高校を卒業して6年が経った。
私は専門学校に通って保育士になり、働き始めて4年。
賢二郎くんは今年やっと大学を卒業する。
私が働き始めてから始めた同棲。
毎日勉強漬けの姿を見ていたから、私が泣きそう。
サプライズで行くから、賢二郎くんが家を出てから私は準備を始めた。
卒業式が終わるであろう時間を狙って大学まで行き、賢二郎くんを探す。
人多いな、なんて思いながらキョロキョロ探していると、見つけた。
友達と楽しそうに笑っている賢二郎くん。
苦楽を共にした男友達も、女友達も。
距離に少しチクッとするけど、私とは分からないことを友達と共有している姿を見て話しかけない方がいいかな、と遠慮してしまう。
あまりにも見すぎたのか、賢二郎くんが急にこちらを見た。
私を見て、目を見開いている。
私が突っ立っていると、足早に近づいきた。
私は持っていた青いバラの花束を渡す。
未だに私がいる状況を飲み込めないのか、私を見ながら花束を受け取る賢二郎くん。
1歩引き下がる私に1歩近づく賢二郎くん。
私の手首を掴んで離してくれない。
一応正装で来といてよかった、と思いながら賢二郎くんの友達に写真を撮ってもらった。
友達「お前、彼女可愛すぎだろ」友達「会えてラッキー」友達「白布、お前彼女のこと溺愛してんだな、安心したわ」
賢二郎くんが友達と話している間、端っこで待っていると、さっき話していた女友達さんが近づいてきた。
しーって人差し指を口に当てた女友達さんは賢二郎くんがこちらに来ているのを確認して逃げていった。
賢二郎くんは怪訝な顔で私を見つめる。
少し曖昧な返事の賢二郎くんに疑問を抱きながら私達は大学を後にした。
青いバラ(10本の)花束意味▷▶▷あなたは完璧な人です













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。