第9話

レンタル屋さん 「椿編」
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2019/10/05 13:07
俺は、流花りゅうかに、アニメを
見せるべく、レンタル屋さんに来ていた。
羽柴 椿
羽柴 椿
どれが、いいかな
ズラリと、新作アニメ、映画が並び、
迷っていると・・・

ドカッ!!作業をしている店員さんに
ぶつかってしまった。
高月 はじめ
高月 はじめ
っ!
羽柴 椿
羽柴 椿
すみません、って、高月先輩、この店で
バイトしてたんですか?
高月 はじめ
高月 はじめ
・・・
高月 はじめ
高月 はじめ
してたら、悪いかよ
高月先輩が、ギロッとにらむ。

俺は、正直この人が、苦手だ。

なぜなら、いつも無表情で、怖そうだし
学校では、不良とうわさされてるからだ。
羽柴 椿
羽柴 椿
べつに、悪くないですよ
高月 はじめ
高月 はじめ
あっそ
高月先輩は、そう言うと、カウンターの
方へ、行ってしまった。
羽柴 椿
羽柴 椿
高月先輩って、本当なにを、考えてるか
わかんねえ
椿は、自分の好きなアニメを借りると、
絵馬荘えまそうに、帰った。
羽柴 椿
羽柴 椿
ただいまー
流花
流花
つ、つ、椿さーん、助けてください!
流花りゅうかが、勢いよく
こちらに向かって来た!
羽柴 椿
羽柴 椿
おい、どうしたんだ?
流花
流花
ヒーイイィィ
ギューと流花に、しがみつかまれ、一気に
顔が熱くなり固まる俺・・・・・・冷た!!
羽柴 椿
羽柴 椿
落ち着けよ!
サッと、流花を離すと、わたわた、しながら
流花
流花
私たちの512号室に、ゴキ、ゴキブリが
出たんですよ!!
と、叫んだ。
羽柴 椿
羽柴 椿
・・・ゴキブリ?
(私たちのって、なんだ、その言い方)
ちょっと、照れる俺だったが、


なんだ、虫かよ?と、言って、照れてる
ことを、ごまかした。
羽柴 椿
羽柴 椿
どこにいる?布団の上?机?
流花
流花
畳の上です
羽柴 椿
羽柴 椿
安心しろ、俺が、やっつけてきてやる
流花
流花
あっ・・・はい!
流花が、ニコっと、笑った。いつもと
かわりないその笑顔を、見ると

俺は、いつも安心できた。そして、コイツの
ためなら、やってあげてもいいかな、と

いう気持ちになる。不思議な気持ちだ。
俺は、昔からこんな性格だったけ?
羽柴 椿
羽柴 椿
消えろ!ゴキブリめっ
ティッシュで、つまむと、窓から
ポイっと投げた。
羽柴 椿
羽柴 椿
これで、大丈夫だな?
流花
流花
ありがとうございます!
ばあば
ばあば
痛てっ!!
羽柴 椿
羽柴 椿
ん?
今投げた、ものが、ばあばに
当たってしまったことを、心の中で
謝りながら、俺は、借りてきたアニメを、


流花に見せた。
羽柴 椿
羽柴 椿
見るか?これ、俺の好きなやつ
流花
流花
えっと・・・
俺は、知っていた。本当は
流花が、あまりアニメを、見たそうに

していないことに。ちょっと、ずうずう
しいよな、まあ、1人でも、いっか見るの
羽柴 椿
羽柴 椿
あっ、悪い流花、俺、うるさかった
よな?
流花
流花
えっ
羽柴 椿
羽柴 椿
ただ、流花とアニメ見れたらって、
思っただけだから、気にしなくて
いいぞ
羽柴 椿
羽柴 椿
だから、大丈夫
俺は、笑いながら、部屋から
出て行こうとした。

その時、流花がドアの前に立ち、
流花
流花
ダメです!私、見るんです
流花
流花
椿さんと、見たいから
と言った。

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