第30話

Vol.2
17
2019/06/15 06:24
「彰子、お前が気になる傷痕、クククそれが原因さ」
慎ちゃんが言うには、屋敷の主、つまり慎ちゃんを育てた人が異変に気づいたんだ。生命の尊さを知らしめる為に慎ちゃんを上半身裸にし、その背に暖炉の薪を混ぜ返す鉄の引っ掻き棒を押し当てたという。酷すぎる…
「ウギャァ!!熱い熱い、痛いよう」
泣き騒ぐ慎ちゃんに、その主が言うには
「慎吾、太郎はもっとくるしんだ筈や。お前は生ある物を何と心得ているのや」
「うう…。お、俺は悪くない。餌をやろうとした、俺の…俺の手を噛みついたからや」
「それでも殺す必要があるのか。太郎も家族と同じなんや。少しは反省せい!!やっぱりあの女の血やな」
「うう…。俺は…俺は知っている。だから…、あなたは俺が憎い…。俺は…絶対わ…忘れない」
人間は果たして何に憑りつかれるかを知っているかと慎ちゃんは私に尋ねたことがある。
「権力かな…」
「確かにな。しかしククク、もっと厄介なものは流れているものなんだ。判るな彰子。そして人は群がり繋がろうと憑りつかれる。ククク」
自分に背負わされた宿命に殆どの者は意識的に投げ捨てようとしている。そして未来は人に寄り掛かり築かれていくと慎ちゃんの言葉。
「それで慎ちゃん、その人は…」
「ククク。あの人の目に驚愕と冷酷さが宿った。そして俺には、ククク増悪が宿ったよ」
蜃気楼が揺らめくように陽光の中でタバコの紫煙が揺れていた。時折雀が鳴く。その鳴き声に共鳴するかのように慎ちゃんは言葉を繋いだ。あれは神だったかなぁ――― と言い溢し
「反省しろと言われても、ガキの俺には判らない。只手を合わし太郎に謝った。すると雲の狭間から陽が俺に射し込んだ。何だか判らないが、そうだな…、自分の行く末を太郎が導き出したと感じたんだ。神か…。しかしククク彰子、生命の尊さを諭すあの人達がこの俺を数回殺そうとしたんだ。うん?その人か。クク、ククク」
恐らくその人は死んだのかもしれない。慎ちゃんは居を転々としたという。「まさか…」そう思った時再び悪寒が私を包んだ。
ククク。人間とはよく判らないものだよ―――、そう締め括ると「クス」と小さく笑った。彰子はね、その少年じみた笑顔が好きなんだ。でも慎ちゃんは何を躊躇っているのだろう…、恐らく慎ちゃんの周りでは、欲望の坩堝の中で血が流れているに違いない。孤独… そうなんだ、慎ちゃんは孤独かもしれない。けど慎ちゃん、貴方には私がいることを忘れてほしくない。
降り注ぐ陽光に照らされ浮かぶ十字架。痛ましい程の傷痕が神秘的に映るのは何故かな…。ふと見上げた天窓に「あっ!?」この時私は神に触れた気がしたんだ。
「彼を救い清め給え――」
そして神に操られるようにその物を手にした時、きっと私は慎ちゃんと一つになれると感じたんだ。すると、何だか夢遊病者のように美しき背中の傷痕に鞭を降り下ろしていた。
ピシリッ!!
背中に浮かぶ赤い線状、慎ちゃんの躰から穢れが排出されるかのように映る。
ピシリッ!!
ピシリッ!!
何度目だろうか、鞭を降り下ろす私に神は一つの悦びをご褒美として与えてくれた。
「お前なぁ、ククク、職務規範違反にならないか」
彰子だけに見せる屈託なく浮かべる笑みは、正しく少年そのもの。
2度目の懺悔が行われた時に「キャキャ」恥ずかしいけれど、実はね彰子は慎ちゃんに抱かれたんだ。ううん、彼から求めたのじゃない。
「クク、いいのか彰子。地獄にさ迷うかもしれないんだぜ。もし、躊躇するのならククク、今なら引き返せる」
4月の春風が太陽の光沢を運んでくれるような季節の中で私から求め、彰子自身も堕天使として慎ちゃんの傷を受け止めようと決めたんだ。
彰子はバージンだった。何故かと言えば父親から言われていたんだ。
「自分の運命に宿命を感じるまでは、無闇に躰を開くものじゃない」
漸くそれが判る気がしたんだ。
ある夜、私は拉致られかけたことがある。その理由は偶然に覗いてしまった世界に引き込まれてしまったからかもしれない。その時に私は慎ちゃんに助けられたんだ。
「ククク。俺の女に手を出す?内調か、公安か?ルールをククク、破れば崩壊だぜ」
●内閣情報調査室
内閣情報調査室(ないかくじょうほうちょうさしつ、Cabinet Intelligence and Research Office)は、内閣官房の内部組織の一つ。情報機関。略称は内調(ないちょう)、CIRO(サイロ)。正式名称は内閣官房内閣情報調査室。
内閣に属する情報機関である。一部から「日本版CIA」等と呼ばれる事もあるが、実態は要員が170人ほどの小ぶりな組織である。本部は内閣府庁舎にある。
内調は日本の「国家情報機関」としての役割、つまり日本の情報機関の代表、元締めとしての役割を持ち、内調トップの内閣情報官は内外の特異情報についての分析を首相に直接報告している。この定例報告は週1回、各20~30分程度行われるのが原則であるが、事情がある場合はそれ以外にも面会している。また、内調はCIAなどの海外情報機関の公式なカウンターパートとなっており、友好国機関からの情報を政府に伝える役割も持つ。そのほか、合同情報会議といった政府の情報に関わる会議の事務手続きも内調が行っている。
内調には内調生え抜きの職員をはじめとして様々な省庁からの出向者が働いているが、トップの内閣情報官をはじめ、幹部のほとんど(次長のみ外務省から出向)は警察庁から出向している。このため、霞が関では警察庁の出先機関と捉えられており、省庁から情報が集まらない一因ともなっている。
軍事研究2006年9月号別冊 ワールドインテリジェンスvol2 日本の対外情報機関 p.26
軍事研究2006年9月号別冊 ワールドインテリジェンスvol2 日本の対外情報機関
内閣情報調査室のルーツは総理府に設けられた内閣総理大臣官房調査室である。調査室設置の背景には「治安関係者だけでなく、各省各機関バラバラと言ってよい内外の情報を一つにまとめて、これを分析、整理する連絡機関事務機関を内閣に置くべきだ」という吉田茂の意向があり、その意向を受けて戦前に朝日新聞社副社長や情報局総裁を務めた緒方竹虎副総理と、元内務官僚で国家地方警察本部警備課長の村井順を中心に日本版CIA構想の先駆けとして創設された。
吉田はこの調査室を土台として、組織の拡張または別組織の立ち上げを行うことで日本のインテリジェンス機能を強化しようと考えており、関係各省庁も国警の村井順が「内閣情報室設置運用要綱」を、外務省が「内閣情報局設置計画書」を、法務省特別審査局が「破壊活動の実態を国民に周知させる方法等について」をそれぞれ提出するなど、情報機関設置に関して警察・外務・法務各省庁がそれぞれ案を提出した。最終的には村井の案が通り、調査員は各省庁から出向させることになった。こうして1952年(昭和27年)4月9日に総理府内部部局組織規程(総理府令)の一部改正により、内閣総理大臣官房調査室が新設される。
しかし、この後調査室が大規模な「中央情報機関」となる事はなかった。その原因の1つは当時の世論である。緒方は内調を「世界中の情報を全てキャッチできるセンターにする」という構想を持っていたが、これに対して読売新聞を中心とする全国三紙が「内調の新設は戦前の(マスコミの統制やプロパガンダを担った)内閣情報局の復活である」として反対運動を展開した。これにより内閣情報局創設構想は後退を余儀なくされる。もう一つは内務官僚と外務官僚の縄張り争いであった。インテリジェンスに理解のあった緒方が1956年に死去したことも大きかった。
1957年(昭和32年)8月1日には内閣法(法律)の一部改正、内閣官房組織令(政令)の施行及び総理府本府組織令(政令)の一部改正により、内閣総理大臣官房調査室が廃されるとともに、内閣官房の組織として内閣調査室が設置された。
●内閣衛星情報センター
英称:Cabinet Satellite Intelligence Center(略称CSICE)。「中央センター」、「情報分析センター」とも呼ばれる。日本国の安全の確保、大規模災害への対応その他の内閣の重要政策に関する画像情報の収集を目的とする情報収集衛星の運用、情報収集衛星により得られる画像情報の分析その他の調査に関する事項及び情報収集衛星以外の人工衛星の利用その他の手段により得られる画像情報の収集及び分析その他の調査に関する事項を担当する組織。東京都新宿区市谷本村町に所在している。定数は219名(2011年7月現在)。
1999年に設けられた情報収集衛星導入準備室が発展し、2001年に設置された。情報収集衛星は2013年1月までに光学衛星が4機、光学実証衛星が2機、レーダ衛星が4機打ち上げられた。運用は光学衛星とレーダー衛星の2組4機で行う。また、日本スペースイメージング株式会社からイコノス、デジタルグローブ社からクイックバードとワールドビュー1の画像を買い取り分析しているという。
また、内閣衛星情報センターではアメリカの衛星情報も扱うためか厳重な情報保全体制がとられており、例えばセンター内にはプリンターが設置されていないほか、インターネットにつながる機器や記録媒体は一切持ち込む事が出来ない。また、情報持ち出しを防ぐためアメリカ国家地球空間情報局に倣って私物は「ビニルバケツ」という独自の容器に入れて管理する規則となっており、カバンは持ち込む事が出来ない。そのほか、衛星情報には各省庁共通の「衛星秘密」という情報保全基準が設けられており、情報保全体制が整っていることが確認されない限り機密情報にはアクセスできない仕組みになっている。
このような体制にもかかわらず、内調職員が在日ロシア大使館のコンスタンチン・べラノフ二等書記官らに情報を漏洩した事件(ベラノフ事件)では、内閣衛星情報センターの衛星画像が漏洩したことが分かっている。
組織編制
所長(将で退職した幹部自衛官が、内閣事務官として務める)
次長(警察庁から警視監が出向、官名は内閣事務官(内閣官房内閣審議官))
管理部(総務課、会計課、運用情報管理課)
分析部(管理課、主任分析官5人)
技術部(企画課、管制課、主任開発官3人)
総括開発官1人(警察庁技官の出向)
副センター(別称・北浦副センター:中央センターのバックアップ、撮影データのメイン受信局。茨城県行方市長野江)
北受信管制局(別称・苫小牧受信管制局:副センターの受信域外のカバー。北海道苫小牧市)
南受信管制局(別称・阿久根受信管制局:副センターの受信域外のカバー。鹿児島県阿久根市)
副センターなど施設の銘板に別称を使用している例もあるが、規則上・辞令上の正式な名称は左記のものである。
衆議院議員吉井英勝君提出大規模災害時における情報収集衛星の活用に関する質問に対する答弁書、2011年(平成23年)7月8日受領 答弁第286号

●情報調査委託団体
内閣官房から情報調査委託費が交付されている団体
※は補助金依存型公益法人(国から交付された補助金等が年間収入の3分の2以上を占める公益法人)
財団法人世界政経調査会 ※
社団法人国際情勢研究会 ※
社団法人国民出版協会 ※
社団法人内外情勢調査会
過去に情報調査委託費の交付が確認されている団体
アジア動態研究所
アジア問題研究会
海外事情調査所
社団法人共同通信社
株式会社共同通信社
国際経済調査会
国際問題研究会
株式会社時事通信社
ジャパン・オバシーズ・ニューズ・センター
東京出版研究会
社団法人東南アジア調査会(平成15年(2003年)度末に世界政経調査会と統合)
内外事情研究会
日本社会調査会
日本文化研究所
日本放送協会
社団法人民主主義研究会(平成15年(2003年)度末に国際情勢研究会と統合)
財団法人ラヂオプレス
内閣府本府等所管公益法人一覧
国会会議録検索システム
内閣 平成16年度省庁別財務書類

出典: Wikipedia 2013年4月12日 07:02 GMT 版より
●公安警察
公安警察(こうあんけいさつ)は、公共の安全と秩序を維持することを目的とする警察である。
公安警察という呼称はあくまでも俗称であり、正式には警備警察の一部門である。マスコミなどで警備公安警察とも呼ばれるのはこのためである。
警察庁警備局を頂点に、警視庁公安部・道府県警察本部警備部・所轄警察署警備課で組織されるピラミッド構造を持つ。首都である東京都を管轄する警視庁では特に「警視庁公安部」として独立しており、所属警察官約2000名を擁する。 各都道府県警、各警察署に在籍する担当職員も所属長をとばし警察庁または本部警備部よりの直接指示により行動することも多いと言われる。
主に極左暴力集団・右翼団体・日本共産党・外国諜報機関・国際テロリズムなどに対しての捜査・情報収集を行う。主に国家の治安・体制を脅かす事案、若しくはそういった事態につながる可能性がある事案に対応する。公安関係予算(地方警察職員の給与を含む)は国庫から支出される。
●概要
特別高等警察がGHQの「人権指令」により廃止される事になり、その経験・ノウハウを継承する後継組織として急きょ創設された。1950年前後には公職追放されていた旧特高警察官の多くが公安警察に復帰している。対外的には国際テロリズム組織、共産圏など外国諜報機関、対内的には、主に日本共産党、朝鮮総連、市民活動(反戦運動、労働運動など)、カルト(Alephや世界基督教統一神霊協会など)、右翼団体(主に行動右翼、2010年からは行動する保守が対象に含まれるようになった)、極左団体(革マル派、中核派、革労協など)を視察し、必要とあらば公権力を発動する。また、防諜の為に公安部内で同僚を相互監視したり、クーデター防止の為に自衛隊を監視しているとされる。
●公安警察と反体制勢力
公安警察の捜査の対象となっている団体の所属者を微罪逮捕したり、刑事・交通の管轄の事案に託けて、監視対象団体への家宅捜索などを行うことがある。逮捕された者には不起訴になるケースもあるが、公安警察の目的はむしろ逮捕を足がかりとした、事情聴取や押収資料からの情報収集・内情分析であるとされる(このような逮捕のあり方を別件逮捕という)。その一方で、団体の活動は結社の自由によって保障されているため、別件逮捕に頼らざるをえないという主張もある。

立川反戦ビラ配布事件に代表される広報チラシのポスティングに係る市民団体や日本共産党関係者への検挙事案。社会保険事務所の係長が休暇中に「しんぶん赤旗広報版」をポスティングしていたとして国家公務員法違反で逮捕された事件(通称「堀越事件」)が控訴審無罪の黒星(その後検察は上告するも棄却)を付け、一方で警察庁長官狙撃事件が未解決・公訴時効成立となったことを新聞各社が批判している。2012年12月には三鷹市で、2012年東京都知事選挙における革新側候補を応援する法定ビラを団地内で配布していた運動員が住居侵入の廉で逮捕されている。

北朝鮮による日本人拉致問題を根拠にした在日本朝鮮人総聯合会への捜索、車庫法違反(ディーゼル自動車の車庫飛ばし)を理由にした滋賀朝鮮初級学校への捜索。土台人疑惑の解明を目的に、税理士法違反を根拠容疑とした在日朝鮮新宿商工会・青年同盟への捜索など在日朝鮮人や朝鮮学校・民族機関への各種事案

大阪・「釜ヶ崎パトロールの会」関係者の逮捕拘束(世界陸上への天皇皇后来場に備えての“清掃”ではないかとも非難されている)

詐欺容疑での中核派活動家逮捕(詐欺罪は本来は刑事部捜査第二課の事案である)

捜査の段階で電話盗聴、盗撮を行う場合もあるとされ、人権侵害として訴えられる場合も多く、日本共産党幹部宅盗聴事件のように違法とされることもあった。1999年(平成11年)に通信傍受法が制定されるまではこの捜査方法の法的位置づけが曖昧だった。
日本共産党は、「公党たるわが党を監視する事自体が憲法違反であり、不当極まりない」と非難・批判している。

社会民主党は「盗聴法(通信傍受法と同義)は人権を侵害しているから必要ない」と非難・批判している。
在日本朝鮮人総聯合会は、「総連は在外公民団体に過ぎず、家宅捜索は民族差別に等しい弾圧である」と非難している。

資料 2010年 新聞社説(News for the People in Japan)

宇都宮健児氏支援のビラ配布が理由による逮捕に対する抗議会見 Independent Web Journal

日本共産党は2004年の綱領改訂で「革命政府を目指す」という部分を削除している。公安警察・公安調査庁は、同党が「敵の出方論」を公式に放棄していないことを根拠に、同党を監視・調査対象としている。

簡単に説明すればこうなんだよ。ところで、その時は彰子はね、慎ちゃんと初めて逢い決して彼女でも何でもない。
「ククク、どうした?俺はお前を知っているよ。で、奴等の中に憶えある顔がいたよ」
「えっ。あ、どうもありがとう。あの…名前は」
「クス。その内に嫌でも逢うだろう。そしてククク、基本を忘れるな」
そして慎ちゃんはタクシーを停めてくれたんだ。
「ルビー知っているな」
「あ、O町のエクセレントビルの」
「そう。其処まで彼女を運ぶ。そしてククク、裏口に同僚のタクシーを待機させておくんだ。これで足りるよな。ということだミニスカの彼女」
私を押し込み運転士に3万円を握らせ離れていった。
考えてみたんだけど、決して覗こうとした訳じゃない。パソコンをいじっている時に、偶然に繋がってしまった入口。信じられなかったけどね。そしてキャキャ、本当に繋がってしまったんだよ。

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