~広臣~
家を出て2日間たち、おれは家に帰った。
あいつ起きてるかな……
なぜかことねと出会ってから、いつもことねのことを考えるようになっていた。
仕事中も、あいつ大丈夫かな…とか、少しでも目を離しちゃいけないって思ってしまう。
家…
寝室のドアを開ければぬいぐるみに抱きついて気持ちよさそうに寝ていることね。
おれはことねの横に行き顔をジーッと見つめた。
可愛い寝顔……
おれはことねの頭を撫でた。
こいつを守ってやりたい。
そう思った。
今までそんな女はいなかったけど…
ことねと出会って命をかけてでも守ってやりたいって思えるやつができた。
何をしてでも守ってみせる。
こいつの笑顔奪うやつなんて許さねぇ。
ゆっくり目を開けることね。
寝ぼけてるし笑
おれはリビングの引き出しに入っている体温計を手に取った。
おでこに触れれば少し暑い。
ピピピピ…
もしこいつになんかあったら大変だ。
って俺心配性かよ…笑
弱ってることねがいつも以上に可愛くて……
って俺こんな状況で何考えてんだ……。
バイクの後ろに乗れと合図をする。
そう言うと俺の腰に手を回したことね。
おれはバイクを走らせた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。