あなたが昼に帰って、
動画を撮った後、モトキも帰り、
夕方5時ごろから家に1人でいる状態になってた。
ずっと編集をしていたけど、
咳が止まらなくて、
少し寒気もする。
前から、足とか手とか冷たくなりやすかったけど、
今日は体から冷えるっつーか。。
念のために熱計っとくか。
……
ピピ、ピピ
自分でも驚いた。
微熱か…
なら、体暖めておけばと
動画の編集を続けた。
少し油断した。
10時を過ぎた頃、
さっきより頭がぼーっとしてきたから
もう一回計ってみた。
そしたら…
久しぶりにこんな熱でたなぁと
2度目の驚き。
流石に体がだるくて、
ご飯食べてないし、
やばい…かな。
俺は少し望みをかけた。
電話をかけよう。
そうすれば…来てくれるかもしれない。
携帯を取り出して、彼女の名前を探す。
プルルルル…プルルルル…
とりあえず繋がった。。
あとは、出てくれるのを…
『ピッ』
訳を考える間もなく、
今思っていることを電話越しに、伝えた。
『そばにいてほしい。』
普通なら言えるはずなのに、
何故か言えなくて。
言えるはずもなくて。
直後に電話が切れた。
来て…くれるのか。。
本当は、
『君の近くに居たくて、居て欲しくて。』
この風邪を利用したんだ。
俺はあなたに嘘をついた。
ごめん…な。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。