僕はimo64。KUNさんの50人クラフトに参加している参加型キッズだ。僕には、たぶん好きなんじゃないかって人がいる。
その人の名前はkoutan。よく、こういもっていう謎のCPでファンアートでも一緒にかかれることが多い。まあ、僕はそんなCPは嫌いだ。
だから、僕はいつもkoutanに冷たい態度をとっていた。それでも、koutanは僕と一緒にいようとするのをやめなかった。どうして、どんなに冷たくしても嫌ってくれないのだろうか?
ある時、僕はkoutanに冷たく接するのだろうか?そんな疑問が頭をよぎった。だが、すぐに答えを導きだしてその疑問を頭の中で打ち払う。
きっと答えは…いや、男が男を好きだなんて馬鹿げている。多分、自分の中に昔からあるそんな固定概念が僕の心を邪魔しているから僕は知らないふりをしている。
それか、自分の本当の心をkoutanに見せてしまえばkoutanに嫌われてしまうから、と考えてしまったからかな?でも、koutanなら僕が本当の心を見せたって嫌わないであの無邪気な笑顔で話しかけてくれる気がする。
そんなある日、koutanが事故に遭った。どうやら、大型トラックに轢かれてしまったらしい。僕は、その知らせを聞いた瞬間、すぐに病院へと走った。
幸い、koutanとはリアルで少しだけ面識があったので名前も家も知っていた。そのつてをあたって、koutanが入院している病院を探したのだ。
「koutan!!」
koutanの病室を探して、僕は飛び込んだ。すると、中にいたのはkoutan…たくさんの管に繋がれて、まるで枯れかけの花見たいに無惨な姿になっているものだった。
ああ、どうしてkoutanがこんな目に会わないといけないのだろう?もしも、koutanじゃなくて僕が轢かれていたら良かったのにな。
それから、僕は毎日koutanの病室に通った。毎回来るから看護師さんにはかなり怪しまれたけど。
毎回病室に入る前にkoutanが目をさましているのではないか、もう一度あの笑顔を見せてくれるのではないか、淡い期待を寄せながら。
けれど、彼が目覚めることはなかった。僕が何日も何日も通ったって彼は目覚めない。
神様、お願いします。僕がいなくなっても…僕が死んでしまっても良いです。代わりにkoutanを目覚めさせてください。
どんなに神様にお願いしてもその願いは叶うことはない。だって、神様は所詮人間の作った幻想でしかなかったのだ。koutanは、僕が病室に通うようになってから一週間で息を引き取った。
(あーあ、koutan死んじゃった。あっけなかった。いつも僕の回りをうろうろして、あの笑顔で僕に色々な言葉をかけてくれたっけ…)
だめだ、涙がとまらない。何か別のことを考えて気をまぎらわせようとしてもあの笑顔が邪魔してくる。
一回、屋上にでもいって泣いてこよう。そして、すっきりした笑顔で彼にお別れをするんだ。
屋上にでると、僕の心とは全く反対である清々しいほどに晴れ渡った空があった。そんな空を見ているうちに僕は、ポツンポツンと言葉を落としていった。
「もう一度、君の声が聞きたい
「なあkoutan、君に一つ伝えたいことがあるんだ
「僕は冗談抜きで君のことを愛していた
「いままで冷たい態度をとっていたのはきっと怖かったから
「愛してるって、大好きだって、こんな言葉を口にしたら君は僕から離れてしまう気がして
「けれど、いまならはっきりと口にしていうことができる
「君のことが、大好きだ
生きているうちにこと一言が言えたらどんなによかっただろうか。けれど、死んだ命はもう元に戻らない。枯れた花はもう咲かない。だから、どんなに悔やんだところで僕の気持ちは伝わらない。
いっそのことこのまま飛び降りて、君のところへ行きたい。そうだ、そうすれば良いじゃないか?koutanの後を追って一緒に死ねば良い。KUNさんや他のみんなには申し訳ないけれども。
屋上から身を投げようとしたその時、一筋の声が聞こえた。この声は、きっと…
「imo64くん、先に天国へといってしまってごめんね。ちゃんと、君を待っているからあと六十四年後くらいぼくのところにおいでよ。いつまでもいつまでも君を待っているから。たくさんのお土産話、聞かせてね。それじゃあバイバイ」
僕の目から涙が溢れた。そうだ、この声は…きっとkoutanの声だ。僕が一番大好きなあの人の声。そうだよ、僕が死ぬことをきっと君は望んでいない。
多分、君は僕に生きていて欲しいんだろ?だから僕は、精一杯生きてやる。君の分まで。だから待っていろよkoutan。たくさんのお土産話を持っていってやるから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。