第11話

本当
2,154
2018/09/28 08:37
ジョングガside


{すっごい長いです}
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幼い頃、俺の家の隣にトラックが止まった。
大手引っ越し会社の大きなトラック。
俺はそれを庭の柵から見てた。
そのトラックのすぐ後ろには
見慣れない黒の高級車が止まっていた。
その高級車から
背の高いすらっとしたスタイルのいい男性、
スタイルと顔が整った女性、
その女性に抱かれる赤ちゃん、
俺より少し年上に見える澄んだ瞳の男の子、
その後ろに隠れる


同い年ぐらいの小さい天使みたいな女の子。
俺は一瞬でその女の子に下心が湧いた。
すごく可愛くて
いや、可愛いだけじゃない
大人っぽくて色気が俺には見えた。
だからこそ目が釘付けになった。
何日か日が経って幼稚園の日
朝、幼稚園バスが来るからオンマと外に出た
その時だった。
俺の隣に少し遅れてあの女の子が立った。
俺の胸は張り裂けそうだった。
バスに乗ると、俺の隣に座って来た。
俺は勇気を出して声をかけた。
ジョングガ(幼
お、お名前なんてゆーの?
すごい噛んだけど相手には伝わったみたいで
ジョングガ(幼
えっと、ちょんじょんぐく
予想外の言葉に俺は赤面して、
ジョングガ(幼
う、うん
下を向いてそう呟いた。
その時から、俺とあなたは{友達}。
でも、俺はずっとずっと
あなたの大切な人になりたくて
小学生になっても、
中学生になっても、
後ろを付いていった。
高校も頭のいいあなたの希望校に
見合うように死ぬ気で勉強して
同じ高校に行った。
だけどやっぱりあなたはいつも
たくさんの男子の注目の的で、
俺はあなたの親友のノランと
あなたと一緒にいる事しかできなかった。
あなたには何人もの彼氏ができて、
最後にはあなたから振って、
俺もそうなるのか
と、怖くて真実は言えなかった。
でもうじうじしてると
学校一モテるテヒョンがあなたを取った。
学校一の美少年と美少女のカップルなんて
お似合いすぎて俺にはなにもできなかった。
いや、度胸がなかっただけなんだけど。
だけど、見当違いだった。
あなたはテヒョンのことが好き、
ではなかったらしい。
正直凄く嬉しくて、安心した。
だけど、すぐに気づいた。
“テヒョンのことが好きじゃないだけ”
俺のことをどう思ってるかなんて上の空。
わからないんだ。
でも、チャンスを逃すわけには行かない。
俺は“偽造彼氏”を提案した。
本物の彼氏じゃなくて、短期間の彼氏。
利用されてるのはもういい。しょうがない。
だから、この立場を存分にこれからへ生かす
















はずだった。
俺はあなたと学校に着いた時から
少しおかしくなっていた。
体が熱くて、
だるくて、
めまいと、立ちくらみ、吐き気がして
絶対にやばかったんだ。
だけどあなたを心配させたくなくて
教室に行くまで頑張ろうと思った。
でも無理だった。
気づいたら病院にいて
告げられた病名は
“奇病”
なんだよそれ、
奇病ってなんだ。
聞いたこともない病名だった。
ジョングガ
奇病ってなんですか
医者に聞いた
医者
奇病と言うのは
医者
珍しくて変わった病気のことだ
ジョングガ
はぁ、
医者
その中でも厄介なのになった
ジョングガ
医者
“変色涙病”
医者
好意を寄せる人に触れると、変色の涙が出るんだ。
変色の涙?
なんだよそれ
ジョングガ
ち、治療法は、?
医者
その人に心から愛され、それを伝えられること
あぁ、終わったな


そのあと体にどんな影響があるのか聞いた。


涙が出る量だけ記憶がなくなるらしい。
次の瞬間ぶっ倒れた。
起きたらあなたがいた。
you
黙ってればかっこいいのに
嬉しくて、にやけてしまうのを我慢して
ジョングガ
いつでもかっこいいでしょ?
そう返した。
あなたはもちろん驚いた顔をした。
you
起きるの遅いよ、
そう行って涙ぐんでいた。
ジョングガ
心配かけてごめん
ジョングガ
今日は甘えてください
好きな人に触れたら変色の涙が出る。
だけど今はどうでもよくて
あなたを胸に埋めた。
あなたは泣いた。それが凄く可愛かった。
視界が緑で包まれた。
部屋の鏡をチラッと見ると
緑色の涙が溢れていた。
あなたに見られてしまった。
凄く困惑しているようだ。
無理もない。
緑色の涙が出るなんて誰も思うはずないから
ジョングガ
俺な、
ジョングガ
奇病なんだって
ジョングガ
しかもその中でも厄介なヤツ
ジョングガ
変色の涙が出て、その涙の量だけ記憶がなくなる
ジョングガ
あきれるよな、ㅋ
無理に俺が笑う代わりに
あなたが泣き始める
ジョングガ
そうかもね、
ジョングガ
忘れたくないけど
ジョングガ
うん、
なんで嘘をついたんだろう。
いや、言えばどうにかなると思った自分がおかしいんだ。
きっと言ってしまえばあなたに心配をかけてしまうし
申し訳ない気がした。
ジョングガ
あなたは何も悪くないでしょ?
ジョングガ
へ?
ジョングガ
ボロボロと涙が落ちる
だんだん記憶が薄くなって行く
俺の記憶ってこんなに少ないのかな
その涙は一滴一滴色が違くて、
それはそれは綺麗だった。
その瞬間に涙が透明に変わった。
頭を殴られたような衝撃とともに
記憶がフラッシュバックする。
ジョングガ
あなた、俺は誰にも負けないくらいあなたのことが好きなんだ。
ジョングガ
誰にも負けないくらい愛してる
ジョングガ
これから、何度も言ってくれるかな?
ジョングガ
愛してるって
そう言って俺にキスをした。
あなたからキスしておいて
唇がすごく震えているのが可愛かった。
きっと俺は今銀河の中で一番幸せだろう。
そう感じた。

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