「私…どうなるの?」
マユミさんの顔が不安な顔になる
そりゃあ当たり前だ、そんな凄いことを見てしまったのだから、攫われる、もしくは
消される可能性だって十分にある
やだ、せっかく知り合えたのに、出会えたのに
マユミさんが…
「どうにもならねぇよ、俺たちがいるからな、何事も起こらねぇし…違うか?ナガヒロ、何か起ころうが関係ないよな、俺たちだし」
「え?」
「ええ、もちろんです、大人の事情がどうであろうと、関係ありません、私たちは…少年です」
『あ…ソーサクさん…』
大丈夫、と強く後ろから抱きしめてくれる
暖かい
『…はい、ありがとうございます』
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「現実的には、警察に連絡すればいいのかな?」
『し、信じてくれるんですかね…』
「鼻で笑われておしまいかもな、10年前に軍事衛星が核で撃ち落とされるのを見ました、なんて言っても、とても信じて貰えるとは限らないぜ、証拠がある訳じゃないんだろ」
「証拠がないなら作ればいいんじゃない?少なくとも、瞳島ちゃんが今朝追いかけられたことは本当でしょ?」
「う、うん…」
「だからさ!アイツらのうち1人でも、捕まえることが出来きたら、それは生きた証拠になる訳じゃない!」
「お、おおぅ…」
戸惑っちゃってるよヒョータさん…
「危険な作戦ですね、二重尾行は当然警戒されているでしょうし、武装している可能性もありますしね」
『ぶ、武装!?え、もしマユミさん何かあったら…!』
「お、おぉ…?」
「それなら俺にやらせろよ、こうゆう時のために、俺はここにいるんだろ」
「おぉ」
いや、正確には美味しい料理を作ってくれるから…では?
すると、急に扉が開いた
「いいや!お前がここにいるのは、お前の作る料理が美味しいからだ!!」
『ですよね〜』
「安心したまえ諸君、僕に秘策がある」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。