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第53話

Party of a shudder
少し身体が痛く、まだ頭も重い。薄れていた記憶を呼び覚ますように、目蓋に眩しさを感じながら、そろり―― と開けてみた。 
まだ身体に異常が残っているのだろうか、視界に飛び込む全てにピントが外れているかのようにボヤけて浮かぶ。誰だろう…?人影に「病院…」そう思うも、そうでないことが私の身体に感じた。顔横にある腕がバンザイ気味で何故か素肌を曝している。
その重苦しい腕を引き戻そうとした時、
「痛い!!」
手首に異常を感じる。ジャラリ―― という音と共に私の意思を拒んだ。「何なの…一体…」私に何が起こったのだろうか…、まだ頭が重い。そして、現実の光景が完璧な形として目に飛び込んでくること驚愕を感じた。
顔を持ち上げた私の目に映ったものは…
「何故私は黒い革状の拘束具で縛られているの…?」
そう思う瞬間、私は有り得ない状況に置かれていることを知る。
「…あっ!?」
何故このような状況になっているのか…、自分の記憶をまさぐる。
そう言えば私は残務処理中に意識が薄れたように記憶している。なら何故…。確かJASMINETEAを飲んだ。そうだわ、片瀬と話し込んでいる時に私は急に身体が鈍より重苦しくなり――――、まさか…… そう思った瞬間に私の目に色彩が戻ったかのように現実の光景が浮かびあがった。なら此処は何処なのよ…?不自由な腕の中で自身の身体をどうにか体勢を取り戻そうとした時に如何わしい女性が私に近付いてきた。ボンテージ風というのだろうか、彼女の華奢な身体にフィットした黒いタンクトップに同系のショーツが私をドキリとさせた。何かの夢を見ているのだろうか…。
「気がついたんだ、キャハ」
私の顔を覗き込み悪戯っぽく彼女が言った。
誰だったのだろう…、私の記憶に残っている気がする。誰?思い出せ、思い出すんだ―――。可愛い気なその彼女の顔を虚ろ気味に見据えていると、思わず私は息を飲み込んでしまった。
「確か貴女は、S署の……」
「チャハ、憶えていたんだ。流石は検事」
しゃがみ込んだ彼女は愛くるしく私に答えた。
「此処は何処なの…」
「シーッ」
私の質問に彼女は自分の人差し指を唇にあてがい、誰かを気遣うように囁いた。
「クスッ。もうすぐ終るから静かにしていてね。この時間彼の機嫌を損ねると、非常にマズイから。キャハ」
そう言えば別室から微かに聴こえるのは何だろうか?何処かで聴いたような憶えがある。何だったろうか…。それに、彼とは誰なの?
――、レミ、お前は拾われた子だ。
レミ?拾われた子?まさか『家なき子レミ』?

家なき子レミ

フランスの田舎町に住むレミは、ある日、父に「拾われた子だ」と告げられ、人買いに売られそうになります。 しかし、旅芸人のヴィタリスによって助けられます。犬のカピ、ゼルビーノ、ドルチェ、猿のジョリクールと 芸をしながら本当の母親を求めて旅を続けるレミ。あるとき、トゥルーズという町で本当の母ミリガンとその 息子アーサーと出合いますが、レミは気づかないままパリを目指して旅立ってしまいます。その後、ヴィタリス が病死や幾多の苦労を重ねますが、やがて母と再会を果たし母娘としての新たな人生を歩み始めました。
放映期間:1996/9/1-1997/3/23

■ 家なき子レミ 1
 アニメ
DVD | 2002/09/25
そう思うや、私は自分の躰に目を向けるや、ショーツ以外に何も着けていない露な自分に羞恥を感じ、膝を重ね合わせるように躰を捻った。どういうことなの?同時に憤りが込み上げ、彼女を睨み付けた。
「キャハ、もう終るみたい」
そう言うと彼女の手が私の胸をまさぐり始めた。
「キャハ、私より大きい。それに感度も良さそうだわ。キャハハ」
何なの…ちょっと…。まるで悪戯好きの少女のように、しなやかな彼女の指が私の乳房をまさぐり出した。
「ちょっと貴女」
私は身を捩(よじ)りながら言葉を続けた。
「辞めて!!それより此処は本当に何処なの?それに何故貴女が此処にいる訳?」
「何れ彼から聞かされると思うけど、イイ検事さん、貴女は踏み込むべきでない場所に足を踏み入れようとした訳」
「…………」
「ねえ、それよりもア・ソ・ボ検事さん。キャハ」
しなだれかかる彼女の目が私の躰を舐めるように見つめている。そうしてチロッと小さな舌を出すや私の乳首を舐めつついてきた。
「あ…、辞めてってば…」
「彰子!!」
その瞬間、別の声主が私の耳に飛び込んだ。「…まさか?」
肌に悪寒を感じるような衝撃を私は今受けようとしていた。
「松原君、君は今日まで何をしていたのかね?噂では横浜で姿を消したとのことだが」
同時刻―――。
「気がついた時には今いる私のこの部屋のベッドに寝かされていました」
「処で君の身分が知れてしまったということはないだろうね」
「はい室長、公安であることは、襲われた時点で知れているものと認識した方が良いかと思われます」
「違うんだよ。内調の方だよ、君!総理が気にしているのは」
「……大丈夫です」
「何だね、その自信のなさは?」
「申し訳ありません。只私が何をもって襲われたのかは判っていません」
「まぁ宜しいでしょう。事の機密性に於いて、松原君、君に何があっても我々は関与できないことを認識してくれたまえ」
そう言い残し内閣調査室室長が腰を浮かせた。
「それと、奴はどこまで知っているのかね」
「はい、まだ裏の繋がりが見えていませんが、室長、何故奴を狙うのですか」
「余計なことは詮索しない方がいい。何れ答が出る」それだけ言うと、ドア向こうに姿を消した。自分の手を見て感じたことは、如何に私の手が汚れているかである。既に私自身が地獄から這い出せないことを重々に感じ取っていた。


「キャハ、ざ~ん念」
そう言うと彼女は私から離れた。ドクン、ドクン――、何やら私の心臓が高鳴り始める。そして全身に流れる血がまるで逆流するかのように感じ、ブルッと震えた。
「松崎検事、やはり逢えたな。ククク」
「ま、松山慎悟!!」
鼓動が早まる中で私は奴を見据えた。『有机会再見面ロ巴』あの日の言葉が、今ハッキリと私の耳奥に木霊したのだ。今一度自分の躰に目を向ける。何たる醜態、その憤りに私は奴に言葉をぶつけた。
「松山、これはどういうことなの!!」
「ククク。その顔もいいものだ」
「バカなことを言わないで!!兎に角これをほどきなさい。そして、その意味を説明して頂戴!!」
私は恥辱に耐えながら奴を睨み据えた。人を小馬鹿にしたような視線、こんな奴に―――、私は歯痒さを感じた。
「何よ慎ちゃん、こんな女に興味があるんだ?」 
こんな女とはどういう意味よ?私は彼女を見据えた。確かに彼女は可愛く思う。けれど私は自分自身で言うのも何だが、決して女の魅力がない訳でもない。現に交際を望む同僚が数人居るのも確かだ。それにしても奴は何者なんだろうか?ヤクザと警察官…、現実の有り体に感情が歪みだす。
「クク。あのなぁ彰子、この女は、ククク、既に俺に抱かれている。クククク」
「何よ、それ?」
奴の言葉に、信じられない――― というふうに語尾を強め、プイッとソッポを向けた。
「バカなことを言わないで!!」
「ククク、彰子が妬くとわな」
私は奴の言葉に侮辱を感じ、束縛された腕を揺すった。人間の感情は、たった一言で乱れてしまうものだ。私自身もそうだが、既に彼女さえ感情が縺れ出している。それよりも私はどうなるのだろうか?心が不安定に揺らぐ。
「違う慎ちゃん!!私が知っている女だから厭なだけ」
「ククク、まぁいいさ。それよりもテーブルにあるノート・パソコンを持ってきてくれ。そうすればククク、俺が言っている意味が判るだろう」
何をしているのか判らないが、何等かの思い出を玩ぶかのような奴が憎し気に映る。そして彼女は唇を尖らせながら移動し、1台のノート・パソコンを抱え戻って来た。
「よく聴いておくんだ」
彼女が持ってきたノート・パソコンを操作しながら奴が言った。一体何を聴かそうとしているのか…
「クク、ククク」
生活空間の中で、何処かで聴き覚えのあるショパンのPolonaise-Fantasie A flat major op. 61

http://www.youtube.com/watch?v=-zSDoZRsUfw&feature=related
流れている。

フレデリック・ショパン
Fr d ric Fran ois Chopin出生名 Fryderyk Franciszek Chopin
出生 1810年3月1日(異説あり)
出身地 ワルシャワ公国 ジェラゾヴァ・ヴォラ
死没 1849年10月17日
フランス パリ
ジャンル ロマン派音楽
職業 作曲家・ピアニスト 活動期間 1817 - 1849
ポータル クラシック音楽 フレデリック・フランソワ・ショパン(フランス語:Fr d ric Fran ois Chopin、ポーランド語: FryderykFranciszek Chopin(フルィデールィク・フランチーシェク・ショペーン)1810年3月1日(2月22日(出生証明の日付)、1809年3月1日説もあり) -1849年10月17日)は、ポーランドの前期ロマン派音楽を代表する作曲家である。当時のヨーロッパにおいてもピアニストとして、また作曲家として有名であった。その作曲のほとんどをピアノ独奏曲が占め、ピアノの詩人とも呼ばれるように、様々な形式、美しい旋律、半音階的和声法などによってピアノの表現様式を拡大し、ピアノ音楽の新しい地平を切り開いた。ノクターンやワルツなど、今日でも彼の作曲したピアノ曲はクラシック音楽ファン以外にもよく知られており、ピアノの演奏会において取り上げられることが最も多い作曲家の一人でもある。また、強いポーランドへの愛国心からフランスの作曲家としての側面が強調されることは少ないが、父の出身地で主要な活躍地であった同国の音楽史に占める重要性も無視できない。
1988年からポーランドで発行されていた5000ズウォティ紙幣に肖像が使用されていた。また、2010年にもショパンの肖像を使用した20ズウォティの記念紙幣が発行されている。

なみだとどろでよごれた顔のレミが、とぼとぼ歩いていく。後から、だらんとしっぽをたらして、犬たちがついてくる。
町の人たちが、みじめなかれらを遠まきにながめながら、ひそひそと話している。
「ほら、あれだよ。あの一座の親方が火つけどろぼうの犯人だったそうだよ」
「こわいねえ。きっとあの子もろくな子じゃないよ。そばによらないように、うちの子にもいっておかなくちゃ」
「あの…わたし…」
なにかいい返したいけれど、まわりのつめたい目にたえきれず、レミはだまってうつむいてしまった。

奴は何故これほどに『家なき子レミ』にこだわるのだろうか。
奴がこのビデオ観賞の時間帯は神なる聖域として誰もが立ち入ることを赦されないという。
松山慎悟…。奴の生い立ちに何があるというのか? 「フフフ、奴に着くか、内調の犬として生涯を閉じるか?」
確かに奴は言った。アイテムの使い方次第だと。
京都でのガキの悪戯、銀流会々長に於ける襲撃もガキの仕業だという。
松山慎悟、お前は何を見ているんだ。フフフ、確かに面白いかもしれない。本来なら死んでいる我が身だ。ましてや奴のお陰で地獄を見てしまった。
「お前は何を求めているんだ?」
いや、待てよ。奴だけに視線を泳がしているのはどうか…。そろそろ職務に復帰してみるか。