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第115話

Vol.3

「いやぁ若頭(かしら)驚きましたわ。最初は何処のチンピラやと思っとりましたんやが、あんなゴツイCardを出してからに。若い者から連絡が入り、サインした名前を知り若頭に連絡して正解でしたわ」
関西山神会本部にて同会本部長宮原組々長が若頭山道会柴田会長に話し込んでいた。
「それで本部長、彼から幾ら請求させたんだ?」
「1千万。ホンマは冗談のつもりでしたんやが、高々2時間でっせ。精々200万くらいでっしゃろ。若い者に1千万の要求をさせましたら、いやぁ驚きましたがな。只若頭」
「何だ?何かあったのか」

あの夜、女が一人の男を案内してきという。
ボックス席に案内した時
「ま…松山!?」
「お待ちしていましたよ村田さん。ククク、まぁお掛けになったらどうですか」
中途していたその男は腰に何かを突きつかれ渋々腰を降ろした。
「それで村田さん、何か収穫がありましたか」
「………」
「拿出一様的東西。充分混和擁擠那个東西(ナ- チュ- イ- ヤン ダ ドン シ。チョン フェン フン ホ- ヨン ジ- ナ- ガ ドン シ同じ物を出してくれ。例の物をたっぷり混ぜ込んでな)」
「何を伝えたんだ…」
傍にいたダンサーが席を立つと同時にその男は問いかけた。
「ククク、折角の機会ではありませんか。クククククク、アユちゃん此方が正真正銘の刑事さんだ」
「嘘やん、ホンマに~刑事なん?」
「………。松山、自分を嵌める気でいるのか知らないが、飲み代は自分で支払わせてもらう」

「成る程な、その後がこのスマホに入っていたものなのか」
「そうですわ若頭。只」
「只?」
「何でか誰もがこの夜の出来事に関しては誰も覚えてらんのですわ。このワシは現場に行っとりませんしやね。若頭のいう通り遊ばせておけと言われましたよってに」
「それでいい。この件は本部長の腹に納めておいてくれればいい。それと」
「何でっしゃろか…」
「本部長、一切警察との接触は禁じさせてくれ。こういう裏切りが我々が一番危惧していることでもあるし、政府では新たな法案を検討しているそうだ」
「それって、まさか 検察独自捜査の義務化と司法取引制度の導入や、通信傍受対象事件の拡大の法制化。それと密告。他人の犯罪の解明に協力した容疑者らと起訴見送りなどの司法取引導入の件でっか。やっぱり。若頭、徹底させま」
流石情報通の本部長である。親分が本部長に推した意味が頷ける。
それにしても、部屋住みの若い者達はよく頑張っている。親分が言っていた。
「柴田よ、我々もそうだが何故若い者達がこの世界に足を踏み入れたのか?原点を見つめ直す時期がきたということだな」
確かにそうであると言える。
窓に視線を向けると待機する若い者達の姿が過去の自身に重なった時、時代の変貌が窺える中で、世間の逆境に触れながらも人として守るべきものを確固してやらねばと思った。
「それにしても若頭、笑えまんな」

『痛っ』
『ええ子や、大人しいしてたらええねん』
裸にされた男が調教されるように亀甲縛りにされ吊し上げられていた。
あははは――――。
ギャハハハ―――――。
『さて、お兄さん始めるでぇ』
『な…何を?熱っ!!』
まるで秘密めいた儀式が始まったかのように、彼等の場所だけがスポットライトが照されていた。
『なぁ、どうやのん、気持ちええやろ』
『何故か…うん、気持ちがいい』
赤い蝋が鍛え上げたであろうその男の肌に滴り落ちる度に、その男は悶絶に顔を歪めていた。
『何しにこのミナミに来たん?うち知ってるねんで。自分はN県警の村田やろ?』
『そ…それよりも、ペニスが…』
『判ってるって。もうすぐイカしてあげるさかい言ってみ』
『あう…。うん、自分は村田というN県警の刑事や。ううっ、何でこんなに気持ちがいいのやろか』
『気持ちがええやろ。西岡のオッチャンも言っていたわ。それで?』
『うう~。理由は判らないが…ピ―――――の素行調査の指令を受けて』
『それで、その人は居たん?』
『いや、居てない。なぁ色がまとわりついて気持ちがいいのだが、今自分は何をされているんだ…あうっ!!』
何らかのローションを肛門に塗られてバイブを突っ込まれていた。ブオ~ンブオ~ン――――。
『お兄さん、しごいたろか?その前に書くことがあるねん。ちょっと痛いけど』
そういうと刺青machineを手にし、その村田なる刑事の臀部に何かを彫り始めたのである。Massacre――――。血が滲んではいるが色が入っていない。いや、ブラックライトに青い文字が浮かび上がっているではないか。
その後にその男はペニスをしごかれ、精液を放っていた。
その頃――――。 
「何の為に防犯カメラの強化システムを取り入れようとしているねか、アンタ達は解っているのか!!」
「お宅等がN県警の公安だか何だか知らないが、府警側の意見を言わせて貰えば、この松山という男が何に関わっているというのか、さっぱり判らんね」
「吉岡、何とか言えんのか」何故ミナミの夜を監視モニターで奴を捕えようとしているのか、私には十分に察していた。
「どうなんだ吉岡、あれは奴ではないのか!?」
何を焦っているのか。奴はバカではない。防犯カメラの設置場所は既に把握しているに違いない。それにしても巧く人混みを利用している。
「ちょっと止めてくれないか。吉岡、アイツは村田ではないのか?引っかけ橋で何をしているんや」
「主任、確かにそうかも知れませんが、当日の村田は休暇となっていますが…」
私は恐らく悪魔に傾倒されているのかもしれない。
カメラ監視のための見え方事前予測の研究
- その1 モデリングとモニター映像の関係 -

技術開発室 技術部 技術開発グループ 江湖 俊介

キーワード

CCDカメラ,セキュリティー,監視,事前予測,照度,モデリング

1.はじめに
CCDカメラの普及に伴って,TV放送ばかりでなくセキュリティー監視など様々な分野にTV映像が用いられるようになった。特にセキュリティー分野では,一般の屋内照明のように光の方向性が弱く照度均斉度の高い環境下では,ある程度満足の行くTV映像をCCDカメラから得ることができるが,夜間の屋外のように輝度対比が大きく方向性の強い光によって顔面に強い陰影が生じ易い環境下では,顔の識別が不十分な場合が多い。 一般に,人の識別が可能なTV映像は,カメラの感度・露出,被写体の輝度分布などに関係し,特に光の方向性(照明ベクトル)によって顔面に生じる陰影は,顔の識別に大きく関係すると考えられる。しかし,カメラの仕様書などには,照明に関する条件として最小照度が記述されているに過ぎない。それゆえ,陰影の影響を定量的に評価することが望まれている。 一方,顔の識別性に関する既往研究は,Cuttle1)が照明ベクトルとスカラー照度の比を用いて顔のモデリング評価を検討している。宮前・武内2)は,街路・犯罪照明における顔の見え方と照度レベルの関係を導いている。
一方,顔の識別性に関する既往研究は,Cuttle1)が照明ベクトルとスカラー照度の比を用いて顔のモデリング評価を検討している。宮前・武内2)は,街路・犯罪照明における顔の見え方と照度レベルの関係を導いている。P.Rombautsら3)は,住宅エリアにおける顔の識別に要する半円筒面照度の最小値を明らかにするとともに,鉛直面照度と半円筒面照度の比によるモデリング評価を検討している。 これらは,顔の識別性を検討するための重要な知見を与えておリ,監視カメラによって得られた映像の評価にも応用することができる。しかし,モデリング評価と監視カメラから得られる映像との関係,特に「顔の識別性」との関係は明らかにされていない。もし,このような関係を適切に記述することができれば,監視カメラでの見え方事前予測が可能となり,セキュリティー照明などの設計に貢献できるものと考える。 そこで,本研究では,監視カメラなどによって「顔の識別」が可能な映像を得るための照明条件を明らかにすることを目的とし,以下の手順で検討することにした。
Cuttleのモデリング評価実験を参考に,モデリングの異なる評価刺激を作成し,モニター上で「顔の識別」の程度を評価する。

この評価結果を基に,モデリングの記述方法を考察する。

2.評価刺激の作成

2.1 撮像環境と照明設備


図1 評価刺激撮像用の照明設備
照明ベクトルの高度と方位,照明ベクトルとスカラー照度の比がそれぞれ異なる評価刺激を作成するために,図1に示す照明設備を相互反射が無視できる暗室内に作成した。これは,約2.0×2.0m,高さ2.0mで,内部に照明ベクトルを得るための写真用投光電球(500W,5,900K)と,スカラー照度を得るための立方体に組んだ3波長域発光形蛍光灯(40W,5,000K)が設置され,暗幕で囲われている。中心には評価刺激である人の顔(人形),前面には撮像および輝度測定用の開口0.7m×1.2mを設けるとともに,背面には1.4m×1.2mの開口を設けた。背面の開口は,照明ベクトルやスカラー照度の変化による背景輝度への影響を無視できるようにするためのもので,その背後3.5mに暗幕を設置した。
2.2 評価刺激の撮像条件


図2 露出設定時の顔の大きさ
評価刺激は,CCD素子を内蔵したデジタルカメラ(130万画素)でカラー画像を撮像した。照明条件は,照明ベクトルの高度(α)を0,30,60,90度,方位()を0,30,60,90,120度に変化させるとともに,照明ベクトル・スカラー照度比が0,1.5,2.5,3.3,4.0になるように,写真用投光電球と蛍光灯を調光した。 カメラの露出は,照明ベクトルやスカラー照度の変化による陰影の相違だけが撮像されるように,照明ベクトルの方位を90度,照明ベクトル・スカラー照度比一定,顔の画角一定(図2)で設定した。撮像は,照明ベクトルの高度・方位だけを変化させて,適正露出,EV+1,EV-1の3種類とした。
2.3 評価刺激の大きさ
顔の識別性は,映像上での顔の画角とその観察距離にも依存する。一般に,監視カメラ等における人の縮尺率は,たとえば「モニター画面の高さとそこでの人の高さが等しい場合を縮尺率100%」と言うように表され,人物の確認など全体を把握する場合には縮尺率50%~67%が,風体を識別するには縮尺率100%が良く用いられるとされている。 我々は,通常の監視カメラが縮尺率50%~67%で稼働していると推定されることから,提示する評価刺激中の顔の大きさを縮尺率67%相当に設定した。
3.識別性の評価実験

3.1 評価カテゴリーとインストラクション

顔の識別の程度は,表1に示す5段階の評価カテゴリーを設定した。また,評価に際して,次のインストラクションを与えるとともに,「顔に生じる陰影の強弱」と「顔の明暗」を混同しないよう,図3を基にその違いを説明した。
インストラクション

いま,あなたは防犯カメラによって映し出された犯罪者の人相などを識別することが要求されています。これからモニター上に色々な映り方をした人の顔を提示しますので,その個体識別の程度を次の5段階で評価してください。
表1 評価カテゴリー

顔の識別の程度

1
陰影が強すぎて,顔の輪郭・目鼻立ちが,ほとんど分からない
2
陰影が強いが,顔の輪郭・目鼻立ちが,やっと分かる
3
陰影が適度で,顔の輪郭・目鼻立ちが,明瞭に分かる
4
陰影が弱いが,顔の輪郭・目鼻立ちが,やっと分かる
5
陰影が弱すぎて,顔の輪郭・目鼻立ちが,ほとんど分からない

図3 陰影の強弱と明暗の相違
3.2 評価環境
評価刺激は,17インチCRTモニター(MITSUBISHI Diamondtron RD17G II)および17インチTFT液晶モニター(PROTON RD170C)の2種類に提示した。周囲の環境は,机上面照度500 x,モニター面照度250 x,周囲からの着色した反射光の影響が無視できるとともに,光源等の映り込みのない無彩色室内とした。刺激提示状態での各モニター面中央部の輝度は,全白色表示状態と全黒色表示状態を,視角1度・測定距離1mで5回測定したところ,CRTモニターではそれぞれ平均92cd/mと平均3.3cd/mであり,液晶モニターではそれぞれ115cd/mと2.8cd/mであった。
「お宅等の事情はフフフ、粗方の噂は聞こえてはいますがな」
「…………」
「お帰り願いましょうか。アンタ等の事情で我々までが巻き沿いを喰らう訳にはいきませんわな。まぁ、余程の事件がない限りは。フフフ、一人占めはいけませんな」
間違いない。奴が抱えているものが如何に大きいものかは、既に私は横浜での夜を忘れることはなかった。
それに…私が松原であることまで見抜いている。ましてや……。背筋に冷ややかな汗が流れたのは冷房のせいではない。
冷やかな視線に主任は舌打ちをした。所轄が違えば何処でも同じである。
それにしても奴は何を為そうとしているのかが判らない。

「ククク吉岡さん、いや、松原さんと呼ぶべきかな、クク。古都の暮らしは馴染みましたかな。ククク吉岡さん、録音は構いませんが、公にしたところで、クク、お分かりのことと思いますが」
「………」
「ところで吉岡さん、貴方は今日まで何人殺めてきたのですか」
「な…何を言いたいんだ…」
「ククク。鴉、つまり、貴方はそのメンバーでは?」

あの日の奴の言葉が再び甦り、奴の凍てついた視線が私の心臓を突き刺した。
「どうかしたのか」
「いえ主任…。帰りましょう」
そう答えた時、私の携帯電話が忙しく鳴り出した。
「出て構わんよ」
主任の言葉に促されるように私は携帯電話の受話開始ボタンを押し耳にあてがった。
「はい、吉岡ですが。君は確か…」
迂闊に名前を出しかけた私に
「どうしたのかね」
怪訝そうに主任が言葉をかけてきた。
「いえ」
そう答えた時に「キャハハ上司と一緒なんだ」携帯電話の向こう側に東條彰子が悪戯っぽく言葉を繋げてきた。
「吉岡しゃん、キャハハ。長岡さんが襲撃されたよ」「何!!まさか奴なのか!?」
「違う。彼にはアリバイがあるんだから。只キャハ」
「まさか…」
「早とちりしないでよね。長岡さん達は、そうそう村田君もなんだけどさぁ、捜査後に車輛に戻ったらガラスが割られていたんだって、クス。どうだろうかねキャハハ」
「何故私に…」
切りやがった。何がどうなっているんだ…。
「吉岡、何かの情報か?」
「いえ。その…女が」
「おめでたということか。まぁ今日は引き上げるしかないな。失礼させて貰うよ」
私は無言に頭を下げ主任の後を追いかけるように歩を進めた。