無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第11話

回想 偽装結婚
ワシはどうしても守田からカネを取りたかった。守田自身も、自分が起こした事故による呵責からか、何でもすると言う。その守田が誰から訊いたのか、偽装結婚はカネになるのかをワシに訊ねるてきたんや。 
「河村さん、偽装結婚って幾らぐらいカネが入るんやろか?」
「アホか。何でワシが知ってることあるんや」
ま、ワシに訊ねるくらいやから可なり追い詰めらていると思うわ。守田を責めているのは、ワシだけやない。
運送屋というものは特に事故を嫌うものなんや。守田が起こした事故は携帯電話を操作中に依る単独事故なんで、親方は保険なんか使わさん。故にや自己負担になる。本人にケガがなかったからトラックの修理弁償は当然親方は事故した守田に請求を押し付けるわな。ところが、守田は会社を辞めてしまったんや。そのトバッチリがワシ等にきたのや。
「河村さん、松山さんなら知ってるのと違うんかな」
「お前ホンマにするんか?」
正直言ってワシは松山に
そんな話をすることに気が引けたのやが…ワシは守田に押されるように松山に教えられた携帯電話にかけることにしたんや。09023×××―――
「よう河村、この前は済まなかったな」
「いや松山さん、ワシの方こそ不細工な話で悪かったと思ていますねん。ところで今電話よろしいやろか…」
気分を害していなそうなんでワシは守田の意向を伝えたんや。
守田は柔道をしている割りには気が小さいのか、就職に於ける失敗が多く、中々定職に就くことが出来なんだ。運送の仕事も初めてなんやが、ワシの口利きで雇われたものの、話した通りなんや。
「クク。守田君はそこまで追い込まれている訳か?一応あたってみるから連絡を待っててくれ」
そういうことで電話が切れたんや。人間という者は、ホンマに切羽詰まると悪い方向に頭を働かせるものなんやとワシは守田の顔を見て思ったわ。
深夜の走行ほど寂しく感じるものや。ワシの場合は長距離専門やから旅烏みたいなものやな。今日は茨木県で積み荷を降ろし、次は埼玉県で荷を積み込んでは兵庫県。関西エリアに入ればワシは家に帰ることにしているのやが、ワシの勤めている会社は4t車やから給料なんか重労働の割りにはたかが知れたものや。
そんな深夜の走行中に携帯電話が鳴り響いた。松山と名前が浮かんでいる。
「河村です」
「夜中に悪いな。今話は出来るか?」
何処かで飲んでるのやろか、電話向こうに華やかな女の歓声が聴こえる。そう言えば長い間オメコしとらんなぁ…一瞬女の肌が恋しく感じた。
「ほんの少しだけBe quiet a littleククク。済まないなうるさくてクク。ところで河村、この前の話なんだが明日会えるか?

「午後2時頃に1度帰れますよって、3時には松山さんの事務所に行けますわ」
「判った。話を訊きたいとのことだよ。守田君だったよな。彼も一緒ににな」
何故やろかワシの顔はほころび笑んでいた。巧くいけば守田からカネを回収出来る。そのカネで久し振りに女買いに行こ。そう思った時、ワシのペニスが膨らみ始めた。仮眠前にAVでも観ながら抜くか?深夜の車内は夢想にまみれる時もあれば女と戯れる場でもあるんや。
「クク。河村、御殿場に寄ることがあれば窓にタオルを吊るすんだ。そしてクク、俺の名前を出せばいい。その代わり『横須賀海軍カレー』を買って来て欲しい」
以前聞かされ会話を思い出した。
何時だったかワシは興味本位で御殿場サービスエリアに立ち寄り、松山の言葉通り助手席側の車窓に挟むようにタオルを吊るしていた。 
そう言えば何台かのトラックの車窓にワシと同じようにタオルを吊るしているのが窺える。はて、何やろか…
すると10分ぐらいやったやろか、ドアのノック音がするや助手席側のドアが開き1人の女が乗り込んできたのや。
「誰からの紹介?」
イイ女やった。年の頃は25ぐらいやろか、茶髪に少し濃い目の化粧がハーフっぽくさえ見える。
「N県の松山さんの紹介やが」
「河村さんね。ナンバープレートで判ったわ」
そう言うとドアロックをするや、ワシのペニスをまさぐりだしたんや。その女は手慣れたようにベルトを外しワシのさらけ出したペニスを薬用塗れティッシュで入念に拭いサックを被せるとワシのペニスをくわえた。
「うう…」
5分ぐらいの尺八(フェラ)に溜まっていたワシの精液がペニスから吐き出していた。
「ウフフ残念ね。本番までしてあげようとしたのに」
慣れたたものや。素早い処理にワシは何も言えんかったが満足やった。
「イイ河村さん!?あなたはサービスしてあげる。その代わり松山の名前は出さない。そしてコレ」
と手渡されたピンク色の名刺には『ちぇりーpink』と記され携帯番号が並び記載されているだけだった。
「次は電話頂戴。そうだ1度電話してくれる?但し非通知はダメだから」
ワシは女の言う通りに電話をする。
「ちぇりーpinkです。プレートナンバーを」
ワシは言われるままに答えたんや。
「ありがとうございます」
男は丁重に答え電話を切った。
「イイ河村さん。お友達を紹介して欲しいの。数台のタオルを吊るしたトラックに気付いたかしら。あなたと同じ招待客なの」
そう言い終わるとワシの携帯にSメールが届いた。開くと
『ありがとうございます。ちぇりーpinkです』「!?」ワシが驚いたのは、何とワシの免許証同様の個人情報の文字が並んでいたんや。
「ということ。それじゃ河村さん、お友達宜しく」
そういうと『ニッ』と笑い出て行ったのや。
その後ワシは何人かのトラック仲間を紹介している。当然ワシの紹介ということで。
某日日曜AM9:40、松山事務所。
ワシと守田は約束の時間より20分早くに訪れていた。
「松山さん、御殿場では有り難うございます」
「クククク。何のことかな?」
ワシはそれ以上何も言わなかった。笑っているが
目が「忘れたのか」と射し込んでいたからである。成る程、そう意味なんや。しかしや普通はイイ想いをさせて貰えば、礼の1つは言うものであるが、松山は自分が話かけた以外のことは言わせなかったんや。
AM9:50、モニターに1人の男が浮かんだ。
「待っててくれ」
そう言い松山はリモコンで玄関ロックを解錠すると玄関に歩を進めたんや。
「よう楊さん。忙しいのにわざわざ済まない。クク楊是不是好!是不会長用名字招呼!(ヤン シ- ブ- シ- ハオ!シ- ブ- ホイ ジャン ヨン ミン ズ ジャオ フ-!いいか楊!会長でなく名前で呼べ!)」
「いえ松山さん」
そして2人がワシ等がいる応接室に戻ってきた。当然ワシ等は立ち待っていたのは言うまでもない。
「楊さん、この2人だよ。俺は別室にいるから、クククク宜しく頼むよ。河村、俺は席を外すから話をよく聞いておくことだな」
そう言い煙草とライターを手に松山は席を離れたんや。
「楊さん、忙しい中、えろうすみませんなぁ。ワシ、河村て言い、コイツが守田ですねん」
楊は中国人だが帰化しているらしく、流暢な日本語を話す。成る程、松山は中国語を話せるのか。互いの挨拶を終えたワシ等に楊は国際結婚の進め方を説明しだした。偽装結婚という言葉を使わず、あくまで『国際結婚』としてである。楊の説明によれば、こういうことだ。
先ず入会金を支払う。一応『日中国際結婚賛助協会』にしておくわ。
入会手続きに於いては、身分証明書・職業(在職証明書・給与明細書)・預金通帳の有無。何故通帳の確認を有するのかは、預金残高云々よりも公共料金の支払いを確認する為であるのや。そしてパスポートの取得を要する。次に希望女性の年齢。
「当然女性側にも希望があります」
楊は言い足し、次なる説明を続けた。日本男性側の希望に適応する女性をリストアップし、写真閲覧となる。所謂、中国女性の履歴書となる。
「河村さん、守田さん、ここまで説明判りますね」
「判りま」とワシ。
「判りました」と頷く守田。すると楊はバッグから履歴ファイルを取り出し、ワシに手渡したんや。本来は守田が偽装結婚を希望していたのやが、興味を抱いたワシはファイルを見開いた。
「ほう。楊さん、こんな綺麗な女も居てるのでっか?」
そのワシの言葉により、横に座る守田がファイルに顔を覗かせたのや。
「ホンマや。若い子もいてますんやね」
楊は朗らかに笑っていた。