第2話

二部 どんな君でも
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2020/11/21 16:09


 僕の名前はこうたん。KUNさんの50人クラフトに参加している参加型キッズだ。

 僕には、大好きな人がいる。その人の名前はいもむし。いもむしはいっつも僕に冷たいけれど昔、友達が居なかった僕に優しく接してくれたとても良い子なんだ。

 だから、僕はいもむしが大好きだった。その気持ちはたぶんもう変わることはないと思う。

 そんなある日、僕はトラックにひかれて事故に遭った。ひかれそうになっていた猫を助けて、代わりに僕がひかれちゃったんだ。そのまま僕は、何日も意識を失っていたらしい。

 そんなある日、ようやく目覚めることができた。近くにはいもむしがいる。

「いもむし、来てくれていたんだね!」

 そういって、いもむしの方へ走って抱きつこうとした。だが、僕は…〝体が透けて〟いた。そのままいもむしを通りすぎてしまう。

 あれ?、なんでだろう?ベッドの上に僕の体がある。どうしていもむしは泣いているの?どうして、僕のそばを離れていってしまうの?まってよ。

 どうやら、いもむしは屋上へと向かっているらしい。

 そして僕はある事実に気がついた。僕は死んでしまったんだ。きっと、ここにいられる時間は僅かしかない。これは、神様が僕に与えてくれた最後の時間なんだ。

「僕の声、聞こえてる?

「ねえいもむし、君に伝えたいこと、あるんだ

「僕はずっと君のことが好きだったよ

「いままで冷たい態度をとられていても好きだった

「けれど一方通行じゃなくて大好きだって、愛してるって、一回でも良いからいもむし君から聞いてみたかったな

「けれど、どんな君でも僕はずっと…

「僕は、君を愛してる

 ひとりでにそう呟いて空虚な闇に吸い込まれていく僕の声。きっといもむし君には届いていないかもしれないけれど、死んでしまったんだ僕はこの世界で確かに呟いた。

「いもむしくん、先に天国へといってしまってごめんね。ちゃんと、君を待っているからあと六十四年後くらいぼくのところにおいでよ。いつまでもいつまでも君を待っているから。たくさんのお土産話、聞かせてね。それじゃあバイバイ」

 心なしか、いもむしくんの瞳孔が揺れた気がした。もしかして僕の声が届いてくれたのかな?それだったら良いな…

 あ、そろそろ時間みたいだ。僕の魂がどこかへ導かれていくのを感じた。バイバイ、この世界。バイバイ、いもむしくん。また、六十四年後に会いましょう

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