俺は、流花に、アニメを
見せるべく、レンタル屋さんに来ていた。
ズラリと、新作アニメ、映画が並び、
迷っていると・・・
ドカッ!!作業をしている店員さんに
ぶつかってしまった。
高月先輩が、ギロッとにらむ。
俺は、正直この人が、苦手だ。
なぜなら、いつも無表情で、怖そうだし
学校では、不良とうわさされてるからだ。
高月先輩は、そう言うと、カウンターの
方へ、行ってしまった。
椿は、自分の好きなアニメを借りると、
絵馬荘に、帰った。
流花が、勢いよく
こちらに向かって来た!
ギューと流花に、しがみつかまれ、一気に
顔が熱くなり固まる俺・・・・・・冷た!!
サッと、流花を離すと、わたわた、しながら
と、叫んだ。
(私たちのって、なんだ、その言い方)
ちょっと、照れる俺だったが、
なんだ、虫かよ?と、言って、照れてる
ことを、ごまかした。
流花が、ニコっと、笑った。いつもと
かわりないその笑顔を、見ると
俺は、いつも安心できた。そして、コイツの
ためなら、やってあげてもいいかな、と
いう気持ちになる。不思議な気持ちだ。
俺は、昔からこんな性格だったけ?
ティッシュで、つまむと、窓から
ポイっと投げた。
今投げた、ものが、ばあばに
当たってしまったことを、心の中で
謝りながら、俺は、借りてきたアニメを、
流花に見せた。
俺は、知っていた。本当は
流花が、あまりアニメを、見たそうに
していないことに。ちょっと、ずうずう
しいよな、まあ、1人でも、いっか見るの
俺は、笑いながら、部屋から
出て行こうとした。
その時、流花がドアの前に立ち、
と言った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。