第14話

告白は突然に 「流花編」
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2019/09/28 06:59
屋根の上に、ドスっと座り込む
椿つばきさん。

顔は、こわくて見れないけど・・・
気まずい空気です。
羽柴 椿
羽柴 椿
俺、別に流花りゅうかが、泣こうが殴ろうが、
耐えてきたつもりだけど
流花
流花
は・・・いっ?
羽柴 椿
羽柴 椿
急に、怒鳴られて、はい出て行きます
なんて、簡単に言えるかよ
流花
流花
椿さん・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
俺、最近悩んでたんだ
羽柴 椿
羽柴 椿
流花の事で・・・
流花
流花
私の事で、ですか?
羽柴 椿
羽柴 椿
そう、俺と流花は、友達でもなければ
恋人でもない・・・なのに
羽柴 椿
羽柴 椿
流花のことを、最近すごく考えるように
なって・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
どうして、流花の事ばかり、考えてる
のか自分でもわからなかったけど、最近
ようやく、わかった
流花
流花
羽柴 椿
羽柴 椿
俺、流花のことが好きみたいだ
俺ー流花のことがー好きみたいだー

好きみたいだーー好きみたいだ〜〜

私の中で、何度もループを繰り返す。

好き?私を・・・椿さんが・・・・!!!
流花
流花
うそ・・・嘘ですよね?
羽柴 椿
羽柴 椿
嘘じゃないよ、流花のことが
好きだよ
真剣に、見つめられて、私の
心臓がバクバクする・・・
流花
流花
私、幽霊ですよ?死んで・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
俺じゃ、ダメか?
流花
流花
!!!
何を、言ってるんですか・・・
頭がパニックになりそうです。

そんな捨てられた子犬みたいな
顔しないでくださいよ・・・
流花
流花
えっ?えっ?私でいいんですか?
私と、じゃ、手も繋げないし
あれ?何を言ってしまったのだろう

私は、目をグルグルまわしながら、
顔を赤面させている。
羽柴 椿
羽柴 椿
たまたまなんだよ、人にはそれぞれ
運命の人がいるとしよう。
流花
流花
椿さん???
羽柴 椿
羽柴 椿
俺の運命の相手は、幽霊だった。
ただ、それだけなんだ。
私が、椿さんの運命の相手?

死んでる私に、そんな資格があるので
しょうか?
流花
流花
私の、何がいいんですか?
震える声を、しぼりだしなら、
質問する。
羽柴 椿
羽柴 椿
わかんねえ
流花
流花
えっ!?わからないのに、好きなんですか
羽柴 椿
羽柴 椿
気がついたら、俺の生活に流花が
いて、その子を手放したくないと
思った・・・そして
羽柴 椿
羽柴 椿
怒る流花も、寝ててまぬけな流花も
見てて、飽きないというか
羽柴 椿
羽柴 椿
言葉では、うまく思いつかないけど
ずっと一緒にいたいって、初めて
思ったのは、流花だけなんだ
流花
流花
信じられません・・・私、今
すごくうれしいです
涙が、たくさんあふれた。

いつもとは、違う嬉し涙の方・・・

私は、椿さんがこの絵馬荘に来てくれて
本当に良かった。

幽霊になって、1人ぼっちの私を
照らしてくれた太陽のような人。
流花
流花
私のことを、そこまで思って
くれてたなんて・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
だから、俺から逃げないでほしい
どんな流花も、ぜったい受け入れるから
流花
流花
・・・!!!
流花
流花
はいっ
そう返事をすると、椿さんは
ニコッと笑って、私に優しくキスをした。
羽柴 椿
羽柴 椿
冷たっ
流花
流花
!!!
流花
流花
幽霊ですから
本当に、幸せな夜になりました。

私、もう椿さんから逃げません。

大好きです。
羽柴 椿
羽柴 椿
風も冷たいし、中に戻るぞ
流花
流花
はいっ!
まだ、唇にキスをした時の感触が
残っています。

椿さんの後ろ姿、耳まで赤く
なってることは、言わないでおきましょう。

本当に、椿さんに会えて良かったです。

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