第72話

Poison2(毒2)
5
2019/10/21 03:28
何にも載っていない。毒を盛られ過ぎた3人。 
それよりも、さっきから背中を刺すような毒々しい視線を感じるんだ。何故?如何にも敵がい心を剥き出したような視線が。

「おはよう、東條君。京都から赴任させられた公安の吉岡です」
「あっ、おはようございます。っていうか、何故私を…」
「お遊びがお好きなようだがハハハ。いや、何も言わなくてもいい」
そう言うと周りに視線を配り
「item同士仲良くやろう。但し、今はだが」
「はぁ~、何なんですか~それって?キャハ、もしかして吉岡さん、それってセクハラ?」
「いいか東條君。監視されていることを忘れるな」
そう小声で早口に言うと
「此方は初めてなんでね。一応階級は君より上だよ。一度街を案内してくれたまえ。では」

何なんだ、あの人は?でも彰子に敵がい心はないみたいだけど、只…、目に蒼く凍てついたものを感じた。可なりの修羅場を潜ってきたのだろうと彰子は感じたんだよ。けど、何故彰子のことを知っているんだろう。まさか……。


昨夜を思い出す。
「パパ(西岡)、少し飲まない?」
「そうやなぁ、シャワーも浴びたし、麗子ビールがええなぁ」
「ごめんなさい。ビールはないの。それじゃ喉越しのイイモのを作ってあげる。テレビでも観ていて」
西岡がシャワーを浴びている間にパソコンの電源をいれた。これで、あの人の関係に繋がる。
「パパ、こんなものしか作れなくてごめんなさい。次はビールを置いておくわ」 「何やこれは?うん、何やら飲みやすいわ。これならワシにも合いそうやな」
「よかった。作った甲斐があったわ。ディアブロブラッドというのよ。覚えておいてね」

Diablo's Blood
Base: Wine

赤ワイン 50mL
コーラ 50mL
→大型カクテルグラス
よく冷えた材料をグラスに注ぎます。 「悪魔の血」という恐ろしい名前の付けられたカクテル。赤ワインは「キリストの血」とも言われますが、それに黒いソーダ水であるコーラを注ぐことで、赤黒いブクブクという液体になっています。そう、あたかも悪魔の血であるかのように。
そう、貴方に一番合いそうなカクテル。そこに精力減退液を混ぜ合わせたの。

判るでしょ。こんな男のモノを挿入されるだけでも嫌だわ。本当は愛撫も嫌だけど、そのくらいは我慢するしかないわね。
西岡は上機嫌だったわ。何度かホテルの誘いを巧くかわしながら、漸く私の部屋に迎えいれたのだから。
執拗過ぎる蜜壺への愛撫。
「ああん…。イヤイヤ、アソコばかり…。あふん」
「どうや麗子、気持ちいいか」
「お願いパパ、挿れてああ~ん」
いや、本当は早く終わって欲しいのよね。一応私はイクことで満足をしている。誤解しないで、私は西岡(貴方)の愛撫に満足している訳ではないの。貴方のがさつな愛撫は、あの人の妄想に於ける補足しかないのよ。
「あかん。まだ勃起(た)ちよらん。麗子頼む、舐めてくれ」
「ああ、あふん。何故なのパパ、私に魅力がないわけ?」
本当は判っている。私の濡れそぼる蜜壺に挿入したがっていることを。フフン、勃起する筈がないじゃない。毒を盛られていることも知らない鈍い男。本当だ。西岡のペニスに指をあてがうと、萎んだままだ。そう思いながら私は玩ぶように睾丸を撫でた。
「何でやろか、勃起(た)たんがな…」
そう言いながらもフェラを強要する。諦めの悪い男。仰向けになった西岡のペニスを焦らすように指で扱きながら、用を足さないその物を口に含んだ。
「気持ちいいんやが…」
「パパ、疲れているんだわ。今日は休みましょ。次は頑張ってね」
「そうやな…」
あ~、漸く諦めてくれた。忌々しさから漸く解放された想いがした。
「ねえ~パパぁ、何故そんなにお金回りがいいの?」
「うん?まあな」
そう言うと、何を思い出したのか、西岡は含み笑いをしたのだ。ウダツの上がらない西岡にしてはお金回りが良すぎる。
「何や麗子、おねだりか?グフフフ」
「ううん、違うわ。パパが無理しているのじゃないかと思って」
西岡は私の脚を撫でながら含み笑いを続けていた。
「気になるんか?」
「別に」
貴方なんか気にしても何の意味もないのよ。それよりも西岡が帰れば寝具をクリーニングに出そう。そんな他愛ない思いを浮かべていた時だった。 「そうや麗子、今度沖縄でも行かんか?」
「本当に?でも……」
「でもって何や?」
「パパ、無理してない?」
「麗子、ワシも一家の組長やで。ええスポンサーが付いとる。な~も心配あらへん。う~ん、何や眠とうなってきたわ」
そう言うとワザとらしく大袈裟に欠伸をしだした。
「麗子、済まんが明日は9時に起こしてくれんか。若い者が10時に迎えに来るからの」
「はい。パパぁ、シャワーは?」
「いや、ええわ。何や疲れてもうた。麗子、お前シャワー浴びたいなら浴びてきたらええ。ワシは先に寝てるからの」
そう言う西岡の厚い唇に軽くキスをし、私は西岡から離れた。

モンダミンで口中を濯ぎ終え、シャワーを浴びながら自分の身体をまさぐる。物足りなさ…。ローションをなすりつけながら、穢らわしさを払うかのように左手に乳房をまさぐり、右中指を蜜壺に滑らした。
「請ロ艾呀…,イ尓愛使之溺水。ロ艾呀,好。心情舒暢。iku,ロ艾呀(チン アイ ヤ- …,ニ- アイ シ- ジ- ニ- シュイ。アイ ヤ-,ハオ。シン チン シュ- チャン。iku,アイ ヤ-ああ…、貴方の愛で溺れさせて。ああ、いい。気持ちがいい。イク、ああ )」
はあはあ…うう~。指先がドロリと愛液にまみれた。
初めて潮なるものを吹かされた夜を思い出すと、ブルル―― と躰が悶えるように奮えた。

寝室を覗くと、バカみたいに西岡は鼾(いびき)をかき眠っていた。
退屈な男―――。あの人と同じ世界で生きながらも、まるっきり見ているモノが違うわ。只あの人の本当の心が深すぎて見えない。
「ククク、深く俺の心を覗こうとするんじゃない」
探し物。まさか、あんな所に居たなんて…。
テラスで夜風を浴びながらマルガリータを傾けた。 少し欠けたような青い月が真珠のようにカクテルグラスに浮かんでいる。
同じ月なのに、この国を照らす月が透き通るように見える。

マルガリータ(Margarita)とは、テキーラをベースとするカクテルである。
由来
マルガリータはスペイン語の女性人名である。元々の語源は、ギリシャ語のmargarite(真珠)から。 このカクテルにマルガリータの名が付けられた由来には、何種類かが挙げられている。
1949年にロサンゼルスのバーテンダー、ジャン・デュレッサーが考案。1949年のUSAナショナル・カクテル・コンテストで3位に入選したことで広く知られるようになった。ジャン・デュレッサーの若き日の恋人マルガリータが、狩猟場で流れ弾にあたり亡くなったのを偲んでつけられたと言われている。

どんな酒も塩をなめながら飲むガールフレンドのために、1936年にメキシコのホテルのバーテンダーが作り、ガールフレンドの名前をとって名付けた。

標準的なレシピ
テキーラ 1/2
ホワイト・キュラソー(オレンジ風味のリキュール)1/4
レモン・ジュース、またはライム・ジュース 1/4

作り方
上記材料をシェイカーに入れシェイクする。

縁をレモンなどで湿らせ、そこに食塩をつけたカクテル・グラスに注ぐ(スノースタイル)。

レシピの変化
上記にもある通り、1936年にメキシコのバーテンダーが考案したとの説もあり、その時は食塩でスノースタイルにしたカクテルであったという。 ジャン・デュレッサーが、1949年のカクテルのコンテストで発表した時のレシピは、
テキーラ = 45ml
ライム・ジュース = 30mlレモン・ジュース = 30mlホワイト・キュラソー= 7ml

を、食塩でスノースタイルにしたシャンパングラス(容量120ml以上)に入れていた。 したがって、少なくとも1949年のレシピと現在の標準的レシピとでは、違いがあることが判る。
★バリエーション
フローズン・マルガリータ
色とりどりのマルガリータ

ホワイト・キュラソーの代わりにブルー・キュラソーを使ったものはブルー・マルガリータと呼ばれる。

また、上記材料とクラッシュド・アイスをミキサーで混ぜ、シャーベット状にしたものはフローズン・マルガリータと呼ばれる。この場合は冷たさで甘みが弱く感じられるので、砂糖を小さじ1杯加える。

備考
サイドカー(または、X-Y-Z、バラライカ、ホワイト・レディ、ウイスキー・サイドカー)のバリエーションと考えることと、ダイキリのバリエーションと考えることがあり、それによってレシピが変わる。サイドカーのバリエーションと考えると、
テキーラ = 30ml
ホワイト・キュラソー = 15ml
ライム・ジュース = 15ml
となり、ダイキリのバリエーションと考えると、
テキーラ = 45ml
ライム・ジュース = 15mlホワイト・キュラソー = 1tsp

となる。なおこれは、容量約90mlのカクテル・グラスに作る場合の分量。カクテル・グラスのサイズが小さい場合は、比率を保ったまま減量する。このように、単純に何のカクテルのバリエーションだと言えない側面がある。ただウォッカベースのカクテルであるカミカゼもマルガリータ同様サイドカーのバリエーションと考えることとダイキリのバリエーションと考えることがある。

「あ、流れ星…」
兄はいつまで魂が燃え続けられるのだろうか…。
学生の頃、天安門事件で恋人を亡くした兄は、あの人に出逢い、持病抱えた魂を売り捧げた。その兄とも2度と逢えることはない。 それがあの人との条件だった。

天安門事件


天安門事件(てんあんもんじけん)とは、中華人民共和国北京市の天安門広場で起こった事件の総称である。1976年と1989年に起こっているが、日本においては、ただ単に「天安門事件」といった場合は第二次のものを指すことが多い。中国国内では無かったことになっている。
五四運動(1919年5月4日) - 中華民国時の北京から全国に広がった反日、反帝国主義を掲げる大衆運動。

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