俺は、今学校の屋上で、昼飯を食べながら
空を静かに眺めていた・・・
ガチャ・・・誰かが、屋上のドアを
開けて、入って来た・・・
高月先輩は、屋上の床にドカッと
腰を下ろして、昼寝を始めた。
本当に、この人は、自由だな・・・・
俺は、ばあばの作った弁当を、食べる。
余計な事を、言ってしまい
イラつく、高月先輩、恐い・・・
高月先輩が、ゴロンと俺の方を向く
以外にも、くいついてきた・・・
こんなに長く、不良の高月先輩と
話せる日が来るなんて・・・・
しかも、先輩は、ちゃんと俺の話を
聞いてくれている。
ギロリと、俺をにらむ高月先輩、
そして、胸ぐらをグイッと掴む。
俺は、先輩を、バシッと突き放した。
俺は、少し眉をひそめた。
何言ってんだよ、俺・・・
高月先輩は、チラリと俺を見て
視線を外すと、静かに話しだした。
高月先輩は、「なるべく、俺に近づくな」と
言って、屋上から去っていった。
その言葉が、俺の心に深くささり
こんだ。
チャイムが鳴り、昼休みが終った。
その日の授業は、少しも集中できなかった。
そして、頭から、高月先輩の言葉が、はなれる
ことは、なかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!