第40話

Vol.6
7
2019/07/18 01:14
慎ちゃんに愛想のよい女性逹。 
「いらっしゃいませ松山さん。ワインはどうなさいます」
特別ゲストにはLOUIS VUITTON特性のワインを勧めるんだって。
「今日はいい。この婦警さんに、そうだなワンピをセレクトしてくれないか。足下全てを君に委せるよ」
「婦警だなんて冗談を」
やっぱり見えないんだ。けど、何だろう羨望の視線を感じる。でも嬉しい。けど彰子って余程子供っぽく見えるのかな…。 この季節に映えるワンピにパンプス、
「ククク、いい女だよ彰子」
「テヘへ」
彰子って本当はいい女なんだよね。そんな彰子を気に留めず
「どうだ彼女、この店の商品ごと君を買い占めようか」
とバカなことを言っている。
「まさか松山さん」
と満足そうに応える彼女。けど確かに美人だわ。でも大丈夫。慎ちゃんは出来上がった女には興味ないんだって。えっ、じゃ彰子は未完成だった訳?
「じゃ支払いはこれで」
「いつも思うですが、このカードは何処のカードなんですか」
「ククク。ゲームのアイテムに君がなれば判るだろう」
テヘへ、ざまあみろ。店員に見せつけるように、慎ちゃんの腕にしがみつくように店を出、C3に乗り込んだ。只このC3の難点はトランクとリクライングが出来ないこと。京都から着てきた衣類をLOUIS VUITTONの袋に入れ込み足下に置いた。それを確かめたように
「アメリカン・ドリームのよき時代を感じないか」
そう言いながら阪神高速に乗り入れた。
阪神高速道路。
阪神高速道路(はんしんこうそくどうろ、Hanshin Expressway)は、大阪市・神戸市および京都市とその周辺の地域に路線網を有する総延長273.0km(管理254.2km、新設18.8km)の有料の自動車専用道路。 一般に略して阪神高速または阪高、阪神と呼ばれる。 道路法上は大阪府道・兵庫県道、または大阪市・神戸市・京都市の市道である。正式には、「○○府(県・市)道高速△△□□線」などの路線名が付けられている。 地域高規格道路の計画路線に指定されている。

🎵チェッ チェッ チェッ
(Shoko&Sexy Crime)
# ダン×3 壊れていくよダン×3 自分の夢が
チェッ×3 それは何故かな
チェッ×3 邪心過ぎたから #

## ダン×3 道に迷える ダン×3 明日(あす)が見えない
チェッ×3 それは何故かな
チェッ×3 無謀過ぎたから ##

ドン×3 壊れていくよ
ドン×3 誰か巻き込み
チェッ×3 それは何故かな
チェッ×3 自分が見えてない

ドン×3 転がりゆくよ
ドン×3 息が切れゆく
チェッ×3 それは何故かな
チェッ×3 奢(おご)り過ぎたから

ダン×3 翳りゆくよ
ダン×3 何も残らず
チェッ×3 それは何故かな
チェッ×3 奪い過ぎたから

ドン×3 溺れてゆくよ
ドン×3 自分の罠に
チェッ×3 それは何故かな
チェッ×3 仕掛け過ぎたから

#~# Repeat
##~## Repeat

ダン×3 ダン×3
ドン×3 ドン×3
チェッ×3 チェッ×3

(Words: Wild Chan )

自分の歌をくちづさみ、流れる夕暮れる景色を見ていた。
今日は彰子のBirthday。キャンドルライトに包まれる2人が浮かんだ。
「綺麗」
神戸の夜景を見下ろしながら、彰子の唇から思わず洩れた言葉。この100万$の夜景を見下ろしながら、どれ程の恋人達が愛を語っているのだろう。
海側のスイートルームには特別の時間が与えられていた。
兵庫県神戸市灘区六甲山町南六甲1034 六甲山ホテル 今夜は余計なことは考えないでおこう。
「慎ちゃん、彰子はシンデレラ?」
「ククク。急に何を言い出すんだ?けど、そうだな、お前はシンデレラかもしれない」
「ありがとう…」
今更戻れないところまで来てしまったかもしれない。でも彰子は満足している。「行くか、彰子」
「うん」
「もうすぐだ」
前を走る車のテールランプがキャンドル・ライトのように揺れている。そっと慎ちゃんの右手に彰子の手を重ねた。凄く温かく感じる。

🎵 Drop of feelings(Shoko&Sexy Crime)

Drop of feelings
赦されじ我が記憶
今日まで握り締め
What I grieved and shared
自ら羽根を汚し
I escaped from a crime
愛に怯え震えて

I'm so sad
色褪せてゆく日々の過ちの繰返しに
I'm so sad
現実の感情に溺れ醜き魂は
想い出(かこ)に導き希望(あす)を拒む

Drop of feelings
悲しみは背負っても
与えるものではない
Thought full of the warmth
天使の羽根に変わり
The soul is saved
愛を与えることで

☆I'm so glad
喜び抱き日々の溢れる微笑みには
I'm so glad
現実の感情が輝き廻り合う魂
想い出(汚れ)遠ざけ希望(あす)を繋ぐ☆

☆~☆ Repeat

翻訳:温もり溢れる想い
魂は救われる
悲しみ分け与えたことは 罪から逃れていた

( Words: Wild Chan )

自分を閉ざしたままでは誰も愛してくれない。 汚れ… 先ず自分に償え!!それが自分を愛することだ。
今も忘れられない慎ちゃんが彰子に言った言葉が握りしめた手から伝わる。
何故慎ちゃんがヤクザをしているのか薄々彰子は判りかけてきたんだ。
人は誰かしらに運命を翻弄され生きている。それを甘んじるか、それとも逆らうか…、そこに人間の性が表れるという。そう、欲望の本質が……
「あの店だ」
ツリーのように電飾で飾られた『steakhouse雅』の木の看板が浮かんでいた。
C3をパーキングに停めドアを開けた。少し肌寒さを感じるけれど、彰子には心地よい。
カランコロン――。ドアを開けると鈴が鳴り教会のように感じた。
「 Come; Matsuyama. I waited.(いらっしゃいませ、松山さん。お待ちしていました)」
「Thank you very much for your advice. Monica(ありがとう。モニカ)」
ハーフだろうか、可愛い。
「クク、ママの娘さんだ彰子」
「Good evening」
ダメだ。慎ちゃんに気持ちを読まれている。彰子ってヤキモチ屋さんかも知れないなぁ、テヘへ。
店内には数組のカップル、中には外人の親子が食事をしているんだ。凄く微笑ましく映るのは、やはり彰子の憧れかもしれない。
「いらっしゃい、松山さん」
案内された席は既に予約されていたのか、キャンドル・ライトが灯され彰子達を迎えた。窓から一望できる神戸の夜景はまるで宝石を散らばしたように輝いていた。
「ママ、ご無沙汰してます」
「ウフ、今夜のお連れが可愛いお嬢さんなんて珍しい」
「あ、彰子です」
キャハ、可愛いお嬢さんなんだ彰子は。ペコリと頭を下げ挨拶をする。
「彰子さんGood evening。こちらは娘のモニカ。ということはウフフ、モニカのライバルかな。モニカも松山さんのファンなの」
「もう、ママ。Nice to meet you、モニカです」
ヤバ。恐らくまだ学生なんだろうけど、う~ん、慎ちゃんとも親しんでいる感じがするんだよ。だってさ、彰子達を迎えた時の彼女の瞳に嬉々とした色が浮かんでいたことを彰子はしっかり認めたんだから。それに彼女の薬指に飾られた、学生には贅沢過ぎるリングに輝くブラックダイヤモンドを包むような小粒のブルーダイヤモンド、きっと慎ちゃんからだ。
マリストブラザースインターナショナルスクール
兵庫県神戸市須磨区関守町1-2-1
TEL: 078-732-6266 FAX:078-732-6268
E-mail:enquiries@marist.ac.jp
に通うモニカは17歳。
「へぇ~、モニカちゃんって高校生なんだ」
「ウフ。お姉様と同じぐらいに見えました?それよりも慎悟さん、今夜のワインは」
何々、慎悟さん?奴はヤクザなんだよ。それも只のヤクザじゃない。
「ククク。モニカちゃん、今夜は彰子のBirthdayなんだ。ポマールペズロル1996yearがあるかい」
「あります」
そう答えると、モニカは場を離れた。でも彰子、何だかモニカを食べたい気分。だって可愛いもん。キャハ。
「そう言えば松山さん、ケーキが届いていますわ。それと…」
「ククク、一切会計を受け取るなでしょ」
全てが計算されたようなシチュエーション、笑みを残してママも奥に赴いたんだ。
「彰子、祝いだ」
上着の内ポッケトからリボンで飾られた小箱を、慎ちゃんが彰子に渡してくれた。
「キャハ、慎ちゃん開けていい?」
微笑ましく頷き、彰子は慎ちゃんに応えるように、そっとリボンを解き包装紙を開いた。ドキドキしてる。紫色のケースを開いた時、彰子、ブワッと涙が溢れてしまった。だって、本当に嬉しすぎて「………」言葉が見つからない。
「何時だったか、黄色の薔薇が好きだと言っていただろ」
「慎ちゃん…、ありがとう。ずっと填めておく」
薔薇の花をモチーフに大粒のブルーダイヤモンドを中心に花びらをイエローダイヤモンドに見立てたペンダントがキャンドルライトに輝いていたんだよ。

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