第16話

ばあばの秘密 「みなさん編」
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2019/09/29 06:33
ばあば
ばあば
わしには、流花りゅうかという
孫がいた・・・
流花
流花
ばあばさん・・・
ばあばは、静かに真実を語り出した。
ばあば
ばあば
わしの家系は、代々魔女の血が
入っていた。
ばあば
ばあば
もちろん、孫である流花りゅうかにも
流花
流花
私に、魔女の血が・・・?
羽柴 椿
羽柴 椿
その話、本当なのか?
ばあばは、コクリとうなずいた。
ばあば
ばあば
あれは、ちょうどお前がここに
くる、1年前だった・・・・
俺が、くる1年前?
ばあば
ばあば
わしは、流花に、呪文の書物がある
倉の掃除を頼んだんじゃ・・・
(魔女には、呪文の本が必要だからのぉ)



「椿が来る1年前の話」



よく晴れていた日のことだ。

絵馬荘えまそうの裏にある、
呪文の書物の倉に流花は、いた・・・
流花
流花
ふう、ここは、ほこりっぽいですねえ
流花は、手際よく、倉の中の
本を、掃除していた。
流花
流花
あとは、これと、これの
汚れを落としますか
パタパタと、放棄ではいて、

1時間後には、すっかり綺麗になった。
流花
流花
ばあばー!お掃除、終わったよ
ばあば
ばあば
わかったぞい!今、お茶を
いれるからの・・・
流花
流花
ふう、あれ?この本・・・
流花は、大きな本を、手に取った。

「人ならざるもの・・・霊魔本れいまぼん

と、表紙に書いてある。
流花
流花
何でしょう?これ・・・
ばあば
ばあば
流花〜〜、お茶を入れたぞい
流花
流花
うん、わかった!今行く・・・
スルッ!!
流花
流花
あっ!!
振り返ったひょうしに、本を
ドサッと落とした流花・・・・
流花
流花
おっと、拾わなきゃ・・・
その時、落ちた本が、ひとりでに
動き出した・・・ガタッ、ガタッ
流花
流花
なっ!!なんなんですか・・・?
霊魔本の主
霊魔本の主
我、この本の、主なり
流花
流花
ヒイイ
本の中から、紫色の火の玉
のようなものが、出てきた。
霊魔本の主
霊魔本の主
お前、よくも、我の眠りを覚ましたな
許さん・・・
流花
流花
すみません!!掃除をしてただけ・・・
紫色の火の玉は、スウッと、流花の
体に中に入り込んだ・・・・
流花
流花
あああっ・・・・
霊魔本の主
霊魔本の主
お前を、呪ってやる・・・ククク
お前が、次に目覚めた時
霊魔本の主
霊魔本の主
人ならざるものへと、なっているだろう
苦しめ、苦しめ・・・
流花
流花
ば、ば・・あ・・・
しばらくして、ばあばが倉に戻ると
流花の着ていた服だけがあり、

流花自体は、どこを探しても
見つからなかった・・・・

そして、禁書の本と共に
消えた孫の帰りを、今もずっと待っていた。
「そして、現在」
ばあば
ばあば
あの子は、やはり・・・幽霊に
なっていたか
羽柴 椿
羽柴 椿
俺に、できることがあったら
なんでも言ってくれよ
流花
流花
私、1年前まで、人間だったんだ
羽柴 椿
羽柴 椿
流花は、人間の時の記憶がないんだよ
ばあば
ばあば
仕方がないじゃろう、人の体と
魂が離れている今、記憶までは
繋がんなかったのじゃろう
羽柴 椿
羽柴 椿
一緒に暮らしてても、知らないことって
まだまだあるんだな
ばあば
ばあば
しかも、可愛い孫が、幽霊になったとは
いえ、お前なんかと暮らして、キスまで
してたとはな・・・
ばあば
ばあば
驚きじゃよ
羽柴 椿
羽柴 椿
ごめんって、ばあばの孫なんて
知らなかったし、幽霊いるって、
言っても信じなかっただろ?
ばあば
ばあば
今は、信じてる・・・その呪いの
おかげでな・・・さあ、学校に行き
んしゃい
流花
流花
あっ!そろそろ、学校の時間ですね
羽柴 椿
羽柴 椿
みんなには、顔ひっかいて、
傷ができたって言うよ・・・
流花
流花
いってらっしゃいです
羽柴 椿
羽柴 椿
行ってきます
椿は、急いで制服を着て
出て行った。
ばあば
ばあば
そこに、いるのか?流花
流花
流花
ばあばさん・・・
ばあば
ばあば
あいつ、椿は、きっとお前のために
動いてくれる・・・・きっとじゃ
流花
流花
私も、椿さんのことは、信頼
してますから
朝の絵馬荘は、少しバタバタ
していた。

椿は、呪いなんて少しも気にせず
学校に向かった。

幽霊と人との恋愛・・・
思った以上に大変なのかもしれない
流花は、少し心の中でそう思った。
流花
流花
椿さんとなら、呪いだってなんだって
弾き飛ばしてやりますよ!!
ばあばは、やれやれと、首を横に
ふりながら笑っていた。




ガサガサ・・・絵馬荘を、草むらから
眺めている青年が1人いた・・・
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
あそこだな?幽霊が出るっていう
怪しい館は・・・
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
この僕が、成敗してあげるよ
青年は、クスっと、怪しい笑みを
浮かべて笑った。

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