人。
モトキ
モトキ
はぁ…
あなた
まぁそう溜息つかないで笑
モトキ
モトキ
あははっ…
モトキ
モトキ
まぁ今あなたに聞いてもらってちょっと楽になったよ。
モトキ
モトキ
ありがとね
あなた
ううん!
私こそ今話聞いてもらって、
ありがと。
モトキ
モトキ
じゃ、シルクんところ行きな?
熱酷くなってるかもだし。ね?
あなた
うん、ありがと!





私がベンチから立って、公園を出ようとしたとき。



















ぎゅ…














後ろからもっきゅんが抱きついてきた。



あなた
!?
モトキ
モトキ
ごめん、こんなことしちゃいけないって、わかってるつもり。
モトキ
モトキ
でも、






























『俺が好きなのはあなたちゃんなんだよ』




























あなた
え?
モトキ
モトキ
俺は、あなたちゃんが好きなんだ、よ…
あなた
もっきゅん…
モトキ
モトキ
このまま、シルクのところに行ってほしくない。
モトキ
モトキ
でも、あなたちゃんはシルクのこと好きって俺が一番わかってる、つもりだから




ぎゅっ.と


もっきゅんの抱きしめる力がより強くなる。















もっきゅんの後ろからのハグは



少し肌寒くなってきたこの季節には




ほんのり暖かく感じられた。

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