第4話

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2,896
2018/09/30 08:26
高野ことね
高野ことね
お腹いっぱい…
登坂広臣
登坂広臣
じゃあ会計しちゃうぞ
高野ことね
高野ことね
ほんとにいいの?
登坂広臣
登坂広臣
うん
チラッと財布の中に見えた沢山の1万円札。


この人ほんとにやばいことしてんだ……


なぜか胸がチクッとした。


一緒にご飯食べながら自己紹介とかし合って、


彼の名前が登坂広臣ということがわかった。


私よりは全然年上。


偽名とあるって…


仕事をする時の名前。


「中野りゅうのすけ」


偽名があるなんて怖い。


こんな映画みたいな話ほんとにあるんだ…


連絡先も交換した。
登坂広臣
登坂広臣
お前家どこ?
高野ことね
高野ことね
〇〇町の5-8
登坂広臣
登坂広臣
送ってくよ
高野ことね
高野ことね
ありがと
家…
登坂広臣
登坂広臣
じゃあな
高野ことね
高野ことね
うん…
なぜか彼と離れるのが寂しかった。


なんだろこの気持ち。


玄関のドアをあけると部屋からいやらしい声が聞こえてきた。


またお母さんだ…


玄関には男の靴があった。


そのまま家に入れないでいる私。
登坂広臣
登坂広臣
お前俺のとこ来い
高野ことね
高野ことね
え?…
登坂広臣
登坂広臣
こんなクソみたいな母親と一緒にいたらお前までクソみたいになんぞ?
高野ことね
高野ことね
もともとクソだから
登坂広臣
登坂広臣
んなことねーだろ、今日はとりあえず俺の所来い
男には興味無いはずだった。


だけど彼には惹かれた。


そのまま車に乗り彼の家に向かった。


ついたのは高級マンションの最上階の部屋。
高野ことね
高野ことね
こんないい所すんでんの…
リビングには外が見渡せるでかいガラスの壁。
高野ことね
高野ことね
綺麗……
登坂広臣
登坂広臣
気に入った?笑
高野ことね
高野ことね
うん笑
登坂広臣
登坂広臣
じゃあ明日からお前はここに住むってことで
高野ことね
高野ことね
え?は?え?…それどういうこと?
登坂広臣
登坂広臣
言った通りのこと
高野ことね
高野ことね
住む?え?
登坂広臣
登坂広臣
あんな家俺が帰らせねぇ
高野ことね
高野ことね
なんでよ
登坂広臣
登坂広臣
お前を助けたいから
高野ことね
高野ことね
……
登坂広臣
登坂広臣
辛いんじゃねーの?母親といるの
高野ことね
高野ことね
…うん
登坂広臣
登坂広臣
まぁ俺となんか暮したくないなら別に好きなようにすればいいけど
高野ことね
高野ことね
…じゃあ明日からここ住んでいい?
登坂広臣
登坂広臣
いいよ
高野ことね
高野ことね
ありがと
この頃に私たちの歯車はもう回り始めてたのかな。

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