「すみません。あまりにも面白くて。」
「でも、そんな笑う?」
「す、すみません。」
私が怒ると、シュンとした様に謝ってきた。
「なら、宜しい」
「良かったです!」
るぅと君の笑ったその笑顔は、とても眩しかった。
―――その一瞬、心臓がドキッとした気がした。
「っ?」
「どうかしました?」
「い、いや 何も…」
「?」
るぅと君は、首を傾げた。その姿も、また可愛らしい。
じゃなくて!何だろうこの気持ち。
キンコンカンコン―
チャイムが教室中に鳴り響く
もうこんな時間か――――私達は、急い急いと、1時限目の準備を始めた。
「もう、1時限目ですね」
「そうだね」
るぅと君は、嫌だなぁと言うような顔をした。
私も、その言葉に相づちを打つ。
楽しい――今の私は、そう思った。
~授業中~
「個々分かる奴入るか?」
ざわつき始めた。何なん((殴
「はい!」
元気の良い声が辺りを反響する。
「お!風早か!じゃあやってくれ―」
コツコツとるぅと君が黒板に文字を書き始める。
「答えは、〇〇です――!」
「正解だー」
やっぱすげえな――――
凄い,カッコいい―――
などと言う声が、ちらほら聞こえる。
私は、何故かムッとなった気がした。
「どうしました?」
「何にも無いよ。」
「顔赤いですよ?」
「な、赤くないから!」
「可愛いですねw」
「ッ!うっさい!」
カァァ
顔が熱い
「おい!そこうるさいぞ―――」
『ごめんなさい』
クスクス
「二人中いいねw もう、打ち解けたんだw」
と、私の幼なじみの優花が前の席から笑いながら言っている。
「迷惑掛けちゃいました?」
「ベ、別に……」
「あ~ごめんね~内の鈴菜、ツンデレ何だよね~」
「ツンデレじゃ無い…」
「ごめんなさい?」
「うん…」
(可愛いから許す((キャラ崩壊
~授業終わり~
お昼!
「嫌じゃなければ、一緒にお弁当食べません?」
「良いけど…」
『おーい!るぅと君ー!』
「?」
「あ!皆じゃないですか!」
「皆?」
沢山の元気の良い声が聞こえてくる。
「るぅと君ーるぅとー!え?誰その可愛い子!」
「誰?」
「びっくりさせないで下さい!すみません鈴菜さん!」
「あ、大丈夫」
「えっと、こちらすとぷり」
「コロンとー
さとみとー
莉犬とー
ジェルとー
ななもりやでー
せぇの~
すとぷりで~す!」
「す、すとぷり?」
「名前に、あんまり深い意味無いよ?俺、七瀬ななもり。君名前は?」
低くも高くもない優しそうな声で私に紫のななもりと言う人が話しかけてきた。
「鈴菜って言います。」
「僕、コロン!」
「莉犬!」
「ジェル!」
「さとみ!」
「っか、るぅとこんな可愛い女子と付き合ってたんだ!早いね~」
「な、付き合ってませんよ!ね!」
「う、うん」
「何や~」
「タメ口ね!」
「分かった」
そんな他愛無い話しをしていた。
「俺達も、一緒にお昼食べて良い?」
「…はい…」
るぅと君は、心なしかほっぺを膨らませていた。
食べた!
「じゃあね~」
「バイバイ~」
「何か…嵐の様な人達だったなぁ…」
「何か…すみません…」
「るぅと君謝ってばっかりだね…」
「はい…」
帰ります!
「もう、1日が終わるんだね~」
「そうですね!疲れましたね」
「じゃあね!バイバイ~」
「さようなら~」
こうして私の、始業式が終わった。
でも、私の恋はまだまだ終わりません!届け!かいしんの一撃!
フレーフレー私の恋!
フレーフレー僕の恋!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。