チラッと財布の中に見えた沢山の1万円札。
この人ほんとにやばいことしてんだ……
なぜか胸がチクッとした。
一緒にご飯食べながら自己紹介とかし合って、
彼の名前が登坂広臣ということがわかった。
私よりは全然年上。
偽名とあるって…
仕事をする時の名前。
「中野りゅうのすけ」
偽名があるなんて怖い。
こんな映画みたいな話ほんとにあるんだ…
連絡先も交換した。
家…
なぜか彼と離れるのが寂しかった。
なんだろこの気持ち。
玄関のドアをあけると部屋からいやらしい声が聞こえてきた。
またお母さんだ…
玄関には男の靴があった。
そのまま家に入れないでいる私。
男には興味無いはずだった。
だけど彼には惹かれた。
そのまま車に乗り彼の家に向かった。
ついたのは高級マンションの最上階の部屋。
リビングには外が見渡せるでかいガラスの壁。
この頃に私たちの歯車はもう回り始めてたのかな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!