第4話

ハプニング 「みなさん編」
53
2020/05/19 02:43
朝になり、椿つばきは、ガバッと
布団から起き上がった。
羽柴 椿
羽柴 椿
は〜、朝か・・・
椿つばきが、ふと、横を見ると
水色の髪をした女の子が、眠っていた。
流花
流花
むにゃむにゃ
羽柴 椿
羽柴 椿
あっ!!こいつは・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
(昨日、俺の部屋でかってに寝た、
幽霊の流花りゅうかだっけ?)
羽柴 椿
羽柴 椿
あれ?でも、こいつ・・・
ちゃんと布団で寝てるし・・・
物とかつかめるんだ
椿は、しゃがむと、恐る恐る
流花のほっぺを、つんと、触ってみた。
羽柴 椿
羽柴 椿
つん、つん・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
(あれ、普通に触れる・・・ちゃんと、
触ってる感触まである)
ぶにっと、今度は両手で、流花りゅうかの、
ほっぺを引っ張ってみる。
羽柴 椿
羽柴 椿
冷たくない、触れても全然冷たく
ないぞ!!
流花
流花
んん
寝返りを、うつ流花だったが、
まだ起きそうには、ない
羽柴 椿
羽柴 椿
このまま、別の部屋にこいつを
運んで、俺の部屋から出そうかな
椿は、クククと笑いながら、流花を
抱き上げようとした時・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
ふぐっ!!
自分が、寝ていた枕に、足がつまずき
コケッと、転んだ。
ドシーーン
羽柴 椿
羽柴 椿
ってて・・・
流花
流花
つ、つつ椿さん!!
流花
流花
あなた、何をしてるんですか!?
椿が、ハッ!と、顔をあげると、
目を覚ました流花が、真っ赤な顔を
して、椿を見つめていた。
羽柴 椿
羽柴 椿
あっ、悪い、起こしちまったか?
最悪な状況である・・・

転んだ椿は、流花にぶつからないように
手をついたのだが、息がかかるぐらい
顔が、近くにあった。
流花
流花
イッ、イヤアアアアアア!!
流花
流花
椿さんの変態!!私が寝てる間
襲おうと、するなんて!!
羽柴 椿
羽柴 椿
ハア!?
羽柴 椿
羽柴 椿
これは、事故なんだ!!枕にこけて
転んだだけっつうか・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
ちょっと、流花が、寝てる間
ほっぺをつまんだりは、してたけど
羽柴 椿
羽柴 椿
本当に、それぐらいしか
してないから!!
あせる椿を、ジーーっと、にらむ流花。
流花
流花
何にも、してないって・・・
流花
流花
ほっぺ、つまんで遊んでたんですね!?
メラメラと、流花の目から
炎があふれる。
羽柴 椿
羽柴 椿
いや、たしかにつまんだけど
流花
流花
本当に、信じられません!!
羽柴 椿
羽柴 椿
聞いてくれ、流花
流花
流花
嫌です、私に意地悪する椿さんと
なんか、話したくありません!!
ぷっくーと、ほっぺをふくらませ、
ふわっと浮く流花。どうやら、違う部屋に

行こうとしているらしい。
羽柴 椿
羽柴 椿
待てよ!ちゃんと、最後まで聞いてくれ
出て行こうとする、流花の腕を
椿が、ギュッと掴んだ。
羽柴 椿
羽柴 椿
冷たぁ!!
流花
流花
椿さん!!
氷のように、冷たい腕に触れ、椿は
思わず、パッと手を離した。
流花
流花
大丈夫ですか!?
あわてて、振り返る流花。
羽柴 椿
羽柴 椿
俺、流花が寝てる時、ほっぺに
触ったんだ!!
流花
流花
・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
でも、その時は、なぜか手が
冷たくならなくて・・・
流花
流花
えっ!?本当ですか
それ・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
ああ!本当だ
羽柴 椿
羽柴 椿
ちゃんと、人間の体温も、感じたし
流花
流花
そんなはずは、ありません!!
だって、私は幽霊で死んでて・・・
あわてる、流花に椿は、ゆっくりと
話しかけた。
羽柴 椿
羽柴 椿
もしかしたら、流花には、自分でも
知らない秘密が、あるんじゃないか?
流花
流花
私でも、知らない秘密?
そう言うと、流花は、ふわっと体を浮かせた。
流花
流花
不思議ですね、椿さんは・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
俺が、不思議?
流花
流花
そうです
流花
流花
私の知らない秘密に気づいたり
流花
流花
意地悪をしたり
羽柴 椿
羽柴 椿
流花
流花
あなたが、初めてですよ。ふふ
流花
流花
椿さんなら、私がどうして、この世
から、はなれられないのか
流花
流花
解決してくれそうな気がします
羽柴 椿
羽柴 椿
俺に、不思議な力は、ねえよ
羽柴 椿
羽柴 椿
ただ、人よりちょっとだけ
霊感が強いだけだ
流花
流花
それでも、いいんです
流花
流花
ただ、そんな気がするだけですよ
椿をながめながら、ニコッと笑った流花。

その顔を見て、少し照れる椿。

案外、この絵馬荘えまそうも、悪くないと思った椿であった。

プリ小説オーディオドラマ