第18話

走って走って激突 「椿編」
31
2020/05/19 02:45
羽柴 椿
羽柴 椿
ただいま〜
俺が、絵馬荘えまそうの、扉を開け
靴を脱いでいると、騒がしい叫び声が

聞こえてきた・・・
流花
流花
イヤアアアアアア!!来ないでください
羽柴 椿
羽柴 椿
流花りゅうか
流花
流花
あっちに行ってください!!!
流花の足音が、ドンドンこちらに
近づいて来る!!
流花
流花
あっ!!椿つばきさん!!
逃げてください
羽柴 椿
羽柴 椿
えっ、何で?
流花の後ろに、猛スピードで、
向かって来る金髪の男がいた・・・
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
逃すかああああ!!幽霊!!
ドカッ!!
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
はうっ
ドシャッと、俺にぶつかり、倒れる
金髪男・・・誰だ?こいつ
羽柴 椿
羽柴 椿
お前、誰だよ?
流花は、俺の後ろに隠れながら
怯えている。
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
なぜ、お前に言わなくちゃ
いけないんだ?
羽柴 椿
羽柴 椿
ここ、俺の家。かってに人の家に
上がり込んで、でかい態度
とるなよな・・・
俺は、ハアッとため息をついた。
ここら辺にいるやつは、幽霊とか魔女
とか・・・おかしな奴らばかりだな
流花
流花
えっと、この人・・・エクレア
じゃなくて、エクシストらしいんです
流花が、俺のYシャツの裾を、ひっぱり
ながら、そう言った。
羽柴 椿
羽柴 椿
エクシスト?除霊とかする
奴らのことか?
金髪男は、立ち上がると、ニヤリと
笑った。
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
いかにも、僕は、全ての幽霊、悪霊を
倒す専門家!エクシストのかぎ 秀太郎しゅうたろうとは、僕のことだ!!
そう言ったかぎとかいう、エクシストは
ポケットから、なにかを取り出した。
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
これは、僕の作った、お手製の
聖水!!かければ、たちまち
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
幽霊だろうと、あやかしだろうと
一瞬で成仏する最強の聖水だ!
羽柴 椿
羽柴 椿
そんなもので、流花を成仏させようと
してたのか?
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
フフフ・・・その通りだ
なんなんだ?コイツ・・・
頭が、ちょいとアレっつうか・・

軽めのアホなのかもしれないと
俺は、思った。
流花
流花
私は、まだ成仏なんかしたくないんです!!
そう言うと、流花は、かぎ
横を、タタタと、走り去って行った。
羽柴 椿
羽柴 椿
流花・・・
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
逃すかよ!!
羽柴 椿
羽柴 椿
おい!お前、いいかげんに
しろよな!?
俺の言葉かけにも、無視してエクシストの
野郎は、流花の方へ追いかけて行った。
羽柴 椿
羽柴 椿
待てよ!!
逃げる流花、流花を追うエクシスト
エクシストを追う俺・・・

まったく、騒がしいのは、1人で
十分なのに・・・
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
ハハハ!ついに追い詰めたぞ!!
流花
流花
ヒイッ!
流花の方に、少しずつ近く
鍵・・・しかし、その先は・・・
羽柴 椿
羽柴 椿
流花!けろ!
流花
流花
はいっ!
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
捕まえた!!!
鍵が、流花を掴みかかろうと突進とっしん
した先は、露天風呂だった!!!
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
えっ!
ザパアアアアーーーーン
派手に、水しぶきをあげ、鍵は
露天風呂の中に落っこちた。

ここに、住んでるわけじゃないので
部屋の作りまでは、把握はあくできて

なかったわけか・・・
本当にアホな奴
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
ブクブクブク
流花
流花
あの・・・椿さん、鍵さんが
足を滑らせて、お湯に落ちたので
助けてあげてください!
流花
流花
おでこも、怪我してます!!岩にぶつけたのかもしれません!!
羽柴 椿
羽柴 椿
でも、アイツの自業自得だ。
それに、流花を追いかけ回した奴なんて
羽柴 椿
羽柴 椿
俺は、助けたくないんだけど
俺は、フイッと、そっぽを向く。
流花
流花
お願いです、椿さん・・・
私じゃ、どうすることもできないから
流花
流花
椿さんだけが、頼りなんです
鍵さんを、助けてあげてください!!
羽柴 椿
羽柴 椿
流花・・・
そんなに見つめられて、頼まれると
「嫌だ」なんて言えねえじゃねえか・・・

くそっ!可愛いから許す!!
羽柴 椿
羽柴 椿
あ〜!!もう、仕方ねえな・・・
流花に言われたから、助けるだけだからな!!
羽柴 椿
羽柴 椿
俺、お前のこと許してねえからな
流花
流花
ありがとうございます、椿さん!
俺は、服を着たまま、湯の中に
ジャブジャブ入り、鍵を抱き上げる。
羽柴 椿
羽柴 椿
一応、ばあばに報告した方が、
いいよな?
羽柴 椿
羽柴 椿
しかも、コイツ・・・完全に
気を失ってるし
鍵 秀太郎
鍵 秀太郎
・・・
流花
流花
大丈夫でしょうか?
羽柴 椿
羽柴 椿
心配すんなって、すぐ、手当すれば
よくなるって
流花
流花
はいっ!
その後、ばあばに事情を説明し
今日は、コイツを、俺たちの部屋に

泊めることにした。
傷は、ばあばが包帯を巻いて一安心だ。

はやく、帰れよな、まったく
大変危険なエクシストが、絵馬荘に
泊まることになった。やれやれ・・・

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