ばあばは、静かに真実を語り出した。
ばあばは、コクリとうなずいた。
俺が、くる1年前?
「椿が来る1年前の話」
よく晴れていた日のことだ。
絵馬荘の裏にある、
呪文の書物の倉に流花は、いた・・・
流花は、手際よく、倉の中の
本を、掃除していた。
パタパタと、放棄ではいて、
1時間後には、すっかり綺麗になった。
流花は、大きな本を、手に取った。
「人ならざるもの・・・霊魔本」
と、表紙に書いてある。
スルッ!!
振り返ったひょうしに、本を
ドサッと落とした流花・・・・
その時、落ちた本が、ひとりでに
動き出した・・・ガタッ、ガタッ
本の中から、紫色の火の玉
のようなものが、出てきた。
紫色の火の玉は、スウッと、流花の
体に中に入り込んだ・・・・
しばらくして、ばあばが倉に戻ると
流花の着ていた服だけがあり、
流花自体は、どこを探しても
見つからなかった・・・・
そして、禁書の本と共に
消えた孫の帰りを、今もずっと待っていた。
「そして、現在」
椿は、急いで制服を着て
出て行った。
朝の絵馬荘は、少しバタバタ
していた。
椿は、呪いなんて少しも気にせず
学校に向かった。
幽霊と人との恋愛・・・
思った以上に大変なのかもしれない
流花は、少し心の中でそう思った。
ばあばは、やれやれと、首を横に
ふりながら笑っていた。
ガサガサ・・・絵馬荘を、草むらから
眺めている青年が1人いた・・・
青年は、クスっと、怪しい笑みを
浮かべて笑った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。