第3話

いつのまに
47
2018/03/02 14:25
次の日__


ホームルームが終わり、みんなは教室を出て行く。


10分もすると、私一人になった。


先生、まだかな?


雪宮先生「ごめんごめん。何がいるかと考えていると遅くなってしまった。」


そう言って、先生は私の前の席に座った。


先生の前にあるダンボールの中を見てみると、小さな布一枚と裁縫道具、それに何色かのフェルトが入っていた。



雪宮先生「この布に2-4って刺繍のがルールで、みんなが見やすいようにするらしい。」


あなた「らしいって、先生本当に五組の担任ですか?」



雪宮先生「もちろん!」



呆れる。


この人本当に先生なのかな?


雪宮先生「で、俺は何すればいい?」


先生は机に顎をつきながら、上目遣いで聞いてきた。


それは不意打ちのことで、一瞬心臓が飛び跳ねてしまった。



あなた「ま、まず私がこのフェルトに2と-と4を描くのでそれを切ってください。」



雪宮先生「了解。」



それから私たち黙々と作業を進めたが、まだ一日では完成できなかった。


雪宮先生「山本、申し訳ないが明日も残れるか?」



あなた「大丈夫ですよ。」



雪宮先生「本当に助かる。ありがとう。今日は遅いから送るよ。」



確かに窓の外は真っ暗だった。



今まで結構助けてきたから、送ってもらってもバチは当たらないでしょう。



と言うことで、先生のお言葉を甘えて送ってもらうことにした。



春だと言っても夜はまだ寒い。



私はブレザーが嫌いなので今日も着てこなかった。



正直寒い。



ふわ



肩に何かかかった。



雪宮先生「この時間帯になるとその格好じゃ寒いだろ。これでよければ来ておけ。」



あなた「あ、ありがとうございます。」




先生はチャラチャラと音を立てながら車を取りに行った。




数分後、私の前に白い車が現れた。



先生は降りて来て助手席のドアを開けてくれた。



雪宮先生「どうだ?紳士だろ?」



あなた「どうせ今日だけですよね。笑」



雪宮先生「まあな。笑」



ドキッ




まただ。



また心臓が跳ねた。



今度はさっきより大きく。




それからというもの、ふとした時に先生が頭をよぎるようになった。



お風呂から上がった時、学校に向かう時、授業を受けている時。



ユリノ「それ、恋だよ。」



あなた「ええ!?私が!?しかもあの先生に!?」



ユリノ「うん。」



ユリノは驚く様子もなく、お弁当を食べ続けた。




あなた「ありえないよ。私、あの先生には呆れてるもん。」



すると、ユリノはニッと骨格を上げ、不敵な笑みを浮かべた。



ユリノ「ですがあなたちゃん。ふとした時に先生が頭をよぎることを止めることはできますか?」




あなた「うっ。そ、それは…。」




ユリノ「本能は止められませんよね?それが恋ですよ。」




これ以上ユリノに反論を言える自信がない。




そして、認めてしまった。




私は雪宮先生に恋をしたのだと。








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